劇場公開日 2015年6月19日

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「アメリカ公民権運動の歴史を知る」グローリー 明日への行進 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アメリカ公民権運動の歴史を知る

2015年6月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

1965年、アメリカ合衆国アラバマ州セルマで起きた『血の日曜日事件』を描いた作品。

映画冒頭の爆発シーンは、1963年9月15日に起きたアラバマ州バーミングハムの16番街バプティスト教会爆破事件みたいですね。始まっていきなり爆発するんで、ちょっと驚きました。

原題が『SELMA』と言う事が示している通り、物語は基本的にアラバマ州のセルマを出ません。邦題が『グローリー 明日への行進』と言うことと、そもそも、多くの日本人はアメリカ公民権運動についての知識があまりないので、キング牧師の半生を描いた作品と誤解するかもしれませんね。もっとも、日本人に“セルマ“と言っても、何のことやら、もっとわからないかもしれませんが。

劇中、キング牧師に対する呼びかけが『Dr.King』と聞こえていたのと、エンドロールに“Dr. Martin Luther King, JR.”と書いてあったので、キング牧師が博士であった事を初めて知りました。神学の博士号を持っていたんですね。でも、博士号をもっていると、牧師と言う呼び方ではなく、博士と言う呼び掛けになるんですね。そっちが優先なんだ。

しかし驚くのは、この映画が描いたのは、リトルロック高校事件よりも、有名な『I Have a Dream』の演説よりも後の出来事であって、その時には既に公民権法も成立していたと言う事。公民権法の成立が、公民権運動のゴールでは無かったんですね。もっと歴史を知るべきですね。中々考えさせられました。

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勝手な評論家