「今年一番のヒューマンドラマ」マイ・インターン うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
今年一番のヒューマンドラマ
『プラダを着た悪魔』の、アン・ハサウェイが、忙しくて家庭も仕事も煮詰まったエクゼクティブを演じるのを聞きつけ、どうしたって期待せずには居られませんでした。
生涯でも、ベストテンに入るくらいに好きな映画の、まるで続編のようなキャラクター設定だなと思ったからです。
そして、今作では、なんと自身がアシスタントを雇うという発想の転換。その役にデ・ニーロが入るという、夢のようなキャスティング。
相変わらず、私生活では結婚した夫とうまくいかず、忙しい毎日を飛び回っている雰囲気まで、あの映画にそっくり。
それでいて、暗くならないのは、アンの、天性のキャラクターによるところが大きいと思います。
かたやデ・ニーロですが、これがまた素晴らしい演技で、おそらく彼以外の誰が演じてもこの役は出来なかったのではないかと思います。
ほんの短いセリフで、的確な指摘を与え、表情や身振りを交えて人を変えていく。するどい観察眼に加え、今、自分が出来ることにベストを尽くすという姿勢。
彼の生き方は、世の男性の見本となるものです。
あえて雰囲気で言うなら、『ドライビング・ミス・デイジー』の、モーガン・フリーマンに似た役どころですが、もっと、積極的に周囲の人間関係に関わっていきます。
もちろん映画ならではの話の飛躍と、いくつかの奇跡的な偶然はあるものの、ストーリー展開にも全く無理がなく、最後まで、本当に至福の時間を過ごせました。
願わくば、次は是非、日本語吹き替え版で、彼の名言を噛みしめながら見てみたいものです。
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