「男の見本」マイ・インターン えーしんさんの映画レビュー(感想・評価)
男の見本
紳士の立ち振る舞いとは?
それに答えてくれる教科書の様なベンの立ち振る舞いでした。
働き方が多様化し、自由思想が広がりつつある今の世の中を投影した背景に、古き良き時代の廃れつつある“かたさ”さを持ったベンの魅力が際立った作品だと思う。仕立てたスーツを纒い、ビンテージなカバンを持ち、砕けた言葉を使わずハンカチは常に携帯する。まさにモテる男の象徴。
そんな”かたさ”とは裏腹に、若者の中に溶け込む彼の柔軟性はすべての人が学ぶべき姿勢だ。
自分の孫ほどの年齢の若者たちの生き方や仕事のスタンスを尊重し、学ぼうとする謙虚さ。人を決して傷付けない正義感。その上、人生の先輩としての豊かな経験と価値観をそっと見せる余裕とユーモア。
“正しい行いは迷わずやれ”という彼の座右の銘は、彼はどんな人?という問いにピッタリの答えになるだろう。
私もハンカチは常に携帯しているが、あくまで自分用。人との関わりに消極的が故に女性の涙を見る機会も殆どない。彼のような人間性になれば、自ずと結果もついてくるはずだ。
そんは彼の根底にあるのは「誰かの役に立ちたい」ではないだろうか。お金は自由に使えても、余生を自分だけのために生きることに虚しさを覚える日々から一歩抜け出し、会社・ジュールズを支える日常。自分の居場所がある事に幸福を感じていただろう。だから周りに感謝もできる。優しくできる。
まずは、感謝の気持ちを持つことから始めよう。
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