「心にゆとりを。」マイ・インターン ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
心にゆとりを。
経営者にとって頼りになるインターンが入ってきたら、そりゃもう
役立って仕方ないだろうと思う。忙しくて首の回らない環境に身を
置いている主人公ジュールズを観ていたら、以前自分が勤めていた
会社の女上司がすぐに浮かんだ。とにかく動き回るのがソックリ!
代表者でございます。なんて椅子にふんぞっていることがまずない。
現場から営業まで回った挙句、深夜まで納品物と格闘しているのを
しょっちゅう見ていた。あぁデキる女ってのはこういう人なんだと
誰もが思う見本のような存在。しかし、部下からの評判は悪い(爆)
今作で彼女の秘書がぼやくように、忙しくて部下に目が行き届かず、
彼女に従うのが心底大変だったのは本当。陰口も散々言われていた。
あー似てる。すっげー似てる。さてそんな会社にシニアインターン
のベンおじさん(おじいさん^^;)が入ってきちゃったからもう大変!
ますます見るゆとりなどないジュールズだったが、ベンはさすがの
処世術で女社長の右腕となっていく。…まぁ絶対に(とはいわないが)
あり得ない話だけど、今作には使えるミソがたくさん詰まっている。
頭でっかちで人間関係に疲れ果てた若者たちが、何だそんな古臭い
ことやっててこの先稼いでいけるのかよ!と思う業務や雑用や日々
の幸福感に至るまで、ベンはサラリと解説しダンディに治めていく。
いや~^^;こんなおじさん、私だって欲しいよ(爆)と思ったくらい。
そんな予定調和が続く今作の中で、いちばんの肝かなと思ったのが
彼女のために専業主夫となった夫がママ友の1人と浮気をしており、
それを知ったベンとジュールズ(実は知ってた)のやりとりの一コマ。
妻が夫(の仕事)に対して感謝と愛情の気持ちを忘れていないところ。
収入格差の夫婦や、どちらかが極端に忙しい生活になれば、自ずと
互いの心は離れてしまいがち。どんなに好きでも日々の生活こそが
結婚の肝なんである。そこをどうするか。どう支え合っていくのか。
ベンの予想が気持ちよく外れ^^;ここだけは貫徹の締め括りだった。
(デ・ニーロいいわ~。似合ってるわ~。老いらくの恋は謎だけどね)