ブラック・スキャンダルのレビュー・感想・評価
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“絆”が生み出した悲劇。人間の本性を浮き彫りにする作品。
【賛否両論チェック】
賛:悪人達の絆が、いつの間にか利用し合う関係に変わってしまう様子に、人間の浅ましさが垣間見られ、考えさせられる。ジョニー・デップの怪演も見どころ。
否:展開はかなり淡々としているので、観ていて眠くなりそう。グロシーンもあり。
まるで記録映画を観ているように、マフィア・FBI・政治家の三者がもつれ合う悪行の数々が、淡々と描かれていきます。
そこで浮き彫りになってくるのは、“旧知の仲間への忠誠心”という名の下に、お互いを利用しようとする登場人物達の恐るべき本性。特にジョニー・デップの鬼気迫る怪演は、その恐ろしさを如実に表しています。
“自業自得”と言ってしまえばそれまでの出来事ではありますが、全米を震撼させた大事件の顛末を、是非チェックしてみて下さい。
心構えが必要。。。
結構怖い作品です。
心構えしないで見ると、最後まで見てられないっていうくらいになってしまうかもしれないです。
でも、俳優の演技の点で見るととても感動しますね。あんなにリアルに演じられるのはそういないと思います。
人はなぜ「悪」に魅せられるのか?
この作品に出てくる登場人物「ほぼ」全員 ”悪人” なんですね。
このキャッチフレーズ、どっかで見たこと、聞いた事ありませんか?
そうです、北野武監督の「アウトレイジ」あれですよ、あれ。
本作を鑑賞中に「デジャヴ」を感じたのは、そこなんですね。
おそらくスコット・クーパー監督は「アウトレイジ」を見たことでしょう。
作品全編に漂う雰囲気や、絵作りの構図、アート感覚が、ちょっと似ているんですね。
タイトルにある通り、本作はまさにブラック映画、暗黒映画といってもいいです。
そういう「フィルム・ノワール」の秀作としましては、以前劇場で鑑賞した
「あるいは裏切りという名の犬」が挙げられますね。
あれはよかったですよ。劇場出る時なんか、もう自分はギャングになった気分でしたねぇ。
さらには、デンゼル・ワシントンさんが主演した「アメリカン・ギャングスター」これも最高でしたねぇ。
さて本作なんですが、こう言ったギャング物の作品たちの中で、どういう位置づけをしましょうか?
一歩間違うと、かつての秀作、名作ギャング映画と、同じような内容の、単なる焼き直しに見えてしまう恐れがあります。
ただ、本作は実話を元ネタに制作されていますね。
そこが他の、フィクションとしてのギャング映画と、ちょっと違うわけです。
ただ「アメリカン・ギャングスター」も実話ベースのお話でした。
ここで監督の腕の差というのが出てくるんですね。
「アメリカン・ギャングスター」は、リドリー・スコット監督の作品です。
本作の監督、スコット・クーパー監督も、かなり腕の良い映画監督であることは間違いありません。
本作を見てまず注目すべきは、男優さんたちのキャラ、存在感が際立っていることです。
主演のジョニー・デップはもちろん、脇を固めるジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチ、など
特にジョニー・デップの演技。これは特筆すべきものでしょう。
知性がありながら、圧倒的な冷酷さを併せ持つ人物。
「ヤクザ・ビジネス」その商売人としてのセンスが抜群。努力も惜しみません。よく働くんですね、この人。
いったい、この人物はどういう人間なんだろう?
これだけの努力を惜しまないなら、真っ当な起業家としても、ちゃんと成功しただろうに……と思えるんですね。
物語の舞台は1970年代、ボストンの南町です。
主人公のジェームズ・バルジャーは弟のビリーと共に、貧しい街に生まれました。ビリーは、後に政治家となります。近所の幼なじみ、コノリーは、なんとFBIの捜査官となりました。
ジェームズ・バルジャーは、街のチンピラから身を起こし、麻薬密売などで、ぐんぐん頭角を現して行きます。
そして弟のビリー・バルジャーは政治家としての階段を、トントン拍子に登ってゆきます。
この「ギャング」と「政治家」と「FBI」
全く立場の違う三人が、固い絆で結ばれ、それぞれの地位と権力「金」をめぐり、完全な運命共同体として、行動して行く事になるのです。
ギャング映画の主人公は、もちろん圧倒的な「悪いヤツ」なんですよ。
だけど悪い奴って、なんでこんなに人間的に魅力的なんだろう?
なんでこうも、人を引き込む魅力があるんだろう?
だからこそ主人公の周りに、いろんな人物が磁石のように惹きつけられるわけですね。
こういう構図が、ギャング映画の、ある意味「お約束」みたいな感じに私には思える訳です。
監督自身も、きっとこの悪役の主人公、人物像に、惚れ込んだからこそ、映画を作ろうと思ったのでしょう。
それは北野武監督然り、リドリー・スコット監督しかり。
きっと「ワル」で「ダーティー」なキャラクターに愛着を感じている。
本作ではもちろん、残虐な暴力や殺人のシーンもあります。
だけど残酷な暴力シーンを見せるために、ギャング映画はある訳じゃないんですね。
あくまでも自分の組織を守るため。
自分の家族を守るため。
そして自分の地位と名誉と財産、あらゆる権力を守るため。
そこに人間の深い深い性分と言うものが、見え隠れしてくるわけですね。
ギャングというのは、冷酷で非常で、情け容赦ない、極悪人にまちがいない。
だけど、その原動力は実に人間臭い「欲望」なのですね。
結局、彼らも欲望の前には勝てない。
その時に観客は、彼らギャングも、結局ただの「弱いひとりの人間」に過ぎない、と言うことに気づかされるんですね。
その人間臭い人物像を、ジョニーデップが深く、怪しく、ふてぶてしく演じています。
かつては「パイレーツ・オブ・カリビアンシーズ」において、ジャック・スパロー船長と言う、愛すべき、呑んだくれ船長、というキャラクターを演じました。みんなの人気者になりましたね。
まさか、その人が、こんな一見、氷のように冷たく、非情な人物像を演じきった。
それこそが、この作品を見る価値があると僕は思います。
ジョニー・デップの演技の重厚さ、そして奥深さ。
それが味わえる一作となったのではないでしょうか。
豪華競演のはずが…
評判よりは良かったが、興味がなければ退屈極まりないであろうなと思った一本。
禿&悪役に挑んだジョニデは良くやったと素直に思うけれども。
それ以外の人物がアッサリ流されすぎだと思った。
証言から過去を引っ張る、話の作りは観応えがあるし。
事件にも非常に興味がわいたのだけれども。
いかんせん証言者(=事件の傍に生きた人々)が、ジョニーと彼の演じる主人公の添え物扱い過ぎる。
予告ではもっと密な人間ドラマを期待したのに、蓋を開ければジョニデ様オンステージだったというオチが残念。
カンババなんてほぼ出オチじゃないか、いやむしろ…
ジョニデとカンババが兄弟というのは無理がありすぎやしないか?
それを言ったらアイリッシュ系に主役がそもそも見えないのだけれどね。
熱意は十分に買うけれど、デートには絶対使ったらいけない、どこかボタンを掛け違えた感がぬぐえない作品。
ジョニー・デップが凄い
余り表情を変えないで人を殺すギャングのジョニーが不気味で恐ろしさが増す。FBIの役人との取引でしたい放題のギャング。本当にあった話らしく暗黒の時代があったのだと面白い映画ではないが記憶に残ります。兄弟役のカンバーバッチは知識人で対照的な役柄だった。
ジョニデ怖すぎ。
チラシ・ポスターの段階ではこの禿げ散らかしたジョニデの頭を
観る度に、何またお笑いやるのか?なんて思ったほどだったが、
まぁ怖い怖い!久々にしっかりと演技をしてる(失礼)ジョニデに
出逢えた気がする。あー嬉しい。ソッチ系の話(ギャングとか)に
疎い自分はこのバルジャーなる人物が、昔ニコルソンがモデルと
した人物だったことくらいしか知らない。こんな顔してたのかぁ!
弟と幼馴染含めてこの三者三様の企みが主な重要拠点になる本作、
おそらく事実をなぞるあたりでエンタメ度も下がる。其々の思惑
なり心情なりが深くは描かれない。スコセッシのようにおぉ!と
思わせる描き方をしていないのだ。まぁその分あってか更に怖い。
淡々と裏切った仲間を殺してFBIの保護を盾にのし上がる悪党。
元はチンケなチンピラ風情が幅をきかせていく過程は空恐ろしく、
捜査官の相棒や妻を脅すジョニデの狂気に満ちた演技は必見の域。
ただジョニデや周囲の名優達の演技に引っ張られ成り立つ本作は、
主人公に感情移入させない(できない)世界観で描かれているため
気がつけば彼の独り舞台が主で物語性に欠ける。語ったところで
彼のような人物はね、という解釈では映画にするのには勿体ない。
だてにあの禿げ方はヌケヌケと生きてきた訳じゃないと思うのだ。
(若い頃は髪ふっさふさなのよ。そこをすっ飛ばしているからねぇ)
マフィヤ
作品自体の感想より ジョニーの演技は凄いと改めて思った、前日にDVDでチャーリーモルデガイを鑑賞したばかりだから余計にそう感じたね、ベネディクトは作品が違っても 同じ様な演じかただけどね。
ギャング映画で記憶に残っているのは アンタッチャブル、あれ程のインパクトはないが 緊張感がありジミーの恐さが十分伝わってきた、一方で家族や絆を大事にするああいう世界の二面性が面白かった。
なんて怖ろしい実話、怖ろしい人間
ジョニーデップの演技がとんでもなく素晴らしい故に、スクリーンを越えて、映画を越えて本物の"ホワイティ"の恐ろしさが伝わってきた。
もし自分がその時に生きていて、"ホワイティ"に関わることがあったのならウインターヒルの秘密を知るだけの肝っ玉はなかっただろう。怖ろしすぎる。"ホワイティ"本人より禿げてしまうだろうきっと。
極悪人
全く予備知識もなく観た映画。
ジョニーデップとはわからなかったたし、最後のエンドロールにまさかのノンフィクション。
ジミーに対しては一コマも共感できない、生まれからにしての凶悪犯罪者。
なのに議員の兄や母に接する距離が近くて、今まで10年は刑務所に入ったが、やりたい放題できて最後も逃亡できるほどのラッキーな人。
ステーキを食べるシーンでのジミーの発言には震えるほど恐怖を感じた。
仲間を裏切られることを嫌いせっせとFBIにお金を渡している小さな所もあったが、人と思わない残虐性は最悪です。
こういう事件があったこと、と知るには良い映画です。
FBIのジョエルエドガートンは林修先生に終始似てるなぁどちらですか思った
必要悪などない泥沼
緊張感のある娯楽。などではないのでご用心。小賢しい一人の小物が糸を手繰り寄せて編んでみようとした結果に訪れる奈落。気持ち良くはないが、役者のヒリヒリした演技と共に、人の中に潜む闇をジットリと観させて頂きました。良作です。
悪い人
ジョニー・デップがマフィア。
似合わないのではと心配したが、そんなことはなく、ハマっている。
一番損したのはカンバーバッチ演じる弟のように思える。
描かれていないだけで甘い汁を啜っていたのかもしれないが。
ジミー役は個人的には好きにはなれなかった。
胡散臭いという意味では合っていたのかも。
派手なドンパチは無いけれど、マフィア映画好きなら楽しめるのではないかと思う。
レビューは当てにならない
レビューもあまりよくないからまた、昨年のチャーリーモルデカイみたいに騙された!ってなると思って後回しにしてました。
明るい映画が好きな人は見なければいい。実話だし演技がさすが!の配役で満足です
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