劇場公開日 2016年2月20日

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「なぜだかぼーっとしてくる」X-ミッション 美山吹(赤木真紅朗)さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0なぜだかぼーっとしてくる

2016年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

寝られる

 ハート・ブルーは大好きだし、さらにすごいアクションが見られるとのことで公開週にさっそく映画館で視聴。
 序盤の「普通なら考えられない体術で犯罪をする集団」「しかも彼らの目的は伝説的なチャレンジを達成すること」と、非常に盛り上がる設定が提示されたところでは「ぶっとんでるなー」と気楽に観ていたのですが…。

 話が展開していくにしたがって、「えっ? そういう状況なのになんでわざわざ強盗なんかしたの?」「けっきょく何が目的なの?」と疑問なポイントばかり提示されて、しかもその答えが提示されない。
 挑戦の目的が漠然としているので、せっかくの見せ場のアクションシーンは「成功しても彼らが嬉しいだけ、失敗しても彼らが死ぬだけ」というものに見えてしまいます。
 エコロジー思想もこの時代に描くにはちょっと古い考え方では? という気がしました。

 CG合成や編集によるごまかしをしていないアクションシーンは、本当に撮るのが大変だったと思います。(ウィングスーツで滑空するシーンは、撮影者まで同じようにウィングスーツで飛んでいる!)
 ただ、起きていることは派手でも、ストーリー的なメリハリがなく、演出もあまりされておらず、あまり映画的な映像になってないと感じました。言ってみれば、ドキュメンタリー的な「きっとすごいことをしているんだろう」という印象が立ってしまって、主人公たちがすごいことをしている!という感動につながっていない、という感触です。

 たとえば、何かを盗むために生身でロッククライミングが必要であるとか、追手から逃げるためにはエクストリームな方法を使うしかないとか、そういった「この手段でないとダメ」という説得力があれば、同じ映像でもだいぶ印象は違ってたと思います。
 特にウィングスーツのシーンは本筋である犯罪者と捜査官というシチュエーションが際立つ展開になっていないし、「6秒で風をつかまないと…」という説明の割にその6秒を強調される撮り方でもなくて、いろいろと残念な印象です。

 以上のような状況で、終盤に近づいてきてだんだん話に集中できなくなり、うとうとしてしまいました。
 映画を作った人に失礼だと思うのですが、見逃した部分をもう一度観たいと思うほどではないです。

美山吹(赤木真紅朗)