劇場公開日 2016年3月4日

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「今こそが人生最高の時」マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5今こそが人生最高の時

2023年2月2日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

幸せ

五ツ星ではないけれど、居心地良かったインドのあのホテル。
また泊まろうと思っている内に先送りになってしまい、今頃になってやっと宿泊(鑑賞)。

前作を見てから久しいのに、見始めたら登場人物や性格を思い出してきた。
老未亡人のイヴリン、恐妻家の初老の男ダグラス、辛口の老女ミュリエル、支配人の青年ソニー…。
このホテルに集い、出会い、あれから暮らし続けるシニアや現地人たちが織り成すハートフル群像劇。
そんな彼らのその後…。

イヴリンは織物販売を誘われ、悩む。
彼女と交際中のダグラスだが、なかなか進展せず。妻が娘と共に正式離婚の為に再びインドを訪れて…。
ホテル拡張を掲げ、アメリカへ著名ホテル・オーナーに会いに赴くソニーと現副支配人になったミュリエル。鑑定人を送ると言われ、やがてやって来た“ガイ”にゴマすりのソニー。
またソニーは恋人スナイナとの結婚も控えるも、多忙ですれ違い。友人のエリートイケメンが拡張を狙っていたホテルを買い、さらにスナイナといい雰囲気…。
そんなソニーに眉をひそめるミュリエル。

今回の“宿泊プラン”の目玉は、ホテル拡張とソニーの結婚。
これに各々の事情が交錯。
老いらくの恋、セカンドライフの目標、仕事など今行き当たる問題や悩み…。
人生の岐路に立たされた皆の動向は…?

魅惑的なインドで快適なホテル・ライフを送っていると思いきや、皆何かを抱えたり、何かに行き当たったり。
人生、何事もそう上手くいくもんじゃない。
話的には前作の方が良かったが、本作も豪華名優たちが織り成す群像劇として上々。

ジュディ・デンチ、ビル・ナイ、マギー・スミス…。
デヴ・パテルも張り切り。
新チェックインに、リチャード・ギア。この“ガイ”は何者…? 予想通り…と思ったら、本当にそうだった。
素敵なホテルやインドの風景も宿泊プランの楽しみの一つ。

ハートフル作品なので、勿論最後はハッピーエンド。
各々悩みや問題を乗り越え、踏み出すセカンドライフ。
やっぱりインド。ハッピーなウェディング・ダンス。
そんな中印象的なのは、ラストのミュリエルのナレーション。
不思議な縁でこのホテルに集った皆。
欠けがえのない出会い、交流…。
各々幸せや大切なものを見出だし、ここでの暮らしを続けていく。
若いソニーらはまだしも、老いた我々。
いずれはやって来るだろう死…。このホテルからも突然旅立つ者が出てくるかもしれない。
老いや死を見据えつつ、人生の終着地と決めたここで、それぞれの人生を全うする。
その日まで、幸せや笑顔や交流は永遠に。
今こそが人生最高の時。

近大