「カナダで一足お先に!期待はずれ…」ファンタスティック・フォー チャプ吉さんの映画レビュー(感想・評価)
カナダで一足お先に!期待はずれ…
ちょうどカナダ留学中であったため、カナダの映画館で一足お先に観てきた。
マーベル最新作ということでかなり期待して鑑賞に臨んだ。2005年と2007年に公開された「ファンタスティック4 超能力ユニット」と「銀河の危機」はお気に入りの映画シリーズの一つである。キャストが変わった本作はどのように物語が展開されるのかと前々から気になってはいた。さっそく本作について。一言で言うと「期待はずれ」「いまいち」。そもそもあの予告編からすると、超能力と人類の科学技術の関係や起源という前作よりも壮大なテーマのように感じられたのだが、残念ながらストーリーの質に関しては全シリーズに比べると半分以下であった。まず、彼らが超能力を手に入れるまでにかなりの時間がかかる。そのため、映画には欠かせない敵との対立時間、戦闘時間が短い。超能力を手に入れるまでの過程を主題としていたとしても、展開の面白さに欠ける。また予告編からも分かると思うが冒頭に主人公の子供時代の様子が流れる。後のストーリー展開と大きな関係があるのかと思えばそんなこともない。キャストに関して言えば、全シリーズのイメージが頭に残っているため違和感を感じる。これは私の意見であるが前作のキャスト陣の方がキャラクターにフィットしているのではないかと感じた。唯一本作に関して、驚かされたのは映像である。やはり全シリーズと比べると、迫力と映像美は優れており、3Dではないものの作品の中に入り込むことができる。
ただ、全シリーズファンからすると、本作は少し残念に思うかもしれない。ストーリーの展開が読めるのとテンポのなさ。なにより「感動要素」が感じられない。これまでのマーベル作品における特有のヒーローのかっこよさも欠ける。
作品として成り立っている以上、「悪い」ということはないのだが、本作を鑑賞した後に満足したかと言われれば素直に頷くことができない。ただ、前にも記したように、映像の迫力に関して言えば魅力的であるため、映画館で見る価値はあるのではないかと思う。