「<随所にネタバレ有!>「かっこグロい」スパイアクション映画!」キングスマン Trinityさんの映画レビュー(感想・評価)
<随所にネタバレ有!>「かっこグロい」スパイアクション映画!
2010年に「キック・アス」を生み出した監督マシュー・ヴォーン氏と原作マーク・ミラー氏の2人が再びタッグを組み製作された「キングスクマン」についてレビューします。
まずこの映画のあらすじを紹介します。幼少期に父親を亡くし、荒んだ生活をしていた不良少年のエグジー。ある日対立する不良グループとの小競り合いから逮捕されてしまいます。取り調べ中に、「困ったことがあれば力になる」と言い連絡先を残したハリーを思い出し電話。すると何事もなかったかのように釈放され、ハリーと出会います。
ハリーは、どこの国にも属さないスパイ組織「キングスマン」の一員でした。殉職した諜報部員の1人ランスロットの後任者を探しており、エグジーこそ適任と考えスカウト。他の候補者たちと試験を受けその1枠を競っていきます。
並行して、天才エンジニアであり環境問題の活動家でもあるリッチモンド・ヴァレンタインが、よからぬ動きに出ます。なんでも全世界へ配布した無料のSIMカードを利用して人間を凶暴化させ殺し合いをさせるというトリッキーなテロを企てていたのです。
リッチモンドの企てを阻止しようとするハリーと、キングスマンの試験をこなすエグジーの2軸で物語は進みます。007をはじめ、多くのスパイ映画にオマージュを捧げながら作られているそうです。正直私は、そういった映画を一切知りませんが、とても楽しめました。どの部分がオマージュだったのかを後で調べれば、2度楽しめるかもしれませんね。
私がこの映画の感想を一言で申し上げるなら「かっこグロい」です。目を見張るアクションが満載です。テンポよく相手を倒していく一方で、見せ場の瞬間はスローにするなど、アップテンポのある演出がとてもよかったと思います。が如何せんグロいです。血飛沫が噴水のように飛び散ります。首も飛びます。序盤に人が真っ二つに切られるシーンがあるので、そこで自分に耐性があるのかどうかを確認するといいかと思います。
印象に残っている「かっこグロい」シーンを3つほど紹介いたします。まずは映画の序盤で大学講師のアーノルド教授が拉致されるシーンです。ここで暗躍するのが両足に銀の刃の義足を装着する女殺し屋ガゼル。ものすごい足技で衛兵たちを切り裂いていきます。ここで私が上記でお伝えした人が真っ二つにされるシーンが出てきます。なかなかリアルでエグいです。私も意表を突かれましたが、もう見ると決めてたので見続けました。
2つ目は教会で殺戮衝動に駆り立てられた信者たちを、ハリーが一網打尽に仕留めるシーンです。ヴァレンタインの仕掛けたSIMカードの効果により教会に集まった信者とハリーがとてつもない攻撃的な衝動に駆られます。近くにいる人間を所構わず攻撃をしていくのですが、そこは何といってもキングスマンの諜報部員であるハリー。素人には負けません。次々と薙ぎ倒し、最後の1人になるまで暴れまわります。結構長いシーンに感じたのですが、なんとワンテイクで撮影されていたそうです。ハリー役のコリン・ファースは数ヶ月間にも及ぶトレーニングを積みこの撮影に臨んだとのこと。さすがです!
3つ目はヴァレンタインのアジトに潜入したエグジーが、兵士をやっつけガゼルとサシで戦うところです。2人の戦いは中々かっこいいです。戦いに慣れ見事な足技を繰り出すガゼルに対し、初現場となる辿々しいエグジー。この対比が面白いです。ガゼルへのトドメの刺し方から、一気に結末へと持ち込むストーリー展開にも注目してほしいです。
グロいと言えば、音楽のリズムに合わせて数々の首が飛ぶシーンがあります。人が盛大に死んでいく様をギャグにしていいのかと、ちょっと疑問に思いましたが、海外と日本の感覚の違いということで納得しました。なんでもイギリスの階級制度を揶揄する表現だったとのこと。首を飛ばされたのは上流階級の人間のみ。ギャグとグロと皮肉が込められた、実は奥の深いシーンだったのです。こう言ったメッセージ性が映画の面白さの1つですよね。
別の角度からこの映画の魅力を上げるとするならば、スパイガジェットのかっこよさです。正直、見ていてワクワク子供心をくすぐられました。まずこの映画のシンボルアイテムと言ってもいいこうもり傘。広げた時は相手の銃弾をも防ぐ頑丈さを備えた上に透過して相手の姿を確認できます。先端からは銃弾を発射しマシンガンに早変わり。他にも腕時計型の記憶消去装置、ナイフ仕込みシューズ、毒入り万年筆、5万ボルトの電流が流せる指輪型電流リング、ジッポライター型手榴弾など。スパイらしいガジェットがいっぱい登場します。またそれらを保管している秘密アジトがいいんです。高級テーラーの第3試着室にて鏡に手をかざすとエレベータが作動し、武器庫へ。高級テーラー風の内装にスパイガジェットがずらりと並ぶ画は圧巻です。
見る人を選ぶ映画かもしれませんが、グロ耐性がある方ならおすすめです。ストーリーはとてもよく見応え十分ですから。