「荒唐無稽さと知的さが見事融合したアクション」キングスマン ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
荒唐無稽さと知的さが見事融合したアクション
スパイアクション映画の新機軸を打ち立て、新たなアメコミユニバースの誕生を告げた記念碑的作品となりそうだ。かつての007シリーズにあった荒唐無稽さを復活させ、その上で紳士とは何かを問い、階級社会イギリスへの辛辣な皮肉もたっぷり込められている。
紳士とは生まれの階級ではなく学ぶものだ、とこの映画は言う。「manners maketh man」の決め台詞が象徴的だが、マナーを学びことで庶民もまた紳士となれる。全編面白おかしく作っている半面、学びの大切さを内包していたりして妙に教育的な面もある。
何より、ハリーとエグジーのキャラが立っていて素晴らしい。悪役を演じるサミュエル・L・ジャクソンも強烈な存在感。
クライマックスの大アクション祭りは最高の一言だが、思い切りグロいシチュエーションでもファンタジックに彩ってグロく見せず、洗練した印象すら与える。この辺りも紳士的だ。
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