「ユーモアあふれるスパイ映画 序盤からリアルでグロいが不快感よりは爽...」キングスマン りょんさんの映画レビュー(感想・評価)
ユーモアあふれるスパイ映画 序盤からリアルでグロいが不快感よりは爽...
ユーモアあふれるスパイ映画
序盤からリアルでグロいが不快感よりは爽快なアクションで、いい意味で観客の期待を裏切る様な展開。一気に引き込まれる
次はどんな展開で驚かされるのだろうと中だるみしない緊張感もある
キック・アスのマシュー・ヴォーン監督らしい独特な世界観で繰り広げられる爽快な殺し合いシーンは英国紳士のスパイとしてはミスマッチだけれどもそれを感じさせないスマートでセクシーなアクション
サヴィル・ロウの高級テーラの仕立て人が国家に属さない秘密諜報組織という設定は個人的にツボを抑えてる
コードネームにアーサー王物語の「円卓の騎士」を用いたり、エグジーに「環境で人生は決まらない」とキングスマンに勧誘するところはイギリスの階級社会についての意味を含ませている
また、階級社会の話題についてはしばしば出ていて更にそれを実際の映画に例えて話すところも実に新鮮だ
階級社会だけではなく、人種差別や富裕層、政治家の悪事だったりどことなく社会性な要素もある
CMでもお馴染みのジェームズ・ボンド?ジェイソン・ボーン?ジャック・バウアー。。。おぅ!のシーン。まるで海外ドラマみたいにポンポン実名を出すところは日本映画ではまず見られない
歴史に残るスパイ映画をまんべんなくコメディータッチでオマージュっぽく盛り込んでおり(主に007)、マティーニやスパイガジェットなどジェームズ・ボンドを連想させるシーンも満載
スパイ=ジェームズ・ボンドみたいな描き方が面白い
そしてコリン・ファースの紳士ぶり、サミュエル・L・ジャクソンの独特な敵キャラは圧巻の演技
話の展開が少し微妙で辻褄が合わない部分、突っ込みどころなどもあるし一見B級ぽい感もしなくはない。
が、それも気にならないくらい洗練されたアクション、キル・ビルみたいに戦闘シーンを音楽とマッチさせてグロさをコメディータッチに変えてる所、いたるところに散りばめられている通を試すかのような
関連要素はまるでシリーズ物で最初に出た脇役がシリーズをまたいで再登場するようで、そして紳士たれの徹底ぶり!がどこか絶妙なバランスを取ってB級感を無くしている
R指定だけあってそれなりの内容ではある
真面目な人には向かない
この映画はR指定要素を真面目に追求せず、純粋にそれ以外を楽しむ映画であると思うしそれがマシュー・ヴォーン監督だと思う
普通のスパイ映画みたいにただのカッコ良いだけでは無く、ユーモアたっぷりのコメディータッチや凝った設定とオマージュ
そんなものすごく凝った設定、要素を踏まえた上でまた観ると面白そうだ