「インドネシア1960年代の共産主義者大虐殺の実行犯に虐殺の再現映画...」ルック・オブ・サイレンス こんにゃくさんの映画レビュー(感想・評価)
インドネシア1960年代の共産主義者大虐殺の実行犯に虐殺の再現映画...
インドネシア1960年代の共産主義者大虐殺の実行犯に虐殺の再現映画を持ちかけた前作と比較してまっすぐストレート。散々得意げに虐殺を語った実行犯に「実はそこで殺されたのは私の兄なんです」と言う眼鏡検査技師アディ。殺人者たちの眼は泳ぎ、過去は忘れろさもないと、と恫喝する者、過去はどうあれ今は兄弟だと言う者、様々。アディは言葉を選び、沈黙し虐殺者と握手をし、去る。これを見ている大半の日本人の観客は虐殺者たちの家族の立場に居ながら、殺された者の視線で見ていくことになってしまう。被害者の弟に見つめられながら「あれは国家のためだった」と言い抜けようとする実行犯たちに言いようもなく嫌悪を感じながら、その時どうできたか、明日起こったら何ができるかはまったく自信がない。
コメントする