「皆そうなりかねない」ルック・オブ・サイレンス arisaさんの映画レビュー(感想・評価)
皆そうなりかねない
インタビューを受けた加害者全員が自分の過去を肯定している。誰一人として謝らない、罪悪感を感じさせない淡々とした話し方。
彼らは根っからの悪なのか?違うだろう。アメリカや軍からの圧力を受け、自分自信を守るために従うことしかできなかったかもしれない。
手をかけた者の血を飲んで、あえて狂った。"正気"でいるために。
年を取ると皆同じだ。鬼と呼ばれた人間もいつかは目は悪くなり、体も弱ってよぼよぼになる。情けなくなるほどに。
人を殺してはいけないイスラムの教えも、敵に対しては殺していいというのだから厳しい。敵だから殺しても許された。
罪悪感の肯定。そうでもしなきゃきっと自分が保てなかったのだろう。
何十年もそう生きてきて、今さら変わるわけがない。人間という生き物をまた少し分かれた気がした。
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