「フィクションという残酷さ」ルック・オブ・サイレンス TOMさんの映画レビュー(感想・評価)
フィクションという残酷さ
加害者達はみんな逃げている。自分のした事から、目を背けている。本当は自分のした事を分かっているのに、認めたくなくて、怖くて、逃げる。加害者の家族も同じ。
事実は曲げられ、真実は伝えられずに、みんな見たくない、知りたくないと、知ろうとしない。怖いから。
でも、みんな、目に涙を溜めて、辛そうな表情をしていた。どうしてその理由に目を向けようとしないのだろう。
殺人は決して賞賛される事ではない。英雄なんかじゃない。
加害者の家族は、自分の家族のした事を一緒に背負わなければならない。自分は知らなかった、関係ないではなく、知らなくちゃいけない。被害者からの目に、声に、耐えなければいけない。それが人を殺すということなんだから。一緒に苦しまなきゃいけない。
観ようか悩んでたけど、みてよかった。フィクションと考えると、ものすごく息が詰まる、苦しい映画だった。
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