「R-around50作品です。」イタリアは呼んでいる さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
R-around50作品です。
本作は思い切って
R-around50(アラフィフ)にしたら良かったと思います!
イギリスでは有名なコメディアンのロブ・ブライドン、俳優としても活躍しているスティーヴ・クーガン。2人が数年前にイギリスのレストランを回って書いたグルメ記事が好評で(映画"スティーブとロブのグルメトリップ")、今回はイタリアでという依頼がきます。
今回はミニクーパーでイタリアの素敵なレストランやホテルを回って、アラフィフおっさん二人が喋りまくります!
本作は設定や流れだけを監督(マイケル・ウィンターボトム)が決め、あとは俳優2人のアドリブなんです。
ハリウッドスターの物真似がマニアックで、まるでとんねるずがやっている"細かすぎて伝わらないモノマネ選手権"みたいな感じです。
アル・パチーノ
クリスチャン・ベイル
トム・ハーディ
ロバート・デニーロ
ヒュー・グラント
ダスティン・ホフマン
マーロン・ブランド
マイケル・ケイン
似てたり似てなかったりするこの物真似をしつこく繰り返し、誰かの名言や、映画の台詞を挟んで、おっさん二人は大いに食べて大いに笑い、時折じめっと落ち込みます(笑)
そこがまた愛らしいんです!
アル・パチーノとヒュー・グラントはかなり似ていますよ。ウケます。
そして誰も賛同してくれなかった、友人達は"セクシーおちょぼ口"と言って大好きだけど、私は苦手な"あのベイルさんの舌たらず問題"を、この2人がばっさり斬ってれます。
ありがたい!
「ダークナイト」でも、あのベイルさんの喋り方がどうしても気になる。
映画に集中できません!みんなどうして集中できるの?
しかも「ダークナイト・ライジング」では、トム・ハーディも何を言ってるか分からないですからね!
あ、マスクでしょ?マスクだから何を言ってるか分からなかったんだよね!ってなくても、まだ何を言ってるか分からないからね(笑)!
(だからマッド・マックスでは台詞が少なかったんじゃないかと思いました)
あれ?じゃ、なんですか?
本作は、そんなおっさん2人が食べて喋るだけ。そんな映画ですか?
いえいえ!
監督を見てください。ウィンターボトムですよ。それだけで終わるわけありません。
冒頭に申し上げた「思い切ってアラフィフ未満禁止にすれば良かったのにー」なんですが、それは本作のテーマがアラフィフ以上こそが共感できると思ったからです。
ある意味"中年症候群"の二人は、食べながらも、喋りながらも、アラニス・モリセットの曲に突っ込みながらも、自分達の成功したかのように見える人生の影をチラチラと覗かせます。
そして仲良く見える二人が、チラチラとお互いに向ける嫉妬や羨望。リアルです。本人役ですから、リアルです。
「200年後、自分の名前を記憶してる人はいるか?お前か、俺か?どっちをおぼえてる人がいるか?」とか。
四捨五入の場合(wikipedia調べ)だと私もがっつりアラフィフなので、2人の漠然とした焦りや不安に、共感しました。
でも、こんなふうに通じ合える友人がいるっていいですね!
ボケたら、的確で、かなりなスピードで突っ込んでくれる人。
あ、因みに私。
ドリュー・バリモアと、パトリシア・アークエッドの細かすぎて伝わらないモノマネは、かなりの完成度で仕上がっています(笑)
あとは、一緒に行く人を見つけるだけです!
あの、どなたか、いかがでしょうか?