悪党に粛清をのレビュー・感想・評価
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期待通り!!でもひと味何かが足りない
『悪党に粛清を』
今どき、こんなストレートに内容を伝えてくるタイトルも珍しい。
そのインパクトに負けて、劇場まで足を運びました。
期待通りの出来栄えでした。もちろん満足できる内容なのですが、もうひとつ何かが足りない。
素材だけ一流のものを使って、調理したら、味付けが足りなかった料理のような印象です。これでは、友達に自信をもっておすすめできない。
ただし、内容は文句なし。観ても絶対に損はしません。
以下、自分なりに、この映画に何が足りなかったのかを考えてみました。
(余計なことなので、ネタバレが嫌な人は読まないでください。)
・各キャラクターの背景が見えない。それぞれに思い入れを持てない。
(例えば、妻子を残して渡米した背景とか、悪役兄弟の兄が弟の嫁を寝取る描写、ダメ保安官が生贄を選ぶまでに無力化してしまったいきさつとか…)
・エモーショナルな演技が極端に少ない。故に感情移入できない。
・特に悪役の描き方はもっとえげつなく悪い奴にして欲しかった。
(子供が殺されてしまうシーンなども意図的にカットされていた。もしくは初めから台本にも無かった。)
・逆に主人公の正義感も必要最低限しか描かれてなく、強いのか弱いのか、復讐だけの浅い描写に終わってしまった。
ハリウッド資本の映画では無いようなので、ストーリーに過度の介入をされなかった結果、このような徹底的に渇いた描写に落ち着いたのかもしれません。
それでも、今後、この監督と主演の俳優さんからはしばらく目が離せなくなりそうです。
ずーっと嫌な奴ばっかりが出てきて胸糞悪い展開が延々と繰り返される。...
ずーっと嫌な奴ばっかりが出てきて胸糞悪い展開が延々と繰り返される。観ていて本当に怒りが込み上がるからこそ最後の闘いでは鬱憤を晴らしてくれよと願っていたが、闘いに参加した若者が命を失い最後の最後まで心は晴れなかった。初登場時から、きっと最後の戦いには参加するのだろうなと期待していた保安官は最後まで腰抜けだった。
声を奪われた女、家族を奪われた男
エバ・グリーンの眼はとても大きいのに、話せなくなっている彼女の眼は「愛の嵐」のシャーロット・ランプリングを彷彿とさせていてドキッとした。 久し振りのマッツ!とても楽しみにしていました。マッツのアップは悲しい辛い出来事ゆえが殆どだったのでかわいそうでした。7年ぶりの妻と息子との再会シーンも、いかにも北ヨーロッパ的でしみじみしました。アモーレ!と抱き合うでもなく。手を握り、息子に見られないところでやっとキス。 久し振りの西部劇で、西部劇に詳しくなくてもここはモリコーネの音楽が欲しいなあ、など色々妄想しました。埃っぽいだけでなく北欧テイストを感じました。見てよかったです。
エアーズロックかと思ったけど、オール南アフリカロケだった・・・(恥)
まずは開始から10数分で復讐を果たしたジョンことマッツ・ミケルセン。この時点では感情移入する暇もなく、新たに復讐の連鎖が始まりを告げていたのだ。しかし、この暗さは何だ?マカロニウエスタンも本場の西部劇からすると暗いジャンルになるのに、さらに上を行く暗さ。デンマークウェスタンというより南アフリカウエスタンと言っていいのかもしれませんが、可能にしたのは高感度なデジタルカメラのおかげなんだろう。 途中からは西部の町。悪党のデラルーが用心棒として仕切っていて、誰も歯向かうことができないでいた。神父兼保安官も言いなりだし、葬儀屋兼町長も言いなりどころか、油田を中心にした土地をせっせと買い叩いてデラルーに貢ぐアリサマ。みんな終わってんな・・・といった、ウェスタン・ノワールのごとく退廃した映像でガンガン攻めてくるのです。 ヨーロッパの中でもドイツ国境に接し、何度も領土が変遷した中で、1864年に第2次シュレースヴィヒ戦争が起こり、プロイセンとオーストリアに屈したというデンマークの歴史。この荒廃した土地から逃げるように新世界にやってきたのに、ここでも小さなコミュニティには王とでも言うべき悪党が独裁者のごとく仕切っていて、誰も歯向かえない。ジョンにとっては兄貴も殺されたため、復讐のターゲットとなったのだが、ドイツとの戦争も経験してるだけに緻密な計算で単独で戦うことになった。雑貨屋の息子もばあちゃんを犠牲に差し出された恨みで、彼に加担するのだが・・・ ちょっとでも権力を握ると利権を得られる小悪党。保安官も町長もクズだった。だけど、これだけ人が殺されるんじゃ葬儀屋が儲かりそうだなぁ・・・
保安官お前最低だな。
デンマーク産西部劇で上映時間が100分も満たない作品。 それなのに、マッツミケルセンやエバグリーンと007カジノロワイアル繋がりが出ていると知って鑑賞。 家族を殺された主人公のある復讐の物語。在り来たりと思いきや、少しややこしい内容が追加されています。 油田を巡り悪党と対峙するマッツはカッコイイんだが、ラストが勿体無い! アクションが短い!悪党も弱い!ボスも見どころ無くヤラレちゃう! そして最後にノコノコとやってきた保安官。 私的にコイツへのコメントは「お前何様よ。最低だな。」でした。 まぁ、セットにお金かかってません。派手さもありません。しかし、見どころは人物設定ですね。 そこに来たかエバさん!無口エバさん怖いっす! テレビで放映される時には是非ご鑑賞ください。 尺も良く、のんびり観れると思います。
ウェスタン・ノワールの極み‼︎
キャスト数は少なめ、 ロケーションも一拠点、 93分と短尺、 なのに やっちまえー!!感満載の 極上ノワール活劇でした 原題の Salvation で、 世直しものかと観てたが、 むしろ邦題の悪党に粛清を、が的確
エバ・グリーンの眼力に圧倒された!
何だか、マカロニ・ウエスタンみたいな内容だった。主人公が我慢に我慢を重ねるところや、リンチのシーンがあるところなど・・・ マッツ・ミケルセンが出ていることは知っていたが、エバ・グリーンが出ていることは知らなかった。奇しくも「007/カジノ・ロワイヤル」に共演していた二人だ。からみはなかったと思うが・・・ エバは以前からあのグリーン・アイがすてきだなと思っていたが、今回の役は舌を切られてしゃべられないので、最初の方は何を考えているのかよくわからなかった。だが、次第にその行動に現れていった。哀しみ、怒り、怯え、あきらめ、そういった感情が見てとれた。あのグリーン・アイが物語っていた。マッツももちろんかっこよかったが、私はエバが最高に光って見えた。さすがダニエルボンドの想い人だけのことはある。
マカロニ・ウエスタン真っ青 『スモーガス・ウエスタン』
『スモーガス・ウエスタン』 理屈抜き、カンヌがどうたら、どうたら賞がとうたら関係なしで意外とイケる。 なんじゃそれ、『スモーガス・ウエスタン』? 公開から一年以上たって今更解説はないだろうから、以下ほとんどTRIVIA。 御用とお急ぎでない方はスルーがよろし。 北欧製のウエスタンをどう呼ぶのか知らないがIMDBのレビューを見たら、デンマークを象徴する食べ物 SMORREBROD(オープンサンドウイッチ)にちなんで「スモーブロー・ウエスタン」とある。 これは日本でもなじみのスエーデン料理スモーガス・ボード(いわゆるバイキング料理)の延長線上にあって、日本から見ればスモーガスもスモーブローも似たようなもの。 イタリー発ウエスタンが日本ではマカロニ・ウエスタン(西欧ではスパゲッティー・ウエスタン)として定着したように、いずれOOO・ウエスタンとなるだろうけれど、とりあえずここは「スモーガス・ウエスタン」と、勝手に命名。 さて、オリジナル・タイトル”SALVATION”とは、「ある対象にとって、好ましくない状態を改善して(脱して)、望ましい状態へと変える(達する)こと」とWIKIにある通りを実行した男の物語。 「神父兼保安官」など奇想天外な設定が笑わせる。 IMDBによると、本作のロケ地は南アフリカで、製作資金も南ア、イギリス、デンマーク、ノルウェイ、EUからのかき集め。 おもしろいのが、ウエスタンお約束のインディアンが全く登場しないこと。先住民が完全に始末され消滅したあとの設定となって、話が単純明快。 トラブルの発端は ”駅馬車で同乗した見知らぬ他人との「乗り合せ」”がまずかった・・・ そして、展開は ”ヴァイキングに荒らされた古代ブリテンの因縁が19世紀末のアメリカ西部で、移民になったヴァイキングの末裔がこれも移民のブリテンの末裔との間で「目には目を、歯には歯を」の復讐劇として蘇った”ような話なのだ。 いかにも北欧ヌーベルバーグらしい容赦なきバイオレンスの連鎖に圧倒され続けのあっという間の1.5時間。続編が待たれる。 クレディットを見る限り、 Mads Mikkelsen と Eva Green 以外は監督も含めてすべてがOOOOWHO???。 しかし、映画は中身で勝負、例のタランティーノ絶賛の世紀の巨匠監督(笑)デイヴィッド・ミショッドの「奪還者」の腹立たしいほどの大コケもある。だからどうでもよい。 久しぶりに映画らしい映画に行き当たったと言いたい ミケルセンはは今や注目の成長株で期待を裏切らない迫真のそれぢて抑えた熱演、本人曰く「どんな作品でも一作一作すべてに全身全霊で打ち込むのが身上」だけあってB級ウエスタンの範疇と言われ当然の本作でも手抜きはしない。 エバ・グリーンも本作のための申し子のような悪女を演じて、男性の征服欲を掻き立て男を狂わせるその妖艶かつ浮世離れした歪んだ美貌が「シン・シティー」そのもの。 真っ当すぎるほど真っ当なミケルセンと極め付けの悪女グリーンの結末は見てのお楽しみ。このあとどうなるんだろね・・・と妙な余韻が残るエンディングはB級ならではのサービス精神旺盛。(笑) あえて言わせてもらえば個人的に物足りない点があって、とうぜん諸悪の根源、巨魁デラルーは最後にミケルソンの復讐の銃弾をしこたま撃ち込まれて一巻の終わりとなるのだが、その前にやけくそになったデラルーの手で例の「神父兼保安官」(実はもっとも卑劣)を地獄に送り込むべきだったと思うが、皆さんどうだろう。 ファンのために更なるTRIVIA。 まず Mads Mikkelsen、日本表記ではマッツ・ミケルセンだが、デンマークでは通じないようだ。 FORVOで検索したら、なんと”マス・ミケスン”(イントネーションはスンの語尾が上がる、「マス・ミケスン?」と尋ねるような感じ)が正しいようだ。 ja.forvo.com/word/mads_mikkelsen/ ついでの私見だが、エンディングの外景パンがまるで絵コンテをキャプチャーしたような稚拙なCG(シーンの必然性さえ無い)で、画竜点睛を欠く結果になったことが惜しまれる。 スケール西部劇ではないのだからハリウッドを意識した壮大なエンディングにする必要はなかっただろう。 観終わって気づいた、これはフランク・ミラーのコミック「シン・シティー」の世界だと。
地味に渋く淡々と
残酷描写が薄く単純に物足りなかった。 E・グリーンがセリフ無く容姿の存在感で圧倒的に良かった。 セリフでは"インディアン"と発音しているのに字幕では先住民と翻訳しているがアノ時代では差別用語でもない訳で忠実に字幕を。
北欧版のペイルライダー
舞台はアメリカ西部。北欧に家族を残し、生きる為に働き安定した後に家族を招くところから話は始まる。西部劇といえば街を牛耳る賞金稼ぎ・保安官。そこに用心棒として街を守り、悪党を殺すという流れが王道であるが、この映画も王道西部劇。ただし主演は北欧俳優マッツ・ミケルセン。味のあるオヤジ俳優。
ネタバレになるが映画開始序盤に妻子を、悪党の弟に殺される。復讐のため弟を殺すがその弟にも1人の妻が存在する。その妻がエヴァ・グリーン。今回一言も喋らないエヴァ・グリーンだか存在感はある。
西部劇好きは一度は観ておくべし。
久しぶりの西部劇
最近西部劇をとんと、見かけなくなってしまった。 どんな物かと期待に胸を膨らませて鑑賞。 ストーリーは西部劇にあながちなベタなストーリーだがマッツ・ミケルセン演じる主人公が渋い。 取り立てて凄いとは思わなかったがテンポよく進むところは評価したい。
北欧産西部劇。
公開時に観逃したものの(涙)案外早く観れたという嬉しい西部劇。 しかしデンマーク産というのが観るまでは不安材料に感じられる。 なるほど北欧からの移民という設定で名優ミケルセンを登場させ、 妻子を殺された元兵士がならず者に復讐していくという分かり易い スタイルなのだが、実際はデンマーク人がアメリカ風のウエスタン を南アフリカで撮っているという傍目にも非常にシュールな光景の 現場だったらしい(ミケルセン談)。が、しかし!仕上がりを観れば 面目躍如とばかりによくできている。嘗ての西部劇いいとこどり♪ の作品なのである。寡黙な主人公、淡々と復讐を果たす男達に加え、 人生を毒されたヒロインと、悪党に牛耳られた町の荒廃から彼らを 救う!なんてもう黒澤明から流れくる王道ノワールを感じられる。 E・グリーンは台詞なしでの名演、さらにはE・カントナまで出てる。
Tooth for tooth. マッツ・ミケルセン主演の超王道西部劇
とにかく渋い、渋すぎる。主演の「デンマークの至宝」マッツ・ミケルセンの渋い役所を堪能する映画です。
ストーリーは最近類を見ない程のド直球ストレートな西部劇でした。「如何にもな西部劇をやりたかったから作りました」感が漂うぐらい王道です。そこに北欧的なちょっと陰鬱な映像がからみ独特の雰囲気を醸し出しています。
エバ・グリーンは相変わらず美人ですが、最近悪女にしか見えなくなってきたのは気のせいでしょうか?舌を切られて喋れない設定なのにこの存在感!さすがです。
主人公の兄や仲間になった少年などが「いつの間に?」って思うぐらいあっさり殺られているのも北欧テイストなのでしょう、きっと。西部劇を好きな人には安心してオススメできます。
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