「生きたかった数えきれない方々のこと」母と暮せば ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
生きたかった数えきれない方々のこと
本作は原爆で亡くなった方の一つの物語です。この物語と同様、原爆で亡くなった方々には数えきれないほどの物語があり、数えきれない方々が本当はその後の人生を生きたかったのだと思います。そして生き残った方々も戦争で亡くなった方々とずっと一緒に生きていきたかった。そんな願いが痛いほど伝わってきました。
劇中信子が《浩二が亡くなったのは運が悪かったでは済まされない》みたいなことを言ってましたが、本当にそうです。戦争は天災ではなく人災です。国家が責任が取れるものではないし補償で済まされるものでもありません。絶対に絶対に全人類が戦争を経験してはいけないのです。
原爆投下79年の今年2024年、浩二の様に生きたかった数えきれない方々の言葉を代弁して、長崎市長は長崎を最後の被爆地にと仰っいました。欧米諸国が何と言おうが、私にも本作と同様、生きたかった数えきれない方々の反戦DNAがしっかりと刻まれています。そして、邦画の魅力はこういう所だと思います。
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