「命そして戦争って」母と暮せば chaiさんの映画レビュー(感想・評価)
命そして戦争って
原爆で亡くなった息子が母親の元に現れる。
吉永小百合さんと二宮和也さんの二人の関係性がとても素敵に描かれている。
原爆で一瞬にして失われた命。
そして残された人たちの悲哀。
その後の人生までも狂っていく。
この映画の様なひとはそれこそ沢山いただろう。
その一人一人に同じ様な人生があったのだろう。
この映画では幽霊という形で姿を現してるがそれは本当に幽霊なのだろうか。
母の息子を思う気持ちが投影されていただけではないのだろうか。
息子がなくなりそしてやり残した息子の許嫁のこの先の事まで決まり安心して現世に別れを告げる決心がついたのではないだろうか。
黒木華さん演じる許嫁は当初は二宮和也さんを思ってだけれど、その後浅野忠信さん演じる人と出会い未来を生きていく。
過去と別れを告げ新しい二人での未来に生きていく、その気持ちのいいほどの決別した姿をあらわす演技はさすがでした。
そしてラストですが戦争だけでなく命の尊さを表してる。
ある意味とても宗教的な終わり方。
なぜだか晩年の黒澤作品のような様式美さえ感じられた。ここは評価の分かれるところのように思う。
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