セバスチャン・サルガド 地球へのラブレターのレビュー・感想・評価
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ジェノサイドの現実
ヴィム・ヴェンダースが好きでほとんどの映画、ドキュメントを見ている
圧倒的な画面があたしをくぎ付けにする…
この写真家のことは全く知らずに見るけど
支える?影響を与える?奥さんの存在もあっての作品群だと思うな~
”私たち人間はとても野蛮で恐るべき動物だ”ということをまざまざと見せられる
写真の視点や質感が素晴らしい
セバスチャンサルガドの映画を見ました。
写真の視点や質感が素晴らしく、奥行きがあり、人物の美しさや力強さなどポジティブな部分を引き出せていて写真家として素晴らしいと思いました。
どの作品もセバスチャンサルガドの個性が出ていて、斬新さもありながら温もりも感じられました。
人や動物や地球へのやさしさや愛情や情熱が写真から伝わりました。ムツゴロウさんが連想されました。
地球へのラブレターという邦題はその通りと思いました。
観終わって しばらく立ちたくなくなる映画だった。一人の男が自分の情...
観終わって しばらく立ちたくなくなる映画だった。一人の男が自分の情熱に正直に生きて ここまで辿りつけたのは幸せな事だと思う。彼の写真は重厚さが有る。そして、人間の闇を見ている。しかし、彼は旅人で気ままさがあり、それを支えてるのは妻の存在 少ししか彼女にはふれないが、却って この妻も とても気になった。 人間を養い 癒すのは地球 大地であり 女性なのだという事をサルガドが理解しているのだろう。
恐ろしい人間社会の現実と自然界
ブラジル人カメラマン、セバスチャン・サルガドのドキュメンタリー。報道カメラマンとしてのルワンダなどアフリカ難民の生活の悲惨さ、餓死、病死、家族、子ども。貧困で過酷な労働者、砂漠や密林で原始生活を営む少数民族。詳細な調査をし数年掛けての取材も厭わない。危険な目に何度も遭遇していると思われる写真の数々。
後半は自らの植林活動と自然界への畏敬の念と対話から生み出される大自然と動物たち。
写真の素晴らしさはもとより、社会や自然を真摯に見つめ社会に訴えるセバスチャンの活動に感動を覚えた。
写真の力
ブラジル出身の写真家、セバスチャン・サルガドのドキュメンタリー。鑑賞前の知識では動物や自然を主に撮影する写真家だと思っていましたが、それはごく最近のこと。映画内では報道写真家としての作品が数多く登場し、本人の言葉とともに紹介されていきます。思わず目を背けたくなる写真もありますが、写真の力を強烈に感じられる作品でした。映画ポスターに使われている写真に偏りがあるのは、動物写真で観客を集めたい意図があるからでしょうか。映画の内容とはリンクしない感じがします。
才能の出会い
セバスチャン・サルガドの事は知りませんでした。この映画で出会うことが出来て良かったです。
社会派だった彼が自然の写真に変わったとしても対象物に対する真摯な姿勢に変わりがあるもので無く。
またただ表現するだけでは無く、自然再生のプロジェクトを実践した点も素晴らしいと思いました。
そのような素晴らしい芸術家をきちんと撮るには、撮る方にも覚悟が必要だったのは言うまでもありません。
サルガドから撮影OKを取った事がヴィム・ヴェンダースの偉大さを感じました。
傑作ですが、詰め込み過ぎた感が・・・。
今年、観た映画の中で断トツの出来栄えでした。では、なぜ、☆が4個半、なのでしょう。以下にその理由を書いていきます。
地球環境に言及したり、人類学的なことに触れたり、様々な地球の相貌を撮り続けていくのですが、一か所、疑問に思った箇所がありました。「サヘル」と題された一章です。コレラに罹り、死んでゆくアフリカ人(エチオピア北部やルワンダ、でしたか・・・)の姿は人類の抱えている問題が濃縮されているようで、異様な重さがありました。人間の進歩など、所詮、上っ面だけなんだと、実感しました。終盤、語り手が、この映画を「地球へのラブレター」と名付けるのですが、あのような、悲惨なアフリカ人の姿を撮影しておきながら、「ラブレター」などという能天気なことは言えないだろう、と思いました。この世界の不条理を告発するのであれば、その問題に特化した全く別の作品を撮れば良かったのになあ、とも思いました。アフリカの貧困問題はそれだけでもひとつの作品を成り立たせるのに十分な深いテーマであるからです。
そうは云っても、この作品が、原一男の「ゆきゆきて神軍」やアラン・レネの「夜と霧」、クロード・ランズマンの「ショアー」と並んで、ドキュメンタリー映画の傑作として、後世まで語り続けられることは間違いありません。
一人でも多くの人に観てもらいたい作品です。
映像美に圧倒される
パリ・テキサス以来、ヴェンダース作品は多く観てきました。監督独特の質感に加え、写真家サルガドが世界中で撮った数々の作品を満喫しました。後半、地球へのオマージュに転じていることが良い余韻を残します。
人間の恐ろしさ、荘厳の自然
干ばつ、飢餓、内戦、ジェノサイドを撮る事が辛くなってしまったセバスチャン・サルガドが自然、地球環境に目を向けていくところに共感した。
見るのも辛い報道写真を撮っている人は、どんな神経をしているのか、不思議だったけれど、その現実を伝える事に使命を感じながらも、深く傷ついてもいる事に少し安心した。
リアリストで、共感する力がないとあのような写真は撮れない。その力は自然にも通じている。
彼の育ったブラジルの農場の風景が、繰り返し映画に登場するが、正にここが原風景であり、彼と共に癒されていく事に、この映画の深さを感じた。
まなざし
原題は The Salt of the Earth、人は大地の塩だと表現し、一貫して人間を撮り続けてきた写真家セバスチャン・サルガドの40年の軌跡を追ったドキュメンタリー。人間の残虐非道な所業にとことん向き合い告発してきたサルガドはルワンダ内戦などのあまりのおぞましい現実に魂を病んでしまう。故郷の森を再生させ、自然に向き合うことで回復したサルガドは、初めて人間以外の動物にカメラを向けた。地球へのオマージュ『GENESIS』。対象が人であれ動物であれ地球であれ、彼の視点の源に脈々と流れる同じ深い愛情を感じた。
生涯心に残る作品
毎日観るくらい映画が好きだけど、こんな感じ方をした映画は初めてだと思った。初めから最後まで、終わってからもずっと涙が出た。なんで泣けるのか理由ははっきりとしないのに本当に止まらなかった。素晴らしい映画に会えて本当に良かったなと思った。
旅人は、やがて気がつく目の前の青い鳥に!!
父、セバスチャン・サルガドは、目の前の青い鳥に感謝し。
息子、セバスチャン・サルガドは、旅の果てに、目の前の青い鳥に気がつく。
そして、この旅は終わる。
見落としていたもの、何かを求めてさ迷う者が、改めて、目の前の青い鳥に気がつく作品。
悲しみにフォーカスするよりも、人は、自然への賛美と共に、今を前向きに、生きる大切さを訴える作品です。
モノクロの写真は、命の輝きを映し出してくれます。元写真部としは白黒の写真の魅力は、冒頭の光りを描く(フォト・グラフ)と言う表現通り、カラーでは味わえない感動があります。
大事なポイントを見落としてはダメですよ。主人公は、この旅で、自分を見つけたのですから。
写真に興味のある人は必見
ヴェンダース監督は写真家としても有名なんだよね。だから写真家が写真家を撮るドキュメンタリーなの。それも写真じゃなくて映画で。
その辺のアーティスト同士のぶつかり合いも面白かったし、出てくる写真も綺麗で、前半は面白かったなあ。
後半は社会派写真家としてのセバスチャン・サルガドを追い掛けんの。湾岸戦争や、ルワンダやコンゴの紛争なんかを撮ってんのね。
もうテーマが圧倒的だからさ、写真みたら何にも言えないんだよ。「毎日1.5万人が死んでいった」とか言われちゃうと「福島どうとか言ってる場合じゃねえなあこりゃ」という気分にすらなる。
そんなわけで見いっちゃうんだけど、それが面白いかとか、興味深いかとか言われると、ちょっと違う気がしたな。ここは難しい問題だと思うね。
セバスチャン・サルガドの写真は、ブレッソンの決定的瞬間に似たとこあった。ただ光の使い方がもっと綺麗。
そんなこんなで、色々と考えるところあるから、写真に興味のある人は特に観た方が良いと思うね。
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