セバスチャン・サルガド 地球へのラブレターのレビュー・感想・評価
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ジェノサイドの現実
写真の視点や質感が素晴らしい
観終わって しばらく立ちたくなくなる映画だった。一人の男が自分の情...
恐ろしい人間社会の現実と自然界
ブラジル人カメラマン、セバスチャン・サルガドのドキュメンタリー。報道カメラマンとしてのルワンダなどアフリカ難民の生活の悲惨さ、餓死、病死、家族、子ども。貧困で過酷な労働者、砂漠や密林で原始生活を営む少数民族。詳細な調査をし数年掛けての取材も厭わない。危険な目に何度も遭遇していると思われる写真の数々。
後半は自らの植林活動と自然界への畏敬の念と対話から生み出される大自然と動物たち。
写真の素晴らしさはもとより、社会や自然を真摯に見つめ社会に訴えるセバスチャンの活動に感動を覚えた。
写真の力
才能の出会い
傑作ですが、詰め込み過ぎた感が・・・。
今年、観た映画の中で断トツの出来栄えでした。では、なぜ、☆が4個半、なのでしょう。以下にその理由を書いていきます。
地球環境に言及したり、人類学的なことに触れたり、様々な地球の相貌を撮り続けていくのですが、一か所、疑問に思った箇所がありました。「サヘル」と題された一章です。コレラに罹り、死んでゆくアフリカ人(エチオピア北部やルワンダ、でしたか・・・)の姿は人類の抱えている問題が濃縮されているようで、異様な重さがありました。人間の進歩など、所詮、上っ面だけなんだと、実感しました。終盤、語り手が、この映画を「地球へのラブレター」と名付けるのですが、あのような、悲惨なアフリカ人の姿を撮影しておきながら、「ラブレター」などという能天気なことは言えないだろう、と思いました。この世界の不条理を告発するのであれば、その問題に特化した全く別の作品を撮れば良かったのになあ、とも思いました。アフリカの貧困問題はそれだけでもひとつの作品を成り立たせるのに十分な深いテーマであるからです。
そうは云っても、この作品が、原一男の「ゆきゆきて神軍」やアラン・レネの「夜と霧」、クロード・ランズマンの「ショアー」と並んで、ドキュメンタリー映画の傑作として、後世まで語り続けられることは間違いありません。
一人でも多くの人に観てもらいたい作品です。
人間の恐ろしさ、荘厳の自然
まなざし
生涯心に残る作品
旅人は、やがて気がつく目の前の青い鳥に!!
父、セバスチャン・サルガドは、目の前の青い鳥に感謝し。
息子、セバスチャン・サルガドは、旅の果てに、目の前の青い鳥に気がつく。
そして、この旅は終わる。
見落としていたもの、何かを求めてさ迷う者が、改めて、目の前の青い鳥に気がつく作品。
悲しみにフォーカスするよりも、人は、自然への賛美と共に、今を前向きに、生きる大切さを訴える作品です。
モノクロの写真は、命の輝きを映し出してくれます。元写真部としは白黒の写真の魅力は、冒頭の光りを描く(フォト・グラフ)と言う表現通り、カラーでは味わえない感動があります。
大事なポイントを見落としてはダメですよ。主人公は、この旅で、自分を見つけたのですから。
写真に興味のある人は必見
ヴェンダース監督は写真家としても有名なんだよね。だから写真家が写真家を撮るドキュメンタリーなの。それも写真じゃなくて映画で。
その辺のアーティスト同士のぶつかり合いも面白かったし、出てくる写真も綺麗で、前半は面白かったなあ。
後半は社会派写真家としてのセバスチャン・サルガドを追い掛けんの。湾岸戦争や、ルワンダやコンゴの紛争なんかを撮ってんのね。
もうテーマが圧倒的だからさ、写真みたら何にも言えないんだよ。「毎日1.5万人が死んでいった」とか言われちゃうと「福島どうとか言ってる場合じゃねえなあこりゃ」という気分にすらなる。
そんなわけで見いっちゃうんだけど、それが面白いかとか、興味深いかとか言われると、ちょっと違う気がしたな。ここは難しい問題だと思うね。
セバスチャン・サルガドの写真は、ブレッソンの決定的瞬間に似たとこあった。ただ光の使い方がもっと綺麗。
そんなこんなで、色々と考えるところあるから、写真に興味のある人は特に観た方が良いと思うね。
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