「母からの自立のお話」わたしに会うまでの1600キロ だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
母からの自立のお話
シェリルは母を愛しすぎたゆえに、母の死に耐え切れず自暴自棄になります。
優しい夫がいるのに、他の男とやりまくり、ドラッグにおぼれました。
母への思慕がシェリルより薄いわたしですので、そりゃ母が死ねば悲しいとおもうでしょうが、その時が来たな、という受け止め方で、おそらく一週間もすれば見た目には日常に戻れます。だって、人はいつか死ぬんだし、死ぬための人生なんだし。
なので、シェリルの行動は共感できません。
死んでいく母を直視できず逃げ回る弟も、理解できません。
母が45歳ならばシェリルと弟は20代前半でしょうか?下手すれば弟は10代ですかね。
まぁ、何も手につかなくなるかもしれないのは想像できますが。
そんなにおかしくなるものかな?愛した人が死ぬのって。死んだ人が愛してくれた自分を愛せないのが、その人への冒涜だとなぜわからないのかな?
わたしが愛した人を亡くした経験がないからわからないのかな?
そのようなことを思いながら見ていました。
自暴自棄から何とか立ち上がりたいとPTCという自然道を踏破する旅に、シェリルは導かれていきます。
時々差し込まれる過去のフラッシュバックと、もののけ姫のこだまのように森に現れる母と対峙する旅だったのでしょう。
ローラダーン演じる母は、確かに素晴らしい人だと思いますが、シェリルにとってはある種の呪いになっていたように思えました。
オプティミストで深い愛情を惜しみなく与えてくれる存在に、頼りきっていた子供。もっといえば依存です。
最後まで母を否定しませんでしたが、否定してはじめて母と娘ではなく、人としてボビーとつながれるのでは?
依存したまま、母に取り込まれたままで息苦しくないのかな?と思いました。
仲良し親子を訝しく思う私はその様に思いました。
旅の道程は興味深かったです。
爪は剥がれるし、荷物は多すぎ、大蛇が怖いし。
でも自然は美しかった。砂漠でさえ美しく見えました。
小さな出会いもいくつかあり、それぞれに心温まるかんじでした(ボウフラの水溜りの男を除く)。
雨の森で出会った男の子の歌がよくって泣けました。レッドリバーバレー。なんでこのメロデイ知ってるのかなわたし。
美しさの中に身を置くという母の言葉がでてきましたが、それは納得。
つか、母の言葉はどれも含蓄のあるもので、いいんですけど、身近にすごすぎる人がいたら凡人は自分の価値を見つけられないのかな?とか思いました。
シェリルはなんで母を愛しているのに、亡霊にしてしまったんかな?そこが理解できないというか、想像できませんでした。
今でも全くです。
回想の差し込み方が、カフェドフロールに似てるなーとおもいました。さすが同じ監督です。
リースウィザースプーンの裸体がアラフォーらしくて生々しかったです。
元夫が優しい人でしたね。
旅後に結婚したんは誰やったんやろ?元夫ちゃうんかな?
旅の途中で出会った女性が原作者らしいと、後で知りました。顔覚えてねえよ。エンドロールの写真は覚えてるけど。
以下は劇場での出来事で、本編には無関係ですが、
同じ列に60から70くらいの歳の女性2人が座りましてね。最初っから声がでかいし、床に水滴があったらしいのですが、大した水滴でもないのに騒いで席の譲り合い。それだけで聞こえるこっちはイライラしてたんですが…
なんと、そのうちの一人が予告上映のうちに寝たんですよ!いびきかいて!
いびきが本当に気になりました。
連れの人は本編始まってから起こしよったので、本編始まってからそいつらは会話をしました。大変イライラしました。
でもすぐまた寝てましたわ。
寝るぐらいなら来るなよ。1100円払って寝に来て、人に迷惑かけんなよ、思いました。
老人のマナーがわたし許せない。
子供や若い子より老人!!