「How wild it was, to let it be.邦題のお節介感が酷い。」わたしに会うまでの1600キロ さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
How wild it was, to let it be.邦題のお節介感が酷い。
私が一番嫌いな、邦題のパターンです。
観客と映画の間に割り込んで、勝手に答えを押し付ける感。
息子が彼女と部屋にいるからって、やたらお茶やケーキやらお菓子やらをちょくちょく持ってくるママ感。
いいから、放っておいて!いちゃいちゃしたいの!
パシフィック・クレイスト・トレイル(長い自然遊歩道)に挑んだ主人公シェリル(リース・ウィザースプーン)が、最後に到達するであろう答えも、歩いてる理由も、邦題にご丁寧につけちゃう!
しかしその答え、間違えてるからね!
なので今からこの映画のタイトルは原題の"WILD"に変更していいですか?
シェリルが何故この長い道を歩くのか?過去と現在が交差し、少しずつ理由が分かってくる構成なのに!もう、邦題(しつこいですね。すみません)!
シェリルは母親(ローラ・ダーン)の死を受け入れられずドラッグに溺れ、結婚生活も破綻。そして女性にとっては一番辛いことを経験し、初めて"私はこんなんじゃない"と思う。
「だから歩く!」
そして一歩、一歩と、砂埃舞う砂漠や、雪山を進んでいきます。その距離1600キロ。3ヶ月。実話です。
リース・ウィザースプーンがぶつぶつ言いながら歩く姿が、いいんですよ!
「F*CK F*CK F*CK !こんなんいつだって止められる。止められるんだ!なんでこんなことしようと思ったんだろう?なんでだろう(字幕なしで観たので勝手な意訳です)?」
足の爪が割れ、悲鳴と共にもぎ取った瞬間に、ブーツが崖下に落下!いらっ!ってきて、もう一方のブーツも投げ捨て「F*CK YOU BI*CH!!うわああああああああーーーー!!!!」
の、叫び声の冒頭から、良作の予感です(笑)
そして裏切らない。むっちゃ面白いです。
そしてリースを、初めて可愛いと思いました。
原題の"wild"はラスト"How wild it was, to let it be."の台詞からきていると思います。
あ、ネタバレすみません。
邦題の分も合わせて、謝ります。すみません。
※最後の台詞を訳すと、完全なるネタバレになるので止めます。
ただこの旅を通して彼女がWILDになった訳でも(そういう意味のWILDではありません。比喩的なWILDです)、変わった訳でもないことだけは分かると思います。