シン・ゴジラのレビュー・感想・評価
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好きな人は好きなアート映画
他ではオブラートに包みましたが、これはこの作品のレビューなので率直に。
エンタメ映画ではないものの、アート映画としてもエヴァ好きへのサービスは多いしソフトビニール人形のようなゴジラにはゴジラ愛を込めたのだろうというのは理解はできるが特に魅力的ではなく劇伴も映像も何度も観たくなるようなアートではなかった。
また、石原さとみさんは好きな女優ではあるが、アメリカ人のような迫力と魅力が必要な役はさすがに無謀すぎた。日本のお笑い芸人がアメリカ人のコントをオーバーにやって笑いを取る、まるでそういう役になっていた。
とはいえ、他の役者も長台詞を頑張って詰め込んで何故か短い尺(政治の局面でああなった演出だろうがその必要性は全くない)で全て吐き出さなくてはいけないので演技という演技も特にない。まあ、映画というか早口言葉の動画だね。
そんな石原さとみさんらを含め、あえてコミカルな映画を目指していたのかもしれないが、楽しい笑いにも皮肉な笑いにもならない、失笑を誘う状態なのである。
その理由は、作戦名を子どもっぽくないように変えたなどという裏話があるものの、結局はどう頑張ってもダサさが抜けきっていないためである。これはまあ個人の感性であろうが、中学二年生がよく罹患する病で「難しい覚えたての単語を繋げて難解な文章を作ってみて大真面目な顔で友達に披露してみる」というものがあるが、その空気感がずっと作り物めいた会議室に充満していて恥ずかしい。エヴァではアニメの現実離れした絵面が緩和というか恥ずかしくない段階に引き上げてくれるのだが、この現実路線な映画では致命的だった。一部なら流せるが映画そのものが「いかにカッコいいワードをそれらしくキメるか選手権」なので、この選手権が嫌いな客はお断り映画である。
ストーリーはそもそも無いので可も不可もない。
ここでもう少し現在の政治や民衆への訴えや震災のメタファーなどを描けていれば星2のつもりだったけれど、そういったものも感じなかった。そういう皮を被せているのはわかるものの、肝心の訴えるべき、問いかけるべき中身は無いのである。だからこそ、優秀なファンが考察という形であらゆるメッセージを“生み出してくれた”という有意義さはあろうか。
ゴジラはソフトビニール人形の玩具をCGで動かしたような感じで、とくに怖さはない。ゴジラが襲うことで感情や動悸が変わることも特にない。自分がゴジラの人形で遊んでみるのとこの映画のゴジラ襲来シーンを観ることは大差ないだろう。
そこが可愛らしいと人気があるのはよく理解できる。唯一、映画を観て良かった点である。
ソフトビニール人形のようなゴジラが面白かったので星1にしておく。
庵野監督は嫌いではないが、エヴァとエヴァのファンに頼りきるのは卒業してほしい。といっても、もう年齢を考えたらそれで武勇伝を語ったり好きに擦るのでもう良いのかな。
諦めず、最後までこの国を見捨てずにやろう。
「全弾命中!」 これこそが究極のリアリズム!
かなり、部分的な事から話します。
今までの怪獣映画は、砲弾が怪獣に向けて無数に発射され、直撃する弾もあれば、体を大きく外れる弾もありました。 (私はまだ10代の頃から不思議に思っていました)
自衛隊(あるいは他国の正規軍)が本気に砲弾を撃てば、数十メートルもある巨体を外すはずがないのです。
戦車であれ、ヘリであれ、戦闘機であれ、その機を任されている者は下士官以上の上級軍人で、
最新戦闘機のパイロットともなると、中佐や大佐(将軍のすぐ下の位)などの、精鋭エリートが搭乗している事も多いのです。
当然、1発の砲弾でさえ、必ず命中させるのが任務なので、
当たって当たり前のはず!
それをこの映画はやっと、当然のごとく見せてくれました。
ゴジラとの最初の対峙は4機の攻撃ヘリが、
回転式機銃で打ちまくりますが、全弾、"顔面"に命中します!
隊員が「機銃、全弾命中!」と通信。
そして次の戦車部隊は、
ゴジラの脚部、しかも右足のひざあたりに攻撃を集中させます。
片足を損傷させて、進行を阻止するのが狙いです。
この映画はそういう説明を、台詞でなく、映像で見せてくれてます。
いや~このリアルで、本物志向の映像表現にしびれました。
はっきり言って、戦闘が始まるまでの、政府首脳陣のくどい"やりとり"がリアルですが、少し嫌気がさしていました。
が、その思いは、このシーンで吹っ飛びました。
変態前のゴジラがいかにも着ぐるみ的(特に目が・・)だったり、
無数の建造物が破壊される事に政府が許容している様な対応に違和感があったり等、残念なシーンも多少ありますが、
後半にゴジラが、背びれからも○○を発するシーンや、
倒す為の作戦がリアルに表現されている点など、目を見張る描写も多く、
今までのゴジラ映画とは一線を画す作品だと思います。
今作でゴジラに興味持たれた方は是非、
第一作目の「ゴジラ」(1954年)も、ご覧になって下さい。
白黒で、もちろんCG等ない特殊撮影と効果だけの破壊シーンに、
物足りなさを感じる方がいると思いますが、
ゴジラという災いに襲撃された "街の人々の反応" が一番リアルに表現された傑作と思います。
ゴジラvs日本政府、自衛隊
ゴジラ-1.0 レビューでいろいろ書きすぎたので、こちらも書いておきます。
自衛隊目当てで行きました。
素晴らしかった
政府の安全保障会議の部分、日本が抱える問題を面白おかしく問題提起してくれたのは嬉しかったです。もっと深掘りしてほしいものもありますが、これ以上は映画を悪くするので、その塩梅も良かったです。
それと役者が豪華ですね。好きな役者がメインからちょい役まで多数出ていて楽しめました。
自衛隊の戦闘シーンは本当に素晴らしい。
戦闘ヘリ、戦車、特科隊。陸自なら巨大な何かと戦うにうってつけの兵器選択でした。それとJDAMで爆撃する空自のF-2のかっこよさ。 海自がいないのが少し寂しいです。対艦ミサイルや艦砲射撃とかで出してもらえたら良かった。
内閣総辞職ビームは笑えないはずなのにコント調で良かったです。
そしてヤシオリ作戦の躍動感。
-1.0評ではあえて「ご都合主義」部分を挙げましたが、この映画においてそれも最善の演出だったと思います。
新幹線爆弾と在来線爆弾もそうきたか!という感じ。文字通り畳み掛ける攻撃に大興奮でした。
この映画では少ないドラマシーンでは、臨時の内閣総理大臣になった農水大臣。平泉成さんだからこそ、能ある鷹が爪を隠していた感じ、いい意味で狸親父感が大好きです。
それと、主人公の決戦投入部隊への演説シーン。正直泣きました。
この映画のやりたいことを考えると、ドラマシーンはちょうど良かったかもしれません。その代わり繰り返しみる際は飛ばし飛ばしになってしまっています。
それでも、マイナスをつけれないほど素晴らしい映画です。
これがゴジラ?
とにかく会議会議会議。場面が変わる事に人物の役職や名前、場所が字幕で出る。
誰がどこで話してるか字幕つけないと分からない邦画って…。しかも場面がすぐ変わり読んでる暇も無い。
これ、ゴジラだよね?ゴジラ観に来たんだよね?
ゴジラって大人だけが観る映画だったのか。
子供の頃に親に映画館に連れてってもらって、満員御礼の立ち見でも食い入るように見ていたあの映画と全然違う。
シェーをして子供を喜ばせたり、モスラが可愛かったり…。
これを絶賛してるのは庵野監督の信者だけなんじゃないか?
再度、Amazonプライムで見直したが2回も寝てしまった。
腕が短くて上を向いてるので倒れたらおきあがれなさそう。蒲田くんも死んだ魚の目をしている。
そういうのも新しいのだろうけど、私は化け物としてのゴジラを受け入れられなかった。
ただ、ゴジラを復活させてくれた映画として心に留めておく。
ゴジラも群像劇も圧倒的。脚本が最高。
特撮に全く興味がないのでゴジラはもちろん知っているけれどゴジラと名のつく作品を一度も見たことがありませんでした。が、先日安藤サクラさんが出ているということでゴジラ-1.0を鑑賞。ゴジラの迫力すごーい、人間の所業がゴジラを生み出したという設定もなかなか面白い…と思い、でもなんだか少し物足りないというか掘り下げがもっと欲しくて消化不良のため、近年のゴジラ作品を見てみようと思い、こちらを鑑賞。
いやあ……すごかった。すごい。とにかく脚本と演出がすばらしいんですよね…圧倒された。
-1.0のほうは、シン・ゴジラを鑑賞後に振り返ってみると、どこかスポ根アニメ的というか、少年漫画っぽいストーリーや演出だったと思う。そのぶん、感情移入ポイントが分かりやすく熱くなれる点で良作で、10代の子供たちにおすすめしたい。
一方シン・ゴジラは、大人も見ごたえがあるというか、とにかくリアリティ面での満足度が高かった。
緊急であろうが有事であろうが、日本の政治ってああいうふうに動くんですよね。良くも悪くも。もちろんきちんと法律や制度を守るからこその民主主義、でも緊迫した事態下ではあまりに滑稽に見えてしまう…そのリアリティがすごい。
さらに、人気と実力を兼ね備えた主演級俳優たちの圧巻の芝居(余談だけど史上最高に贅沢な斎藤工の使い方では?笑)、さらに名だたる名脇役たちの強烈な個性も遺憾なく発揮され、癖のある人物たちの繰り広げる人間模様、群像劇がとても良かった。
そして何より、ゴジラの迫力。-1.0を見てゴジラの絶望感MAX100と思ってたら、MAX1000まであったんかいという感じ。青紫の光を放ち、ガスバーナーでお肉を炙り焼きするくらい簡単に、人類の創り上げたビルや電車や戦闘機などをあっけなく焼き尽くし、破壊の限りを尽くして火の海に立つゴジラの圧倒的な、まさに神としか言いようがない絶望感。悪神と言ってしまっては軽い、善悪を超越した神、自然の脅威のような畏怖の対象としての神。神々しさすら感じてしまった。
それに対する、あまりにもちっぽけな人間。でも、人間にはゴジラとは違う形の圧倒的な力があった。
まさか高層ビルをそう使うか!建機も電車も…すごくかっこよかった。これぞ人類の叡智。
突如現れた強大な災厄に、人類がこれまで積み上げてきた科学力と知恵によって打ち勝つ。これは心震えずにはいられない。
ああ、劇場で見たかったな…リバイバル上映してくれないかな…
ゴジラ-1.0の後で改めてレビューしてみると...
ゴジラ-1.0をさほど期待しないで観てみると、思いのほか面白かった。
で、日本の怪獣映画では恐らく対極に位置するシン・ゴジラを見直してみたくなりました。
改めて観てみると、公開当時に鼻についた違和感が、10倍ほどに増幅して感じられました。
不条理なゴジラの出現を”天災”と捉えて描いた、政治家たち官僚たち科学者たち、そして群衆の群像劇は、ある種のシミュレーション映像として出色の出来でした。なるほどそう来たか!!という感じです。
しかし、真の意味で心を動かされる(震わす)ものは、ほとんど何もない。
自らを優秀と(あるいは無能と)自負する政治家や官僚は、こういう風にふるまうかもしれない、自らを一流と自負する科学者たちは、こういう風にふるまい、非現実の中に現実解を導こうとするかもしれない、無知・無能な群衆はきっと右往左往するだけで何もできない...といった具合です。
ゴジラ出現という荒唐無稽なSF想定の前に繰り広げられる現実世界のドラマは、非常にもっともらしい緻密な出来ではありますが、しかし一方で、視聴者(=私)の心に全く現実味を喚起しない。
なぜなら、前提となる想定があまりにも現実離れしているから、そこで繰り広げられる群像劇が論理的、合理的であればあるほど、白々しく心に響かない。
政治家、官僚、科学者、軍人、会社員たちを”職業”(”機能”と言ってもいい)として緻密に描いてはいるが、不条理な現実の前で葛藤する無力な”人間”としてはほとんど描いていない、という印象がその理由だろうと思います。
例えば、優秀な科学者や役人とは、理路整然とした論理を机上の一点を見つめて早口でまくし立てるオタクの集まりなのか。この映画には、人と人が目を見つめあって心を通わすシーンがほとんどないと感じます。個々のキャラクターに感情移入しずらい。
むしろ、緻密なシミュレーションと、もっとも”らしさ”が、この映画が描きたい全てであれば、それも当然と言えるでしょうし、それが目的であれば、このこと(感情移入できない)がこの映画の価値を毀損することにもならないでしょう。
(余談ですが、ゴジラ-1.0では、ゴジラ出現という不条理な現実を全く受け止められず対処も消化もできない日本人が(アナロジーとして、勝ち目のない戦争を無理強いされ翻弄された日本人が)もがき苦しむ姿に(怪獣映画らしく、多少、科学的合理性を欠いているにしても)重点を置いて描かれており、この意味でも2つの映画は対極に位置しているといえます。どちらが優れるということではなく、単純に違う、ということだと思います。
庵野秀明さんも山崎貴さんも、とても優秀で人気のある映画監督だと思います。
個人的にはいわゆる”好きな監督”ではないのですが、描こうとするものやその方法論が全く違っていて、真逆なタイプの印象ですので、ゴジラという同じ土俵(?)の映画を比較しながら見るのもまた楽しいのではないでしょうか。
ここに書いたのとは全く別の、どっちのゴジラが好きか嫌いか、カッコいいか、怖いか、というのもゴジラを楽しむ上で、重要な視点ですよね。)
過去最高のゴジラでありカッコイイ
東京が破壊されるシーンがリアル
無名の人々
劇場公開時以来の鑑賞。
時は流れ、実生活では石原さとみも一児の母となっている訳だが。
ハリウッド版GODZILLAの内容はもう忘れてしまっているが、この作品は「ヤシオリ作戦」の名と共に覚えていた。とても良く出来たパニック映画だと思う。
この作品をもう少し若かりし頃(10代)に観ていたら、頑張って理数系に力を入れ、この人類の危機、いや、日本未曾有の危機に立ち向かうべく召集される人物になりたい、と思ったかもしれない。
表に立つ、目立つ人物達もさることながら、それを裏で支える、無数かつ無名のヒーロー達が真摯に仕事に向き合い、危機を回避すべく全力を尽くす姿はカッコいいし、胸が熱くなる。
と同時に、おにぎりやお茶を彼ら現場の人間に提供するという、ささやかな仕事をする者がいるからこそ、世の中は健全に回っているのだ、ということも感じ取れる。どんな仕事も皆重なり連なっているのだなと思うと、日々の仕事への取り組み方も違ったモノになるかもしれない。
東日本大震災があって、ゴジラが来て、新型コロナが蔓延し、ロシアがウクライナに侵攻して。思いもよらない危機が、コレからも我々の面前に押し寄せてくるだろう。それでも、より良い明日のために今日を精一杯生きたい。そう思わせてくれる作品だった。
最後に蛇足は承知だが。作品で皇居及び天皇家に触れないあたり、日本らしいといえば日本らしいな、とも感じた。
仮面ライダーでシンシリーズの内容が推測できるようになった。 本作も...
早口でいっぱい喋っていてすごい!
安倍総理推薦作品
第五福竜丸事件に基づいて生まれた作品がゴジラです。要はゴジラは核兵器や原子力発電所の二次被害として日本人が生み出したキャラクターです。近年で言えば東日本大震災の福島第一原子力発電所事故です。但し、こちらは核実験ではなく自然災害ですから不可抗力ですが(TV局は政権忖度で原子力発電所を集中攻撃)。
これはゴジラではありませんね。第二次大東亜戦争ですね。戦争依存症で軍国主義の大本営は国家のメンツに賭けて防衛省自衛隊を活躍させてようと躍起になってる(だからこその防衛省自衛隊全面協力)。対するは長谷川博己内閣官房副長官(政務担当)率いる巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)。大日本帝国時代のスパイに相当する陸軍中野学校ですかね。陸軍中野学校は名前こそふざけてますが(苦笑)中身はスパイ組織でCIA/MI6に相当します。敵国は勿論、大本営ですらも敵ですから見た目はとにかくふざけて(苦笑)カモフラージュしてます。最初は憤りを感じた世界観ですが9条改憲して大日本帝国を再興して大東亜戦争を再開したと考えれば筋は通ります。ちなみにゴジラ相手に防衛省自衛隊ご自慢の軍事力がまるで役に立たないのは国連の前身である連合国軍相手に特攻機に乗って玉砕する自爆攻撃で戦う大日本帝国陸海軍を彷彿させます。
家に帰れないならせめて銭湯に行って風呂に入れと思いますね。前に見た別の作品では仕事が忙しすぎて会社に寝泊まりしてるサラリーマンが身嗜みを整える為に近所の銭湯で風呂に入るというシーンがありました。銭湯がなくとも東京都内ならビジネスホテルなら無数にありますからせめて風呂に入って身嗜みだけは清潔感を維持させてほしいですね。
文書主義と民主主義を全否定する国会議員ですが諸悪の根源は民主主義ではなく議院内閣制です。大統領制に移行すべきだと考えますがそうなれば改憲となります(日本国憲法第4章国会、日本国憲法第5章内閣)。そうなれば9条改憲を主張するタカ派(タカ派を支持する日本会議)が狂喜乱舞して一気に軍事政権に転向してかねません。現状は大統領制は諸刃の剣ですから現行法では現状のもどかしさが仕方ないと思います。タカ派(タカ派を支持する日本会議)は大東亜戦争に負けた事や国連憲章の旧敵国条項を令和の現代も根に持ってます。ですから抑止力がないと直ぐにでも9条改憲して大日本帝国を再興しかねない勢いですから歯痒いくらいが丁度いいと思います。ちなみに私が内閣総理大臣なら先ずはアメリカ合衆国大統領に電話して指示を仰ぎますね。国家のメンツなんかどうでいいから先ずは国民の命を最優先に考えます。仮に自衛隊を動かすにしてもアメリカ合衆国大統領に相談した後の方が合法だとなりやすい。それにしても防衛省自衛隊は大東亜戦争が終わってからから全く進化してない。自衛隊は死ぬ覚悟から出来てるだの国民はお国の為に死ねるなら本望だの。軍国主義の戦争依存症は文字通り依存症ですね(苦笑)。
脚本がいい/劇場で観て、自宅で何度も観てしまう。
進化しているゴジラ作品
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