「日本人にとってのゴジラとは?」シン・ゴジラ 足立佑介さんの映画レビュー(感想・評価)
日本人にとってのゴジラとは?
エンタメ性もありながら、しっかりと初代ゴジラに通ずる部分もおり、映画としてで非常に面白かったです。
ハリウッドのモンスターバースシリーズに登場するゴジラはエンタメ方向に振り切ったものにになっていて、それはそれで面白い。
でも元々、1954年に登場した初代ゴジラは、「放射能の恐怖」を象徴するような思想的な部分もあったと思います。
映画『シンゴジラ』も、同様で、東日本大震災で制御不能に陥った福島県の原発施設がモチーフとなっており、否が応でもいろいろ考えさせられますね。
特に、クレーン車を使った凍結作戦はまさに福島原発そのもの。
あの大震災と原発事故の映像を繰り返し見た日本人だからこそ抱く感情を、ゴジラという怪物を通してうまく表現しているなと思いました。
単なるエンターテインメントだけでなく、初代ゴジラのエッセンスを受け継ぎつつ、現代的なもんだいていきに落とし込んだ良作です。
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