「待望の日本製ゴジラ… "シン" の傑作誕生!」シン・ゴジラ しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
待望の日本製ゴジラ… "シン" の傑作誕生!
ゴジラ・シリーズ第29作。
シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバースの一編。
第40回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作。
TOHO CINEMAS EXTRA LARGE SCREENで鑑賞。
子供の頃からゴジラが大好きだ。物心ついた時には、親に買ってもらったゴジラのソフビ人形を握り締めて遊んでいた。
ミレニアムシリーズは映画館でリアルタイムで観ることが出来、その後の12年の空白を考えると、幸運だったと思う。
製作発表の時には飛び上がるほど歓喜した。事前にムビチケを買い、公開初日の仕事終わりに胸踊らせながら映画館へ。
待望の日本製、東宝オリジナルだし、監督が庵野秀明氏と樋口真嗣氏のタッグと来れば期待しか持てないではないか。
キャスト陣もシリーズ史上最大級の豪華さであり、とても驚いた。「東宝さん、ありがとう」の気持ちでいっぱいだ。
上映が始まり、冒頭から1作目のオマージュだなと思ったのも束の間、謎の水蒸気爆発、政府の対応、尻尾の登場…と畳み掛ける展開と専門用語の応酬に、スクリーンに観入った。
ゴジラ出現と云う未曾有の国難に対応する政府の姿に焦点を置き、徹底した取材に基づいて構築された描写は、上質なポリティカル・サスペンスを観ているようなリアリティである。
家族の絆だとか、登場人物の恋愛模様と云った要素を徹頭徹尾排除することで、中途半端にならない物語をつくり出せているのではないかと思う。キャラクターは単なる記号なのだ。
情感溢れるドラマを描こうとするとゴジラが蔑ろになってしまい、何がメインか分からなくなる。バランスを取ろうとするとどっちつかずになる。ならば排除しようと云う潔さが良い。
特撮では、スピーディーなカット割りや縦横無尽なカメラワーク、精巧なミニチュア、大迫力のVFXに息を呑んだ。
メイキングを観たが、ビルから滑り落ちる家具もミニチュアであることに驚いた。CGもハリウッドに負けていない。
覚醒状態になったゴジラ(第四形態)が放射線流(熱線をこう云う呼び方するのも庵野氏らしくてカッコいい)で東京を火の海に変えていくシーンの、恐怖と荘厳さは見事であった。
ハリウッドに比べればべらぼうに安い予算でも、面白い脚本と創意工夫が結集すれば、こんなにもレベルの高い映画をつくることが出来る。日本映画の底力が示されたようで興奮した。
興行収入は82億円超え、日本アカデミー賞では7部門で最優秀賞を受賞し、キネマ旬報ベスト・テンで2位になるなどシリーズ初の快挙を達成した。何度嬉し涙を流した分からない。
[余談]
ゴジラのモーション・アクターを野村萬斎氏が努めていると知り、「なるほど!」と膝を打った。「ミスター・ゴジラ」の異名を持つ初代スーツアクター・中島春雄氏も、ゴジラの動きを表現する際に狂言や能などの伝統芸能の動きを参考にしていたと証言しておられるし、野村氏の起用には納得しか無い。
[以降の鑑賞記録]
2016/08/06:MOVIXあまがさき
2017/03/22:Blu-ray
2017/03/23:Blu-ray
2017/11/03:TOHOシネマズ新宿(イッキ見オールナイト上映)
2017/11/12:日曜プライム
2018/09/17:Ultra HD Blu-ray
2018/12/16:日曜プライム
2019/04/10:Amazon Prime Video
2019/05/28:Blu-ray
2019/10/22:Ultra HD Blu-ray
2020/04/04:Ultra HD Blu-ray
2020/05/02:WOWOWシネマ
2020/11/03:Netflix
2021/02/11:Ultra HD Blu-ray
2021/05/18:Ultra HD Blu-ray
2022/06/22:Hulu
※リライト(2021/02/11)
※修正(2025/07/29)
庵野カントクお得意の明朝体が効いてましたね、コピー・PC群とかまで出そうでした。個人的には口が裂けてギャオスみたいな熱線を吐き始めるのはやり過ぎと思いました、その分惨事感は凄くなったんですが・・。一番好きな劇中の台詞「まず、君が落ち着け」。
「氏」が抜けてました。呼び捨てにするつもり無いのでご勘弁を…最近こんなコメント多発で、老化の始まりか?すでに途中か?…頭より指が先に動いてしまいます…ギター弾くから、なんて言い訳にもなりませんよね…🙇
しゅうへい(syu32)🙇奇遇にも観てました✨
今の大河を観る度にゴジラ観ている感じになり、観返してばかりです😒
ますます、世の中エライことになってますね…大阪は土日の映画館休館なのに、兵庫県は上映しており、へんに観に行ける状況なのが歯がゆいです😣
「キネマの神様」12月公開は変わらずみたいですが、多分来年ですね…志村さんの代役、加藤茶さんって噂も出てますが(若い頃は菅田君に似てたとか)…😔
『シン・ウルトラマン』のニュース、自分も興奮しました!
と言うか、最初はにわかに信じられず、フェイクニュースか!?…と思ってしまったほど(^^;
ウルトラマン好きでもあるこの名タッグ故、果たしてどんなリアルな『シン・ウルトラマン』になるか、今から2021年が楽しみですね♪
望めるならこのタッグには、“シン・特撮シリーズ”をまた期待したいです。
ゴジラ、ウルトラマンと来て、次は『シン・仮面ライダー』!
ダーク&シリアス作風で、改造人間としての苦悩を描いた作品が見てみたいです。目指せ、日本の『ダークナイト』!
でもその前に、『シン・ウルトラセブン』や『シン・ガメラ』なんてのも見たいかもです(^^)