「3回目。」シン・ゴジラ もりとんさんの映画レビュー(感想・評価)
3回目。
ゴジラ映画の中での最高峰。
音楽、映像、演出 。
何より絶望感に打ちのめされる。
311時、新宿南口の大画面にコンビナート火災が映し出されていたのをみて、まるで映画のワンシーンに紛れ込んでしまったかのような感覚にとらわれた事を思い出した。
夜通し甲州街道を歩き続ける人々がやけにハイテンションであった事も。会議のリアルさ、逃げる人々のリアクションも311の再現のようで、押し寄せる船が、燃える東京が、失われた親族を思い出させ胸が痛む。
救いがある、胸のすく後半は楽しい。
後半のご都合主義云々を言われているが、押し潰されそうな現実の中で戦う我々が、怪獣映画の中で夢を見て何が悪いか?こんな政治家が実在しない事や官僚や自治体が硬直している事まなんて分かりきっている。
米国評論家が、現実に虚構を入れていく繊細な作業と高く評価していたが秀逸な表現だと思う。
コメントする