「全く中身に入っていけなかった。」シン・ゴジラ saburiさんの映画レビュー(感想・評価)
全く中身に入っていけなかった。
アクションシーンに関しては純粋に楽しめました。
でもこの映画は人間ドラマに比重を置いると思うのですが、人間ドラマとしてみるなら絶賛される質だとは到底思えませんでした。
1番大きいのはドラマに気持ちが入っていけなかったこと。全体的に演出が陳腐で終始興ざめでした。中身を咀嚼する以前の問題だったと思います。
なぜそう感じたか、一部具体例を挙げます。
早口長セリフ。テンポの良さや危機感を煽る手段なのかなと思うけど、映画全体の「リアリズムを提供してますよー」というスタンスと相反してないか。うっそくさ、と思った。
余貴美子市川実日子石原さとみの主要な女性の意識的な不愉快演出。とにかく不愉快だった。必要悪みたいなこともなく、ただ高慢。石原さとみの実は情に厚い、市川実日子の最後の笑顔の伏線だとしたらお手軽すぎないか?
通っぽいキャスト達(ピエール瀧、國村隼、古田新太、渡辺哲、野間口徹、塚本晋也、片桐はいり、平泉成、松尾スズキ等)は手軽に雰囲気出すためだけの装置として使われてないか?ただでさえクセが強いんだから出すなら意味を持たせて欲しい。彼らを起用した必要性はあったのでしょうか?みんなただ出てた。
セリフのダサさ。「すごい、まさに進化だ」「礼はいいです。仕事ですから」他
嶋田久作のテーブルを叩いて悔しがるシーン、平泉成のフランス首相に頭下げるシーン、民放ドラマじゃないんだから、と思った。そもそもこれらの核を使うことをためらう演出、世間への「核を簡単に語るな!」という声への予防線にしか感じなかった。あの状況で核使う可能性を感情論でやってる場合か?と思いました。核も1つの方法として淡々と計画してほしかった。
音楽。後半のもう一踏ん張りの時に流れるBGM、あれ何なの?本気なの?ダッセー!と思ったけど違うの?
序盤で流れた唐突なジャズも違和感しかなかった。いや、ダッセー!と思った。
(ここに関してはあくまでも主観なので気分を害した表現なら謝ります。)
やってる役者達にはなんの文句もないです。ただ、こんな演出させられてどう思ってるのかなーとは思いました。榎本明あたり「くっだらねえ」と思ってそうだけど違うかな。
とりあえずこのへんにしときます。長文すみません。
多分私の見方がズレてるんだと思います。
焦点を当てるべきはそこじゃない!という声が聞こえてくるようです。じゃあどこ!?
私は本当に、イキがってるわけじゃなく、俺本当の映画とは何かを知ってるゼ、とかでもなく、純粋にこの映画全く面白くなかったんですけど、世間の評価がかなり高いことに心底驚いています。
皮肉ではなく、どこをどう感じれば面白いと思えるのか教えていただければ嬉しいです。
きよっぴー様
そうですよね。私も世間の高評価に驚いております。
これほど自分と世間の評価にズレを感じた映画はないです。
私には茶番に見えたものが他の人には感動大作に見えている、その違いが分からないのでモヤモヤするんです。
なぜあの面白さが分からないのか!想像力が足りない!と高評価の方から叱られそうですが、
逆にどう折り合いをつけてあの茶番を正当化して見れるのか、と聞きたいです。
私にはみんなに見えてる部分が見えなかったのかなー、なんて色盲になった気分です。
初代ゴジラをリアルタイムでみた方の中にも高評価の方がいるので
歳のせいではないみたいですね!笑
ホント高評価が多いのには驚きですよね。映画終わった後に若い人達が面白かったと話しているのが聞こえました。
私は嫁と二人で面白くなかったという事で意見が一致しました。
52歳という年のせいですかね?
ふゆさん、コメントありがとうございます。近しい知人も同じようなことを言ってました。アニメの演出方法をあえて実写でやるということに監督の狙いがあって、それを受け入れるためにはアニメの表現に慣れてないと厳しいかもね、と。
アニメや特撮は嫌い、ということはないんですが普段ほとんどみないのでこんな結果になったのだと思います。
わりきって見る器量がなかった、ということだと思いました。