劇場公開日 2016年7月29日

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「反骨精神」シン・ゴジラ mintoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0反骨精神

2016年8月23日
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よかったです。庵野監督の邦画に対しての反骨精神が色濃く出ていたところが好きでした。けど同時に主張の強い映画は反発も招きますので、賛否あるのはよくわかります。でも庵野監督は作家性のある方ですから、挑戦的な作品になっていて私はとても嬉しいです。娯楽映画でここまで人間ドラマを排除した邦画は最近観た中にはなかったなと思います。普通の監督だったら絶対どっかの男女が恋愛して、ゴジラが現れて2人で泣いて、ゴジラきててそれどころじゃないのにいちゃいちゃキスして、、、みたいなストーリーを盛り込むと思うのですよね。ああいうご都合主義のストーリー、演出は本当に目を背けたくなります。そういうのに対するアンチテーゼもあり、リアルにゴジラと戦うというところに的を絞ったのではないでしょうか。エヴァを蹴ってでも作ったのも納得させます。「今、伝えるべき作品」として撮ったんだと思います。
ひとつ腑に落ちなかったのは矢口が「巨大生物の可能性があります」と言い出すのはいささか急かなと。ここは矢口の過去話ひとつくらいは入れたほうがリアリティでた気もします。
CGは洋画には遠く及びませんが、とても頑張っているの感じました。邦画の少ない予算で工夫しているのを感じたのでアラはそんなに気にならなかったです。
批判を呼ぶ作品こそが名作。キューブリックも、リンチもみんな叩かれてますからね。

minto