「エンタメ作品としてこれが作られたことが嬉しい」シン・ゴジラ zhiyangさんの映画レビュー(感想・評価)
エンタメ作品としてこれが作られたことが嬉しい
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ゴジラは一つも見たことないし、庵野にも何の思い入れもないが、評判がえらい良かったので見に行ってみたら、納得。興奮したし、フィクション映画を見て初めて恐ろしいと感じた。
明らかに東日本大震災とその後の原発事故を意識した演出とストーリーは、見ていて本当に辛かった。特に蒲田上陸のシーンは津波そのままだったし、放射能炎で東京が焼かれるシーンはあの時の気仙沼を見ているようだった。初代ゴジラは原水爆の被害をテーマに、B29の空襲ルートに沿って東京の街を襲撃したらしいが、今回の「この時代にこのストーリーのこの演出で」という感じは、ある意味では見事な先祖返りをしてみせたのかも知れないと思ったり。この作品に出てくる官僚と政治家、あまりにも有能過ぎないか?と思わんでもないけど、何かと自粛ムードを醸し出したあの出来事を、こういうエンタメ作品に昇華してみせたことが何より嬉しい。それに、安っぽい「絆」とか場違いな恋愛ドラマを一切挟まない、滅茶滅茶地味な映画でも面白いもの作れるのだと知らしめてくれた点も。あと尾頭さんがめっちゃ良いキャラしてた。石原さとみは、まあしょうがないか…。浮いてたけど。
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