「復活」シン・ゴジラ hrtknrさんの映画レビュー(感想・評価)
復活
'84ゴジラを小学生の時に観て以来の、ゴジラ劇場鑑賞になります。
封切直後の熱い反響、特に焔燃、いや、島本和彦のツイートに衝撃を受け、映画館に足を運びました。
…凄く良かった。トレイラーの地味さ加減とはまるっきり別物でした。
CGのアラは(特に第一、第二形態の時に)多少目立ちますが、補って余りある巨大不明生物や人物達の存在感。早口台詞やカットの細かさも、最初は戸惑いますが、テンポの良さが小気味好く感じられます。
特に、鎌倉再上陸から、夕暮れ迫る武蔵小杉でのタバ作戦、米軍のバンカーバスター攻撃、東京駅付近での活動停止までのシークエンスは、自分の映画鑑賞経験の中で最高の部類に入るものです。
また、誰かが既に書いてますが「無人在来線(新幹線)爆弾」のシーンは、蹂躙され続けた列車たちの積年の恨みが晴れる瞬間として、声を殺して笑って見てました。
続編を望む声もありますが、最後のカットは、この作品が既に世に出ている短編作品の前日譚である可能性を示唆していると思うのは、考え過ぎでしょうか。
制作委員会方式を取らず東宝1社制作だったことで、おざなりな脚本や変なタレント、アイドルをねじ込まれる可能性は低かったのでしょうが、その東宝自体も興行収益のため、恋愛要素を脚本に入れるよう、総監督に求めたという話も目にしましたし、制作現場でも総監督とスタッフの間で考えの相違があったとも聞きます(最終的に作品を見て、スタッフも総監督の考えがわかったとのことですが)。
誰にも邪魔をされず創りたいものを創ることが容易ではない今のご時世、この作品を作り上げた監督やスタッフ、配給した東宝に心から敬服するとともに、この作品のヒットが映画作りの現場を良い方向に変えていってほしいと感じています。
*その後、8月4日に子供を連れて再び観に行きました。10歳の子も細かいところは気にせず、見入っていましたよ。