劇場公開日 2016年7月29日

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「今の日本ならではの映画かな」シン・ゴジラ スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5今の日本ならではの映画かな

2016年8月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

この前のハリウッド版を見るまではゴジラに対してほとんど興味が無かったので、過去作との比較は出来ませんし、エヴァにも全く興味がないので音楽以外はエヴァっぽいかどうかも全然分かりませんでしたが、一つの日本映画として、一つの怪獣映画として、十二分に楽しめたし、日本映画の底力を感じれて妙に嬉しくなった作品でしたね。
樋口真嗣監督と言えば昨年の「進撃の巨人」でやらかしたイメージもあったので、ちょっと不安だったのですが、今回はエラーを帳消しにする起死回生の逆転打だったかと。
まあ勿論、庵野秀明監督がいなければ、どうなっていたのかは何とも言えないところですが・・・。

とりあえず、ゴジラに造詣が深くない私としては、巨大災害シミュレーション的な部分での見応えの方が高かった作品でしたね。
これがハリウッド映画なら、ヒーロー的な存在がいたり、お涙頂戴的なドラマがふんだんに盛り込まれたりするのでしょうが、個人にスポットが当たるそれらの要素がほぼ無かったのが、逆に新鮮と言うか、リアルシミュレーション的な感じがして、これはこれでとても見応えを感じれる作品に仕上がっていたなと思いましたよ。
ヒーローや強力なリーダーはいなくても、日本には日本的な対処法がある、そんな作風に物凄く胸が熱くなりました。

震災や原発事故、昨今の異常気象を経験している我々としては、もはや想定外も想定内になりつつあるだけに、何が起こってもおかしくないとは思ってますが、そんな中でゴジラが襲来したらどうなるか、予想不可能な動きや攻撃を仕掛けてくるゴジラを違うものに見立てたらまた違った見方も出来そうで、いろいろと考えさせられたし、なかなか興味深い内容でしたね。
政府の対応はブラックジョークも相当含まれていて震災の記憶も少し蘇りましたが、でも日本行く末に希望が見えた終盤の展開には感動を覚えましたよ。

ゴジラ登場までの時間が短かったのも好ポイント、ハリウッド版は出てくるまでが長過ぎでしたので。
しかし進化前のゴジラのビジュアルが、手書き風でどうなるのかと思いましたが、あれはあれで結構好きかも、勿論進化後も私はアリでしたよ。
台詞が早口過ぎていまいち聞き取れなかったのは難点でしたが、まあダラダラやられるよりはこっちの方がまだマシでしょうかね。
それにしても、石原さとみは進撃に続いてまたしてもキワモノを・・・でも唯一リアルじゃないキャラが逆にいいアクセントでもあったかな。
片桐はいりのお茶とおにぎりのホッコリ度もホント良かったなぁ~。

スペランカー
スペランカーさんのコメント
2016年8月6日

>みつまる。さん
日本ならではの対処法が、ホント日本らしくて良かったですよね。
ゴジラに対する知識は全く無いんで、ゴジラとして良い映画だったのかはよく分かりませんが、日本映画としては十分世界に誇れる作品だったような気がしています。
こう言う日本ならではの日本らしい映画をもっともっと作って欲しいですね。

スペランカー