「スクラップ&ビルドとはまさに戦後日本のしてきたこと」シン・ゴジラ mimiccuさんの映画レビュー(感想・評価)
スクラップ&ビルドとはまさに戦後日本のしてきたこと
ザ・庵野秀明ショーな新世紀ゴジラ。長い肩書き、堅苦しい会議シーン、早口な台詞、明朝体テロップ、エヴァBGM、顔顔顔のアップ、電線越しの見上げ、次々と登場する戦闘機。
第4形態まで進化する最長118.5mのゴジラの造形たまらんね、特に最初のツチノコとトカゲの合の子みたいなのがうねうね動く所。車ぽんぽん飛ぶの笑っちゃう。特撮博物館で見た「巨神兵東京に現わる」ほかミニチュア等あそこで見たワクワクを思い出した。映画館出たあと、夜の上福岡の駅前タワーマンションを見上げては、ゴジラが出たらどう壊すだろうと幻影を妄想した。
米軍の貫通弾を食らい致命傷を負わせたところで、満を持しての放射光線にテンションぶち上がり!!これだけで5億点、しかも今回は背ビレからもまるでコンサートのレーザーかってくらい縦横無尽に焼き尽くすのよ!
長谷川博己、石原さとみ、國村隼、ピエール瀧、松尾諭らの進撃の巨人チームがまるでリベンジかの様に見えた。チーム水口のオタク精鋭部隊っぷりが際立ってた、特に市川美和子の無表情早口と高橋一生のパソコンオタクが印象的。
世界唯一の原爆被爆国であること、大地震を何回も経験していること、未曾有の原発事故を起こしていること、非核三原則の国であること、もしも2016年現在に日本にゴジラが襲来したらの災害シュミレーションが徹底されている。これは日本に住む我々のための映画だ。
無人在来線同時突撃はそのビジュアルも含めてよく思い付いたな。ラストの作戦で複数のクレーン車でゴジラの口に凝固剤注入は、福島原発のメルトダウンを阻止する冷水注入オペレーションを連想した。
災害レベルに対しての人々の焦燥感がちょっと低いと感じた。BGMのバリエーションが少なく感じ、またシーンを盛り上がる役割に欠けていたのは残念。
21:45の回レイトショー1,300円