「本家の面目躍如」シン・ゴジラ mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
本家の面目躍如
ゴジラシリーズは、ローランド・エメリッヒ版、ギャレス・エドワーズ版を含め数多く観てきた。そこには日本、アメリカ関係なく、あるフォーマットがあった気がする。
異生物が現れる何らかの予兆があり、それに対応しているうちに、事態はどんどん悪化していき全面対決になる、というような。
本作はそういったまだるっこしい手続きめいたものはなく、ましてや誰がどんなキャラなのか描く間もなく本筋に入る。
これは脚本の庵野秀明の呼吸なのだろう。
そして、ゴジラの名を借りて、庵野秀明がやろうとしたことは、安保どうこうといったところでいざ有事になると、我が国はこんな風なんだよというシミュレーションを見せた。
それからもうひとつは核の脅威である。
矢口(長谷川博己)率いるプロジェクトチームが、ゴジラのエネルギー源に疑問を提示したとき環境省の役人(市川実日子 好演)が「核分裂」とつぶやいたときに、少し背筋が寒くなった。
結末としてはやや不満もあるが、大挙して出演している俳優陣は見ていて楽しいし(小出恵介や斎藤工はあんなのでいいのか?)、本家としては面目をほどこしたのではないだろうか。
ところで、野村萬斎効果はほんとにあった?
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