「"神"ゴジラ」シン・ゴジラ 0さんの映画レビュー(感想・評価)
"神"ゴジラ
久しぶりとなる日本版ゴジラ。
今までに散々繰り返してきた怪獣プロレスとは違い、ニッポン対ゴジラという原点回帰ともいえる構図。
豪華キャストがズラリと並ぶ中に伝説のスターもその名を連ねる。
ゴジラは戦争の化身。天災の化身。その両方の側面を持ち合わせる。
平和ボケした我々日本人をもう一度戒めるためにやってきたのであれば、ゴジラは戦争の虚構である。
戦争というものは街を破壊しては、いとも簡単に火の海に変えてしまう。同時に科学を発展させ暴走させる力があり、それは良くも悪くも人類において大きな進化となる。戦争は進化し続ける。それと同じようにゴジラも初期形態から最終形態まで急速に進化を遂げていく。戦争をなくそう。ゴジラを駆逐しようと考えるのが一般的ではあるものの、後にそれは不可能なのだと思い知らされる。つまり共存を余儀なくされるのだ。しかし、共存という意味ではゴジラは天災の虚構と考える方がしっくりくる。なぜなら、地震や落雷や台風などの自然災害は神出鬼没な存在であり、予期せず突如現れ襲いかかる。これはまさにゴジラそのものである。人類は常に天災=ゴジラと共存し向き合っていかなければならない。戦争に立ち向かわなければならない。ゴジラとはそれらの象徴なのかもしれない。人知をはるかに超えた存在。
「シン・ゴジラ」でもその象徴的シーンをしっかりと捉えてはいる。だが、やたらと生物だと強調したり、日本のプライドがために凍結に至ったものの、連合軍が核を使っていればやっつけられたみたいな終わり方… (石原さとみのぶっ飛んだキャラ設定…)
それはともかく破天荒な「ゴジラ無双」を観れただけでも大満足。自衛隊にもヤシオリ作戦にも思わず熱くなる。劇中に涙が出ることもあり、心を打つシーンもあった。日本の特撮も捨てたもんじゃない。
この国はまだやれる