劇場公開日 2016年7月29日

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「まさか泣くとは・・・」シン・ゴジラ マコルトンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0まさか泣くとは・・・

2016年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

優等生を目指した作品ではないので、
辛辣な意見によって総合評価から☆がひとつくらい減ることは
やむを得ないのだろう。

しかし私にとって、これこそが常に望んでいたゴジラ映画だった。
「これだ。これが観たかったのだ。」
何度もIMAXの座席から身を乗り出した。

特に・・・
ゴジラ映画にとっては無くてはならないあのシーン。
庵野ゴジラはどう魅せるのだろうか?
そんなことも事前の興味のひとつだった。

・・・想像を超えてきた。
衝撃と色々な感情が入り混じり・・・
まさか中盤で自分が泣くとは思わなかった。

新旧の文化が調和し、インフラが整い、治安も良い大都市。
そんな東京に住んでいると、
「この生活を脅かすものは無い」とさえ思えてくる。
しかし、それが幻想であることは先の震災で証明された。

日本の怪獣映画とは、その奢りに対して、人間がどれだけ自らを戒め、
律することができるか?という度量を測る指針なのだと思う。

空想の脅威に対して、現実がどこまで備えられるか?
現実を打ち砕くような脅威を空想することができるのか?

シン・ゴジラは見事にそれを成し遂げた。
一人でも多くの日本人に観てもらいたい。
世界の人に、このニッポン対ゴジラを観てもらいたい。

最後にひとつ。
「台詞が多く早く、ついていけない」という意見が散見されるが、
これは杞憂だと思う。
専門家が本気で議論すれば素人は当然ついていけない。
私もついていけなかった。
だがストーリーにおいていかれることは無い。
「怪獣が出てきて、それをやっつけようとしている人達がいる。」
これだけ分っていれば大丈夫だ。

マコルトン