「脚本がマズイ」進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
脚本がマズイ
やってる事は凄いんだ。
十二分に大作だ。
盛り込もうとしてる事も、理解はするし、察する事もできる。
ただ!
原作ファンは、怒って当たり前だろうと思う。
「進撃の巨人」という看板…いや…エレンとミカサ、アルビンが出てこず、完全なるアナザーストーリー、もしくは、時間軸を同じくする「もう一つの部隊」として、描いていたならば、美味しいトコだけ食べられたろうにと思う…。
残念で仕方がない。
特上の松坂牛が目の前にあり、肉汁が滴り、ジュージューと音を上げ、一切れ口に入れた途端、
「???」
なぜ、この味付けにしたんだと、地の底に穴掘るくらい落胆する。
そんな感覚に似てる。
原作がある以上、そのキャラには背負ってるものがある。
別の物を背負って、同じ名前で登場されても「いや、そりゃないぜ(>_<)」となるのは当たり前だ!
なら、同じ名前の必要がない、逆に混乱する。
数奇なる運命に翻弄されるエレン。
そのエレンを無条件に受け入れ、世界まで敵に回しても彼の側に居続けるミカサ。
これは、巨人どうこうとは別の物語の柱のはずだ。
そこをぶらしてしまうのならば、それはエレンとミカサである必要がない。
壁やら巨人やら、支配やら解放やら、原作が持ってるであろうテーマに則したテーマも流れてはいたが、その柱を崩したのなら、名前も変えて欲しかった。
物語がある程度の完結というか、節目を迎えてるのも、なぜか、なぜか!足早感がして悲しい…。
残念である。
CGのクオリティーも凄いし、世界観の再現度も高いのだ。
ただただ「アナザーストーリー」であればと…そうであれば、ここまでファンからソッポ向かれる事もなかったであろうと悔やまれる。
原作にはまだ出てこない、支配者もしくは管理者の存在。
供給されるエネルギー。
洗濯された真っ白なシャツ。
ミュージックボックス。
100年前の記録映像。
どれもこれも要らない。
変化球ではなく、真っ向勝負で原作にぶつかって欲しかった。
そして、車よりやはり馬の方が世界観に余計な先入観を挟ませないと思った。
ちょっと安直な改変に頼り過ぎた感が否めない…残念でしょうがない。
ただ、絵作りは凄まじいんだっ!
技術者は無茶苦茶良い仕事してるんだ。
ホントに、ホントにっ!
裏方が心血注いで闘っている跡が見えるだけに、残念で残念で…。
もっと評価が高く、興行収入も高ければ、日本映画の未来も変わったかもしれない。
そう思えるくらい残念だ……。