「十分に楽しめる映画ではあるけれど」進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド lylycoさんの映画レビュー(感想・評価)
十分に楽しめる映画ではあるけれど
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期待したほど突出したものはなかったかな。巨人エレンvs鎧の巨人とか50m級巨人vs鎧の巨人とかあたりのお祭り的な楽しさがあったからまあ良いんだけどね。
しかしまあ、エレンが格上の鎧を倒す裏付けがジャンとの喧嘩で見せた技みたいな「少年漫画ってこうでしょ」的な演出のダサさとか、白い部屋で語られる世界の秘密の既視感とか、それを助長するエンドロール後の映像の蛇足っぷりとか欠点は多い。ただ、それ自体は、さしたる問題だとは思わない。欠点を補って余りある魅力さえあればそれでいい。問題は、巨人が大暴れする映像のカタルシスだけでは、さすがに数多ある欠点を補いきれてないってことだと思う。
ぼくは紀里谷和明監督の『CASSHERN』が大好きなんだけど、鷺巣詩郎の音楽も手伝ってか、演説的なセリフをガッツリ放り込んでくる感じも含めて端々に近しい印象を持ってしまった。ただ、本作の方があらゆる面で、「過去の成功事例」や「セオリー」への迎合が垣間見えて、正直ヌルいと思わざるを得なかった。シキシマの演説はブライキング・ボスのそれに似て、けれども遠く及ばない。個人的には、小手先のキャッチーさや客に擦り寄るようなわかりやすさをバッサリ捨てて、どうせならもっとアバンギャルドに突っ走って欲しかったなあと思う。
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