「シナリオが雑」バケモノの子 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
シナリオが雑
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くまてつが気持ちのいい人物でよかった。
なぜいきなり鯨の文学に興味を持って、偶然その本を目にしたライバルが鯨のイメージで攻撃を仕掛けるのか、あまりに唐突で雑だった。イノシシなら腑に落ちやすいのではないだろうか。
主人公の親戚の態度があまりにひどい。分かりやすさを優先させた表現だと思うのだが、ひどすぎて雑な感じがする。
主人公のくまてつに対する態度が悪すぎる。意思の強さを感じさせるのだが、あんな態度の子供は大嫌い。立場をわきまえて、最低限の礼節を守った上での生意気さを表現して欲しかった。
主人公の実の父親が何の落ち度も描かれていなかった。単なる善良な人で、お母さんもいい人そうで、それで一体なぜ離婚をしたのか不明だった。だらしないとか浮気性だとか、それでも魅力的だったというような人物像でお父さんを描いてほしい。
約束された特別な人が、約束通り特別恵まれた人生を送るというような話で、全く感動できなかった。元々主人公の能力が高いのも、見ていて他人事という感じがした。
それでいて、くまてつを心に宿しながらその後、剣をにぎることなく、バケモノ界とも離れて生活するような結末だったが、いいのか? リーダーとして活躍すべきじゃないのか。
バケモノの世界では人間は心の闇を抱えている存在だと決めつけているのも不愉快だ。そういう人もたくさんいるとは思うけど、闇を抱えているのはご自身なのではないでしょうか。
くまてつがよかったし、退屈もしなかったけど、面白いとは思えなかった。
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