「タイトルは「バケモノの子」より「心の剣」でしょう?」バケモノの子 dstonyさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルは「バケモノの子」より「心の剣」でしょう?
目頭が熱くなることを期待していたのですが、それは無かったので、個人的には「ふつう」といった作品でした。
ちなみに、細田守監督作品の中で一番好きな「時をかける少女」や前々作「サマーウォーズ」を超える感動もありませんでした。前作の「おおかみこどもの雨と雪」よりは個人的に良かったです。
さて、鑑賞してみてのレビューです。良かった点も多くありますが、それらは他のレビューに任すとして、ここでは私の「?」や「気づいた点」を以下に列記します。
・仮にも次期宗師の座を争う「熊徹」が、たかが人間の子供に教えを乞う展開には「?」でした。修行の旅もダイジェストでは不要だと思いました。
・また、渋谷と渋天街の行き来については、判らないとレビューがありますが、多分「花瓶に活けられた花」がキーワードだと思います。
これから見る方は、少年期の迷っている時に出てくる「花」と、青年期に迷わず行き来するときの「花」との違いを意識してください。私はそこにルールがあると感じました。
・「小学校から学校に行っていない(9歳で家出して、バケモノの世界で暮らしていた)。⇒じゃあ高卒認定資格を取って大学目指して一緒に勉強しよう!」というヒロインとの出会いも「?」でした。
・あと、この手の話での王道でありそうなのが、「主人公が闇に飲まれ、周りが助けたその上で、巨大な敵に立ち向かう・・・」といった展開ですが、ここで「闇に飲まれるのが、一郎彦」である必要が「?」でした。
熊鉄が「心の剣」になることで主人公を助け、巨大な敵(闇に飲まれた一郎彦)に立ち向かうという展開だったのでしょうが、しっくりきませんでした。
・渋天街に迷い込んでからの展開として、<「主人公(九太=蓮)」と共に暮らした「熊鉄」が、猪王山に勝利し宗師になり、それを修行の旅で力を付けた「主人公」が「熊鉄」を超えて見せる。結果、「熊鉄」が「主人公」の「心の剣」になり、ともにバケモノの世界を治め、人間界と調和を果たす・・・。>といったストーリーでもよかったのではと思います。
いろいろ書きましたが、見て損はない作品とは思いますので、ぜひ劇場で鑑賞し、いろいろと感じてください。