あんのレビュー・感想・評価
全192件中、181~192件目を表示
こころの濾過
差別というものを思うとき、頭では理解していても、心底からの許容は難しい。特に形から来る差別というものは、表面的には出てこなかったりして、厄介極まりない。このお話し、ハンセン病に限らず、他のすべての差別にも同じことが言えるだろう。
この作品は、自分の心の中にある差別に対する意識に、ゆっくりと、そして鋭く問いただしてくる。自分自信は差別の気持ちなんか持ってない、と思っているものの、果たしてそうなの?と問いかけ方は優しい。
自然の様々な風景や音、佇まいの中、やりたいことがなにも出来ずに過ごしてきた人生がある。生垣の向こう側に行くことも叶わずにひっそりと生涯を暮す現実がつい最近まで続いていた。
この事実を知らずに差別の話は出来ないのかもしれない。
徳江さんに会いに行った施設。そこで出されたおぜんざい。
千太郎とワカナは、ほとんど躊躇することなく食べた。
・・・だが、もしその場に居たのがぼくだったら、そのおぜんざいを食べることができただろうか??
映画を見終って一日が過ぎたが、頭の中でそのことを繰り返し自問自答している。
河瀨直美監督の豊かな感性や鋭利な問題提起、そこに樹木希林さんの円熟の演技、表現力が合わさって、この映画は最高の出来映えとなっていると思う。これほどあらゆる面で完成度の高い作品はなかなかないと思う。
そして、この作品を見て、悲しい、可哀想、と思うのではなく、自分の心をしっかりときれいにしてくれる映画なんだ、と深く感じることが大事なんだ、と心から思う。
こころを、透明に、純粋なものに濾過してくれる、そんな映画である。
いいんだけど…
『私達には生きる意味があるのよ』
発想が素晴らしい
無知は罪ですね
樹木希林さんの演技に吸い込まれる
ヤバイって‼︎
センチメンタルと切り捨てるか?
観賞後、放心状態が続いた。こんなのは初めて。ハンセン病患者が強いられた人生に自分を重ねたら、この映画、センチメンタルだ、なんて簡単に切り捨てられない。今の常識じゃ語れない、かつての時代の徳江さんの家族の想いを想像すると、言葉に詰まる。そして、まもろうとしてた人にまもられていたとは..。
帰りに原作を買って一気に読んだ。原作もやはり、いい。素直な表現でわかりやすく、読みやすい。映画は原作に忠実な部分が多いが、意外なところが、あっさり、ない。驚いた。監督が容赦なく編集して河瀬作品にした、というのはこういうことか。映画は市井の人々のリアルさや、独特の空気感も味わい深い。見て、よかった。
試写会へ行きました
全192件中、181~192件目を表示