劇場公開日 2015年5月30日

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あんのレビュー・感想・評価

全255件中、1~20件目を表示

5.0チャーミングさは、生き抜いてきた証

2025年6月22日
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鑑賞方法:その他

泣ける

笑える

幸せ

ふと、これはドキュメンタリーだったか?樹木希林さんって、昔、ハンセン病を患っていたのか?と錯覚する。
樹木希林さんの卓越した演技力や、河瀬直美監督独特の演出のなせる技なのだろう。

それにしても、こんなにチャーミングなおばあちゃん、現実にはお目にかかれないので、やっぱりフィクションなんだなぁと思う。桜に手を振る姿が、忘れられない。

ハンセン病はもともと感染力が弱く、戦後間も無く治療薬も手に入るようになり、隔離する必要性はなくなったにもかかわらず、政府の誤った隔離政策や、神経に作用し「見た目」に後遺症が残ることなどから、未だに残る偏見や差別。
そんな社会問題に翻弄された人生を生き抜いてきた老女・徳江(樹木希林)の仕草や言葉は、ユーモラスで、軽い。

どら焼きを食べながら親の不満を言う中学生たちに対して、徳江は「好きなようにすればいいじゃない」「嫌だったら、出て行けばいいじゃない」と笑顔で言い放ち中学生に笑われるが、自由を奪われ続けた彼女の生い立ちを思うと、涙が滲む。
桜の木や、小鳥や小豆に話しかける様子は、あまりに酷い仕打ちをする「人」よりも、自然や小動物に思いを寄せざるを得なかったのかな、と思う。

どら焼き屋で働けることになった時や、接客を許された時などの、徳江の嬉しそうな表情といったら!

隔離され、自由を奪われ、偏見や差別をされ続けた彼女に教わる、生きることの意味。
ずっと大切にしたい作品です。

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prishou

3.5良い映画っぽいけど、なんかもう一歩。

2025年6月21日
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樹木希林の演技によって、この映画が成り立っていると言えるだろう。長くて過酷な人生経験を背負いながら、料理の極意を知っていて、他人にやさしくできる人物という難しい役柄を見事に演じていた。対する、どら焼き屋の主人を演じた永瀬正敏も、過去にいろいろありながら、誠実な人柄の人物をうまく演じていて、さすが。

桜や月のきれいなシーンだけでなく、きれいで映えるアングルが多く、映像は良かった。でも、見終わって、映画全体の印象は、普通レベルを超えるものではなかった。かなり重いテーマを扱っているし、キャラクター設定も良いのに、感動するところまで行かない。終盤の主人公の重要なセリフも、あまり響いてこない。なぜだろう? 河瀬監督との相性が悪いからだろうか。

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p.f.naga

4.5"あん”作りは繊細で大変なのよ

2025年5月6日
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幸せ

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しろくろぱんだ

5.0必修にすべき映画

2025年4月14日
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泣ける

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しゃら

5.0まるで春の優しい木洩れ日のような作品。

2025年3月30日
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悲しい

幸せ

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すけちゃん

5.0いい作品

2025年3月28日
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鑑賞方法:VOD

「あん」が、まさかあのあんこだとは…
プロットはもちろん伏線の貼り方もよかった。
登場人物の背景すべてが見えるわけではないが、絞り込んだのは正解だったかもしれない。
高校へ行くかどうかわからいというワカナ
母とアパートで二人暮らし
寂しさ故に飼ったカナリアも、ペット禁止によって手放さなければならなくなった。
反抗期なのか、母とも少々ぎこちない。
彼女が他の同級生らと度々ドラ春で一緒になるが、特に親しいわけではない。
ワカナはそこに疎外感を持っているわけではなく、単純に寂しいだけなのかもしれない。話し相手が欲しいようだ。
そこに登場した吉井徳江は、ワカナにとってのおばあちゃんのような存在だったのだろう。
年代の離れた者同士の会話は、根本的な部分で明確なつながりを感じるのかもしれない。
「徳江さんと二人で月を見て、その三人で約束した」
この群像が、バス図書館で子供に絵本を読み聞かせるワカナだろう。
ワカナという重要人物が店長仙太郎と徳江をつなぐ役目を担う。
兄妹もいないしおそらく父もいない。
カナリアだけがお話相手 だからカナリアの声を聴く。
重要人物だが、彼女が持っている寂しさのようなものの要因は明確にされないが、中学生のごく一般的なことかもしれない。
吉井徳江
彼女のこぶのある手 曲がったままの指
昔はライ病と呼ばれたハンセン氏病
伝染病として隔離された時代 背景にある優生学
葬り去ろうとしたこの大事件をモチーフにしている。
彼らの願い 「私たちも陽の当たる社会で生きてみたい」
そんな彼女が週一回の散歩に出かけた先で見かけた仙太郎
どら焼きを焼く彼の眼は、悲壮感であふれていた。
そこに見たかつての自分
「垣根の外に出られないと覚悟した時の私の眼」
徳江は最期に、かつての自分を救いたいと思ったのかもしれない。
かつての自分である仙太郎
彼女は、最期に最後の仕事を見つけたのだろう。
この背景の設定があって、徳江のしつこいバイト願いがあった。
そして食べてみたどら焼きのあん 業務用だったことに驚く。
徳江は、おそらくハンセン氏病患者は、人間と話すことを拒まれた所為で、自然に自然と会話することを学んだのだろう。
ちょうど私の祖父母くらいの人が庭先で、誰もいないのに誰かとおしゃべりしているように。
「すべてのものには言葉があると思ってるの」
さて、
冒頭 アパートから出て屋上へ行ってタバコを吸う仙太郎のシーンがある。
薄暗い中に見える満開の桜 それとは対照的な仙太郎の雰囲気
太陽が昇り始め、店を開店させる準備に取り掛かる。
ここまでがアバンタイトルとなる。
仙太郎は生地の準備をするが、あんの準備はしない。
タイトルが「あん」たる所以
業務用と手作りではそれだけ違いがあるのだろう。
徳江のおかげで売り上げは伸び、開店前から行列ができるようになる。
しかし、
徳江の病気のことが噂になって店に客が来なくなった。
このことは徳江自身が一番よくわかっていたのだろう。
聞こえない声を聴くことができる徳江は、静かに去った。
「私たちはこの世を見るために、聴くために生まれてきた。だとしたら、何かになれなくても生きる意味はある」
徳江は仙太郎に手紙を書いた。
小豆の言葉 どうやってここまでやってきたのか その旅の声を聞いてあげること。
そして、最後の仕事はまだ残っているというヒイラギの風の知らせ。
それでもまだ手段は残っている。
仙太郎
喧嘩で相手に傷害を負わせた代償で一生を棒に振ったと思い込んでいる。
借金を肩代わりしてくれたドラ春の先代店主
好きでしている仕事ではないことも重なり、意味のない人生を生きていると思っていた。
母の言葉さえ聞いてあげることができなかった。
そして仙太郎は、徳江の言動に、彼女の手紙に母を見つけたのだろう。
単なるローテーションでしかない毎日
面白さも意味もない。
自作自演
まさに人生とは自作自演
出来事があり、勝手に何かを認識して勝手に落ち込み、または勝手に喜ぶ。
同じ自作自演であれば、喜びにあふれていた方がいい。
出来事に対する感じ方を変えるだけでいいのだ。
徳江は、死んだ母が語りたかったことを運んできた。
徳江は、かつて人生を蔑んでいた自分を許したかった。
物語がこの二人の心の会話によってまとめられるが、ここにワカナの問題を加えるとややこしさになってしまうのだろう。
彼女は最後に満開の桜の中を通学していた。
あれから1年 3月 彼女もまた暗い影を漂わせた人生から卒業するのだろう。
子どもの呼びかけがそれを象徴していた。
さて、、
最後に仙太郎は花見客のいる場所に出店を構えてどら焼きを焼いていた。
裸一貫
いま彼にあるすべての持ち物が、あの出店なのだろう。
母の、徳江の言った「自分のどら焼きを完成させてほしい」という言葉に応え、仙太郎は出直す決心をしたのだ。
あの店はお好み焼き屋になって、オーナーの甥が継いだのだろう。
門出となった満開の桜の下で「どら焼きいかがですか~」と大きな声を出す彼の眼には、もう迷いなどなかった。
とてもいい作品だった。

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R41

4.5いいです。

2025年3月22日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

悲しい

樹木希林、永瀬正敏、二人の会話が実にしみじみ深かった。

永瀬正敏の言葉少なさ。逆に語っているんだよな。

演技って、物語って、語る言葉だけじゃないんだよな。間や表情、空気感、ストーリーの世界観で見る人に推し量らせるんだよ。

ドリアン助川のストーリー良かったと思う。

ハンセン病の教育映画ではないから、ハンセン病について、(差別や隔離政策が過ちだった点など)詳しくは述べていなかったが、ハンセン病を知っているひとには伝わると思います。

ちょっとイマイチ時代が古臭くていつ頃かわかんない感はある。

せっかく塩どら焼きが売れると思ってたら、ドラ息子の手伝いをおしつけれる。中々ハッピーエンドにしないの。

しかし、希望を持たせるエンディング。その先がみたいところ。

人生中々思うようにはいかない。

樹木希林がそのあたりも語っていたな。もう一度みたい。

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新れいすけ

5.02回目もっと泣く

2024年10月4日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

あんこが美味しそうなのはもちろんなんだけど、なんとも虚しくなるような愛おしくなるような余韻がすざまじい作品。
徳江(樹木希林)さんに会いたくて会いたくてあくる日も映画館へ。
ストーリーを知ってから観る2回目は涙の量が半端ない。
始まる前から号泣・嗚咽(やばい)..どうしたん私?!ってなった(笑)
考えさせられるストーリー。忘れない作品。

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小雨

5.0樹木希林、永瀬正敏が

2024年9月11日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

知的

幸せ

抜群にうまい。もはや演技とは思えないぐらいの自然体。樹木希林と共演するということは役者のしての資質が試される機会でもあるのだろう。2人につられ女子高生役もリアルな演技だった。ハンセン病の差別にまっすぐ向き合う監督の眼差しも素晴らしい。風にそよぐ木々を映しながら、この世に生きる意味はあるという樹木希林のラストのカセットテープのシーンは涙無しには見られない。
たまに、こういう良作に出会えるから邦画をみる。

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ブロディー署長

1.5浅い映画

2024年7月5日
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何かある風に見せかけて何も無い。

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ペーニャ

4.0「店長さん、お世話になりました、楽しかったです」 「店長さん、私は...

2024年2月3日
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鑑賞方法:TV地上波

「店長さん、お世話になりました、楽しかったです」
「店長さん、私は大丈夫よ」
この映画の全てがこのシーンに詰まってる
徳江さんの感謝、気遣い、優しさ、思いやり、寂しさ
千太郎のやるせなさ、ふがいなさ、感謝、寂しさ、己の無力さ
このシーンを観るためだけにこの映画を観る価値は十分ある3回見直して3回泣いた
樹木希林さんのこれは演技じゃない自然すぎる
監督がいいのか原作がいいのか樹木さんがいいのか分からないけどすごい
久しぶりに当たりだった観て良かった

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コルチゾるくん

3.0悲しい病気

2024年1月1日
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プライア

5.0移りゆく季節のなか、忘れえぬ人がいた慕情

2023年4月6日
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鑑賞方法:VOD

ハンセン病と言う重い題材でしたが、日々の生活のなかで当たり前にあることが
幸せであることに気付かされました。
徳江さんが若い時代に病で隔離されたときとどら焼き屋の店にいた中学生のワカナさんが
同じ眼、悲しい瞳でいたこと。
どら焼き屋の千太郎さんを自分の息子のように思っていたこと。
自然の草木や生き物に言霊があるように
言葉を語っていたこと。
虫の知らせがあったように、千太郎さんとワカナさんが施設に駆け付けたこと。
徳江さんが遺していった大事なものがそこにありました。
どら焼きのあんを美味しく食べられる小さな幸せを感じることが出来ました。
徳江さんが懸命に生きたように、桜の木が
しっかりと地面に根付いて花びらが舞っていました。

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美紅

2.5あんが繋げた縁

2023年1月20日
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千太郎のバックグラウンドが
最後の方で明かされるので、
なんとなく闇を抱えている
んだろうなとわかる。
とくえとの日々で何か心が
洗われたんだなとわかる。
千太郎の自分の無力感を痛感するが、
それもそれほど主張させず静かに
物語が進む。
時間経過を四季の移り変わりで
表現しているのがおしゃれですね。

最後のシーンはとくえへの
メッセージと同時に自分の道を
見つけたんだと思います。

らい病、ハンセン病の必然性が
あるんだろうか。それほど深く
掘り下げてもいないし、
千太郎の客に重い障がいを
あたえてしまったくらいしか
リンクしないし。

らい予防法も廃止され、
治療薬も開発され治る病でも
世間の理解がないままの現状を
描いた結果、
暗い映画になってしまった。

もっと前向きな明るい物語に
したほうが良かったような。

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to

5.0切なくとも人間にとって何が大切かを教えてくれる。 重さがなく自然に...

2022年6月29日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

切なくとも人間にとって何が大切かを教えてくれる。
重さがなく自然に伝わってくる感じがよかった。
時折流れる自然の景色、街並みの映像や音が、さらに心情をより伝えてくれている気がする。
そして、樹木希林の自然体の演技に和み、すごさに泣けた。
永瀬正敏の心に闇を抱えた目から希望の光が射した目に変化した表情は良い表情だったなぁ。
切なさの中に優しさがあって、生きる力や勇気をくれる、じんわりとした良い映画でした。

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よっしー

4.0樹木希林、素晴らしい😃

2022年6月16日
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泣ける

難しい

感動しました。
しみじみ。

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タモン

4.0餡はねぇっ!気持ちなのよ!

2022年5月26日
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鑑賞方法:VOD

怖い

難しい

幸せ

内容は、主人公の問題を抱えてる中年男とふと春の訪れと共に訪れた、おばあさんとのどら焼きを通じた心のふれあい物語。好きな言葉は『どっちが好み?私ねぇ、季節を間違えちゃったのよねー』そんな言葉で初夏の日差しの下で手渡す手編みの座布団。何時も突然別れが訪れる世間と自分の死が間近にある自分自身を直視し、ひたすら自分の生きた証として人の為に尽くしたい。そんな言葉には表し難い切ない気持ちが、胸を深くえぐりました。明日は本当に無いのかもしれないと思う気持ちはどんな感じなのだろう。この物語は結構好きで劇中に出てくる『いのちの初夜』や原作『あん』ドリアン助川著も目を通しました。ハンセン病患者との壮絶な歴史は何も言えない衝撃を受けました。毎年12月に行われる講演会にも伺った事もあり、『舌筆👅🖌』の話が印象に残りました。舌筆とは、ハンセン病が進行し手足指先が腐り落ちて目も見えずあらゆる感覚が削ぎ落とされ最後に残る感覚が舌先だけであり舌先で点字を読んでコミュニケーションをとるので、せめてもの安らぎとして甘い物を大切にし、それが餡子であり『あん』だったという事が分かり余計に胸が締め付けられ共感には遠く及ばない思いがしました。物語は日差しと共に主人公の成長で終わりカタルシスの解放が感じられ見応えのある作品だった様に感じました。

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コバヤシマル

4.0「生きる意味」を教えてくれる静かな感動映画でした🈵

2022年5月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

幸せ

桜の季節から始まり、四季の移ろいとともに、静かにゆっくりと物語が展開していく。

主人公の永瀬正敏、樹木希林そして中学生のワカナちゃん、それぞれに束縛された事情を抱えている。

辛く長い間、自由を奪われて陽の当たらない生活を強いられてきた樹木希林役の徳江には、耳を澄ませば自然の声が聴こえて来るという。

その声を頼りに出会った永瀬正敏役の千太郎とワカナちゃん。

樹木希林の一言、一言が深く重みをもって心に響いてくる。

どんな状況で生まれてこようとも、この世界を見ることに、この世界の声を聴くことに、生きる意味があるんだというようなことを、さらりと語る樹木希林の言葉は、とても印象に残りました。

いずれにせよ、この映画は、樹木希林の遺言のような、とても感慨深い映画だなと思います🈵

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LEOWORLD

4.5穏やかな美がズドンとくる

2022年5月6日
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鑑賞方法:VOD

樹木希林はもちろんだが永瀬正敏も良かった。
耐え忍びながらも動くことが大事なんだと
学んだ。

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あつ♪

5.0かつて経験したことの無い涙

2022年3月24日
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鑑賞方法:VOD

この映画を観るまでどんな手法で泣かしてくれるのか・・・そんなことばかり考えていた‼️しかしこの映画は今まで観てきたどの映画にも属さず、カタルシスでも無い涙が流れ出る❗この涙は一体何処から流れる涙なのか見当も付かないのだ‼️

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mark108hello