あんのレビュー・感想・評価
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自然体
美しく感慨深い作品
あんの声
やっとこさレンタル!
首を長~くして待ってました!
本当は劇場で観たかったけど地元では上映されず。隣町の映画館では上映されたものの、「駆込み女と駆出し男」とどっちを観ようと迷い、あちらを選び、レンタルになるまで待とうと泣く泣く断念。
近年半年もしないでレンタルになるのに、年をまたいで10ヶ月。長いよ~!
でも、待ってた甲斐があった!
こういう良質感動邦画が好物の自分にとって、極上のご馳走!
去年中に観てたら、間違いなく年間myベストテン入り!
しがないどら焼き屋を営む千太郎の前に一人の老女・徳江が現れ、働きたいと申し出る。最初は断るが、徳江は50年もあんを作ってきた名人。千太郎もその味に魅了され雇うや否や、店は大繁盛。が、徳江のある秘密が噂になり、店を去る…。
徳江の秘密は別にネタバレでもないし、作品の肝でもあるので記す。
徳江はハンセン病患者だった。
まず、ハンセン病について知っておかないといけない。
かく言う自分も「砂の器」や「もののけ姫」などで何となく知ってる程度なので、Wikipediaで調べたものを抜粋すると…
らい病とも呼ばれる感染症。かつては不治の病と言われたが、今では治療法もあり、近年の日本国内での新規患者数は年間0~1人程度。見た目から差別・偏見の対象となり、強制隔離もされた。
徳江がどんな人生を送ってきたか、想像するしかない。
が、どら焼き屋で働き始めた嬉しそうな顔がそれを物語る。
初めて触れた自由、生きる楽しさ、一人の人間としての尊厳。
徳江はあんを作る時、あんに話しかける。
あんの声、あんが歩んできた道に耳を傾ける。
それは徳江自身にも言える。
私たちにも声がある。自由がある。
それを聞いてほしい。
奪わないでほしい、と。
言うまでもなく、樹木希林が巧い。
彼女特有のちょっととぼけたお茶目さ、自分の祖母を思い出してしまうようなお節介焼き、子供のような愛らしさ。そして、悲しみを内面に滲ませる。
この人が下手だった事など、今まで一度だってあっただろうか。
役への憑依、作品に溶け込む佇まい、存在感…この人の演技の素晴らしさをどう表していいか、言葉さえ見つからない。
永瀬正敏も好演。
演じた千太郎も、実はあるものを背負っている。
世間からひっそりと生きている点は徳江と同じ。
不器用・無愛想だけど徳江への理解ある優しさ、葛藤、終盤の涙は胸を打つ。
店の常連客である女子中学生に樹木希林の実孫娘の内田伽羅、一服の清涼剤。
小豆を水に浸す所から始まるあん作り。
手間暇かけて出来上がったあんが何と美味しそう。
あのどら焼きが食べたい。
ハンセン病は影を潜めた。
が、差別・偏見は残っている。
差別・偏見こそ今尚人々を蝕む不治の病。
他者の尊厳を傷つける時、無知はそのまま罪となる
ドリアン助川の作品が発表されたのは2013年、そんな昔ではないけれど、この頃でもまだハンセン氏病に対する差別的感覚は残っていたのかな?
普通に生きたかったハンセン病患者、徳江。逝ってしまった彼女のかつての部屋は、失ったというよりも奪われたものたちへの想いがこもっているように見えた。そして自分の作ったどら焼きを美味しそうに食べる少女たちを見る彼女の目はそれは嬉しげに光っていた。奪われてばかりの人生で、与える喜びを見出せたこと。それがどれほど彼女の自尊心を力づけたことか。
自分の家の墓へ埋葬を拒否されることの多かったハンセン病患者は、療養所の中に自分たちの墓地を作った。納骨堂とは別に想い出のための木を植えた。失われた命の代わりに新しい命を作り出そうとでもするかのように。それは、現世で得られるもののほとんどなかった人々が、来世にこそ歓びを得ようとするために、渡す梯子の意味を込めたものだったのかもしれない。
素晴らしい演者たちによる、どら焼き屋さん奮闘記!のはずが、タブーを...
あん
樹木希林さん、名女優
心にしみる物語
しみじみ心に届きます。
ハンセン病、知らない世界でした。その病気ゆえに、隔離され、その中で生活していた主人公。外の世界で働き、まわりの人とのふれあいが、嬉しかったでしょう。樹木希林さんがの、ほのぼのした優しさが光っています。
どら焼きが食べたくなる
単館系だったので、一番近くの映画館を探して観ました。
が、最近になってもっと近所の映画館で上映されていた。
公開からはだいぶ経っているので、上映館が広がってるのはいいですね。
もともと、お料理が美味しそうな映画というのが好きで
「あん」はタイトルからして和菓子屋さんの話なのかな?
キャストも好きな感じだし、期待できそう、という動機でした。
映画を実際観たら「ハンセン病」という病気について
その患者さんがどういう扱いを受けてきたのかなど
ちょっと重たい設定も見えてきます。
人としての幸せって、と考えさせられる映画でした。
俳優陣はみんなとても上手で、自然で、自分もその町にいるような感覚で観ていくことができます。
伽羅ちゃんがナチュラルでこれだけ大きな役をこなしているのが凄いなと。
映像もすごく綺麗でしたし、役者の自然な空気感もよかった。
お話ももちろん。
切なくて胸がぎゅっと掴まれるような苦しさもあって
だけどきっと、徳江さんは幸せだったに違いないと思える
本当に素敵な作品でした。
どら焼きがとてつもなく魅力的に感じて
しばらくいろんなお店のどら焼きを食べて回りました。
永瀬くんが泣くシーンはたいてい自分も泣いていました。
印象の選択肢に「切ない」がないのが残念。
小豆と桜、こんなにも美しい。
俳優たちの演技に魅了された
樹木希林も良かったけど、永瀬正敏のあの雰囲気がなんともいえない。
よかった。
全体的には、期待ほどではなかった。
生きるということを考えさせられましたが・・・
ハンセン病のあたりが微妙な触れ具合で、ちょっと
個人的には集中途切れるところでした。
俳優さんたちの演技は最高でした。
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