あんのレビュー・感想・評価
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無意識のうちの偏見
小豆の声を聴きながら、
大事にあんこを炊いて、
嬉しそうにどら焼きを頬張る徳江さんの姿が
ずっとこころに温かく残ります
無知ゆえの噂が
ひとりの人生を壊してしまうのは
やるせないですね
「らいらしいから、辞めさせて」
と言いに来た浅田美代子さん、
「ほんとう嫌な奴・・」
と思ってみてましたが、
現実では、こういう対応をする人が大半なのでは、、
とふと思いました
しかも、無意識に、悪気なく。
偏見や差別を生むのは、
「自分を守りたい、自分は違う」
という保守的な感情で、
いい人、悪い人の問題ではないのかと
だからこそ、
誤った情報と正しい情報を選別できる人間にならなくては、、
樹木希林が凄い
タイトル通りの感想につきる。
監督の撮り方は女性的で素人っぽかった。狙いだとしたら吉と出たかどうか・・
風景にしてももっと綺麗な撮り方ができなかったかなぁと感じた。
その分の0.5減点。
しかし樹木希林の芝居が全ての粗を消してくれた。
徳江さんがあまりに無邪気で愛らしくて優しくて
店長にあんの作り方をおしえてるときから涙が止まらない。
何の涙か分からないが止まらない。
鼻水も出てきてわけわからない。
その先を知ってたからだと思うけど、にしても樹木希林の芝居が良すぎる。
勘弁してくれと言いたいくらい。
あんな芝居する人世界のどこ探してもいないと思う。
施設で再会した時の徳江さんの「楽しかったぁ」で涙腺崩壊でした。
観終わった後の徳江ロスがひどいです。
樹木希林がバラエティかなんかで現実とのギャップでも見せてくれたらロスから解放されるかもしれないがそれも叶わない今、当分ロスから抜け出せそうにない。
それだけ樹木希林の芝居は残る。
観てよかったのか?と自問するくらいです。
申し訳ないが、心には刺さらなかった。
題材は良いと思うし、樹木希林や永瀬正敏の演技もよかったが、内田伽羅の演技がどうも表情に乏しく、声の抑揚含めた表現力がなく、言葉を選ばずに言うと、棒読みであった。周りの演技が良いだけに、内田伽羅のパートになると、撮影している感がつよくなって、引いてしまった。
ああ、おばあちゃんと演技しているのね。という感じ。
題材はいいので、コネなんか使わずに、表現力で人選してほしかったという点で残念です。
人生の最大の輝かしい時間
随分以前に映画館で鑑賞して結構感動したのに、
なんでかレビューを書かずにいました。
他のレビュアーさんの感想を読んで
ああ、そうそう!!と思い出した次第。
映画の記憶はかなり薄くはなっているのですが
印象に残っているのは
樹木希林さん演じる徳江さんが本当に楽しそうに
餡子を炊いていたこと。
物語の後半、同じ隔離施設の
市原悦子の演じる友人が語る徳江さんの半生が
胸に迫って来る。
狭い施設の中で時々は餡子を炊いて
周りの友人達はきっと喜んでくれたのだろうけど
自分のできる最大の特技をやはり施設の外でも
試してみたい!と思うのはとても自然な事。
あの短い時間は徳江さんの人生の
唯一の輝かしい日々だったのかも(涙)
徳江さんの生きる喜びや張り合いを奪ってしまう
一般人の「無知」による「差別」の
なんと恐ろしく罪深いことか~~。
ぜひ、ご覧になって下さい。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
色んな方のレビューを読んで
中身がないとか、話は退屈とか、お涙頂戴とか
書いてる人がいて、そこは個人の感想ですから
私なんかが文句を言う筋合いでは無いけど
ちょうどコロナに全国民が苦しんでいる今、
コロナに罹った人々がその後、
社会から差別を受けたとしたらどう思うのだろうか?
本人の責任でもないのに病気にかかったというだけで
人生の大半を限られた空間に閉じ込められて
子供を持つことも許されず、職業の自由も無く
死ぬまでそこだけで暮らさなければならないとしたら?
そういう想像力と共感力は失いたくないですね。
どら焼き
魂が手をつないでいるよう。
自由を楽しむ
最初は永瀬正敏が何か凄い過去抱えているのだろうなと思いながら観ていたけど、まさか希林さんの方が壮絶な経験をされていたとは!収容所とか刑務所にいる様な生活だったのだろうね。
店長は自分で招いた過去、希林さんは自分ではどうしようもなかった過去。対照的だけど希林さんの鋭い五感、母性が息子のような年齢の店長を元気づけたいどうにかして助けたいと思ったのだろうね。どら焼き作りを通してみんなが幸せになれて良かった。時々笑えるようなセリフがあるのだけど全て不発に終わる感じ。希林さんの友人浅田美代子は嫌な役柄だった。お孫さんは初々しくてそれがいい感じでした。日本語だけじゃない生活をしているのかな?
無知はなんて愚かな事
このどら焼きを食べたくて仕方ない
樹木希林と永瀬正敏の演技がすごい。。演技を超えてるというか、魂のまま(良心のまま)に演じればこうなるのかなと思った。
浅田美代子はこの役やるのも嫌だったんじゃないのかな?てくらい憎い役だわ!今どきこんな差別だらけの無知な人いるかな…。
「よく分からないけど」と主観で差別を押し付ける。無知、それが差別意識の根源!勉強すればハンセン病は何も恐れることは無いと分かるのに。療養所の近辺ににこんな無知な住人居るのかな。
全生園は看護学生の頃に授業の一環で訪ねたことがある。映画の随所に緑豊かな全生園の風景が散りばめられており懐かしかった。本当に空気の透明な楽園のような所。桜の時期に花見に行きたいな…
最後の「どら焼きいかがですか」は徳江さんに呼びかけていると思う。
人の優しさと怖さを感じる作品
圧巻の演技、泣けます
お婆ちゃん
「私達はこの世を見る為に、聞く為に、生まれてきた。この世は、それだけを望んでいた。…だとすれば、何かになれなくても、私達には生きる意味があるのよ。」
樹木希林のメッセージ、遅ればせながら受け取りました。
映画ってやっぱり素晴らしい。
ハンセン病というものがあって、隔離されていた、というのは聞いたことはある。
ただ、96年て、最近じゃん。
なんだか昔のことと思って無関心に過ごしてきたが、そういうことに気づかせてくれる。
それだけでなく、きちんと生き方のヒントも与えてくれる。
この世は確かに生きにくいけれど、周りの事物に目を向ける、耳を傾ける。
そのくらいのことはできる。
それに意味があると考えられれば、そんなに難しいことではないと。
昼間の月に気づくこともなく過ごして来たが、ちょっと空を見上げてみよう。
お婆ちゃんを演じられる人が、絶えてしまった。
日本最後のお婆ちゃん女優のメッセージ、受け取りました。
なんでだろう、意味なく、涙が枯れるほど、泣いたんだよ!
やっと観ました。
もう2年近くになるんですね、樹木希林さんが亡くなってから。市原悦子さんも昨年初めころでしたっけ?!
本当にいい女優さんを失いましたね、日本映画界は。
追悼上映として映画館で再上映された際、不覚にも何か見たい映画と重なって見落としてましたし、できることなら映画館で、と思ってましたがそれが逆に災いしてTV放映もスルーしてしまいやっとVODで観ることができました。
「店長さん、美味しい時は笑うんですよ!」店長とともに涙してしまいました。
徳江さん(樹木希林さん)のセリフ
「私たちはこの世を見るために、聞くために生まれてきた。だとすれば、何かになれなくても、私たちには生きる意味があるのよ」深い言葉です。
ここ最近の自粛警察ではないですが、人間の中に巣食う黒い心、
どら焼き屋の経営者の奥さん(浅田美代子さん)が発する「よく知らないけど、らいらしいわよ」のような何気なく出てくる偏見や差別が今のご時世においてとても胸が痛み考えさせられます。
感動とはまた違った感覚ですが心震えるような素敵な映画でした。
色々と深い想いはありますが、何しろ樹木希林さん、永瀬正敏さんが役柄ではなくそのままのドキュメントのごとく感じてきました。
それくらいお二人の演技が素晴らしいということの証明なんでしょうね。
『日日是好日』でも淡々と進むお話の流れに逆に感銘を受けたこと思い出しました。
なんだかすさんだ心持ちになりがちな今日この頃、多くの方に観てほしいと心から思いました。
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