サンドラの週末のレビュー・感想・評価
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労働基準法と言う法律はこの日本にもある。
この映画は少なくともベルギーではあり得ない話である。日本の架空の殺●法『PLAN75法』と同じだ。架空の出来事で人工の不幸を作り、それにあえぐ姿をもっともらしく演じさせる
こんな事は野蛮な日本でも滅多なことで起こらない。(アメリカは知らない)
労働基準法と言う法律はこの日本にもある。
ベルギーは立憲君主制かもしれないが、日本よりも遥かに立派な歴史のある民主主義の国家。故に、社会主義国で無くとも、会社の横暴を一方的に認める国ではない。従って、この話は演出家が映画賞を意識して作ったストーリーであり、ベルギー人からすれば、自虐的な歴史感だと判断する。
こう言った話を鵜呑みにしていると、政治はそれを利用して『難民の排除』と言った形で、右傾化していく。
また、
あえて、もう一つの欠点は同じ事の繰り返しで疲れる。
補足
精神的な疾患と言っても、解雇など直ぐに出来ない。『正規雇用』ではなく『臨時雇用』であっても、労働協約が伴った労働組合がベルギーには絶対的にある。その点が日本がベルギーよりも野蛮な所。もし、組合が無くて、そんな目に合う人がいれば、日本では、行政に訴えよう。
年齢が来て合法的に解雇された経験がある。(つまり、定年って言う事)これから、日本を担う若者にはブラック企業に騙されないでもらいたい。
僕はコミュニストてはない。
他人事ではないのだがはたして?
会社に復帰したいが、仲間のボーナスが帳消しにされる。説得に頑張る主人公、という話でしかないのか?シンプルすぎるストーリーと全般に流れる鬱々とした気分。そもそも彼女はまだ全然完治していない。ODまでやっちゃうんだから。そこはスルーしてないか?復職は全く早すぎると思うし、周りもそこをスルーするなよと、結果とかどうでも良くなって主人公の危うさばかり漂う不思議な映画だった。
サンドラの週末は明けた
もし自分が同じ立場だったら?…と、思わずにはいられない。
病気療養から復職しようとした矢先、突然解雇通告が。
理由は、従業員に支給されるボーナス分、誰か一人をクビにしなければならない。
そこで、暫く休んでいた自分が。しかも、一人クビにしても仕事は回る。
社長に掛け合い、すぐの解雇は無くなったが、同僚たちによる投票が週明けに行われる事に。
復職か、ボーナスか。
復職に投票してくれるよう、サンドラは週末をかけて同僚たちを訪ね歩く…。
何とも納得出来ない。
何で自分が?
何で同僚たちのボーナスの為にクビにならなければならない?
自分にだって生活がある。お金が必要。
休んで働けなかった分、生活は厳しい。
休んだ分、働いて稼がねばならないのに…!
しかしそれは、同僚たちとて同じ。
皆、生活は厳しい。
ボーナスを期待してる。それを当てにしている。
それがないと生活出来ない。
だから訪ね頼んでいる時、誰も邪険にはしない。
一人二人は居たかもしれないが、「ふざけるな!」「帰れ!」「お前の生活なんかよりこっちの生活の方が大事なんだ!」とはあからさまに言わない。
皆、同情している。気持ちは分かる。
でも…。
やはりどうしても、自分の生活の方が…。
訪ね歩き、頼み込み、自分に投票してくれる同僚たちが何人か。
分かってくれた。
週明けの投票の結果は…。
話は本当にそれだけ。
訪ね歩いて頼み込んで、同じ事を話す。
地味ではあるが、他人事ではないヒロインの命運が懸かっており、なかなか惹き付けられる。
ちょっと苦手意識のあったダルデンヌ兄弟監督の作品の中でも、これまでで最もすんなり見れた。
断れても断れても、諦めず、タフなヒロイン…ではない。
ショックの余り泣き出す事も。
マリオン・コティヤールの複雑な演技と、言うまでもなく美貌が光る。
さて、投票の結果は…。
これを受けて、社長から思わぬ話が。
が、誰かが自分と同じになるのなら…。
結末は賛否分かれそう。これで良かったのか、悪かったのか。
しかし、サンドラの週末は明けた。
声掛けを絶やさない夫の存在が良かった!!
ファンタジーやSFも良いですがやはり現実の仕事に根差した物語が面白いと改めて思わせる映画でした。問題解決に直接介入はしませんが妻への声掛けを絶やさない夫の存在が印象的でした。しかし良く考えてみると、メンタルが弱く薬物依存で休職・失職し、大勢の人を巻き込んで復職した上に「やっぱりやめる」と幕引きをした主人公に観客も振り回されただけでがっかりしました。
うーむ少し分かりづらい
マリオンコティヤールは凄く素敵でした。
映画は、よくわからないスタートを切る。
そこから何度も分かるような分からないような切羽詰まったシーンがくる。
でも、社長と会った後のマリオンコティヤールの演技は素晴らしかった!
君と歩く世界から好きな女優さんですが、やはり今回も見て良かったかも(^_^)
人間の変化に感動
ルック △
シナリオ ◯
アクター◯
デプス◯
ラスト◯
オススメ △
人間はお金か...と最初は思わされた。けど次第に何かを守るためにお金が必要で仕方ないのか、と考えさせられ、家族の危機を脅かしてでも、仲間を選び、仲間を助ける選択をしたが、ラスト主人公の変化にはしびれましたね!感動した。
どういう心境で見るべきなのか…
厳しいこと言いますが、まだ働けるような状態じゃないと思いました。
海外の勤務のシステムもよくわかりませんが、いろんな状況見ても解雇は仕方ないかと。。。
そして、もうちょっと上手く説得しろよって。
なんかイマイチ応援できなくて、ごめんなさい笑
作品全体的にテンポもあまり好きではなかったです。
応援してる
サンドラ、うつ病で療養していたのか。
映画を観終わってレビューを読むまで
気が付かなかった。
映画の構成は派手な演出や感情の激しいぶつかり合いなどなく
静かで、地味です。でも観れる。
まず思うのが、解雇を通知されて、しかもそれが同僚たちが
投票した結果であると知り、それでも自身の生活のためとはいえ
再投票の時に自分に投票してと説得して回れるのが凄い。
私なら、そのまま辞めて退職金貰って仕事探そうって思う。
ちゃんと仕事がある協力的な旦那さんがいて、
家のローンとかあるとは言ってたけど、凄く苦しい経済状況には見えなかったし。
そんな中、周りの助けを借りながらではあるものの、
うつ病である(だった?)サンドラが戦っていく様は
静かだけど、とても勇気のいることをしてたと思う。
もし投票で過半数を集めて職場に残ることになれば
他の同僚とは以前のようにはいかないはず。
それも覚悟で自分の主張を通すことを選択したんだから。
そして、サンドラが説得しに来た時の、
同僚たちの対応も、民度が高いフランス(この映画の中では)らしいと思った。
まず、サンドラに投票する。と約束した人は、
結果的にちゃんと投票していたし、
自分の生活があるからボーナスに投票するという人も
正直にそれを本人に言えていた。
日本人だとこうはいかない気がしてならない。。。
それぞれの公的生活事情を織り交ぜながらも、
ドロドロ・ギスギスした感じはそこまでなく、
あくまでそれぞれに生活があるからという感じ。
この距離感というか、他者との関わり方が良かった。
話はずれましたが、ラストで、サンドラが電話で
これから再スタートよって言って歩いてるのを観て
応援したくならない人はいないと思った。
仕事は失ったけど、何か大切で確かなものを
手に入れられたように終えるのが良かった。
仕事がんばろうと思った
主人公はサンドラって女の人なの。どうも工場の経営が苦しいらしくて「サンドラを解雇するか、ボーナスを支払うかのどちらか」で従業員に投票させるらしく、その投票日が月曜日なの。
だから「私を解雇しない方に投票して」って週末説得して回る話。
オープニングがサンドラの寝てるところからなんだけど、寝顔が可愛いんだよ。電話で起こされて「あ、いま子供たちのおやつ作ってたから、ちょっと待ってて」ってオーブン止めるんだけど、このオープニングでサンドラ応援する気になるね。
サンドラ最初は「もう駄目だ、解雇だ」って落ち込むんだけど、旦那さんが応援すんの。「大丈夫。みんなに合って話をするんだ」って。全編通じてそうでね、サンドラが「もうダメー!」で旦那さんが「がんばろう」っていう。
それで説得はじめるとね、最初の一人が電話で落ちるの。ここがうまいなあと思った。一人目の説得に失敗したら、がんばって同僚に会いに行けないしね。
あとは賛否様々になるんだけど、対話が面白かった。お互いの主張をちゃんと言ってね、それで「悪く思わないでくれ」「解るわ」って別れんの。互いの主張の食い違いが、感情的対立にならないんだよね。さすが民主主義発祥の国。
それとね、対話が「ボンジュール」で始まって「メルシー」で終わんだけど、そのプロトコルがしっかりしてんなと思った。日本だと、ここまで様式化されてないかな。
3〜4人みたところで「もう説得シーン飽きたわ」と思うんだけど、その辺から色んなバリエーション出てきてね。面白い。
最後はどうなる!?っていう月曜日の投票なんだけど、ここのラストはフランス映画っぽいなあと思った。
まあいずれにせよ。経営が苦しくて「サンドラか?ボーナスか?」の二択になるのは理解するけど、それ決めんのは経営者だよね。その辛い決断を従業員に押し付けたら駄目だわ。そんな経営者のやってる工場だから、遠からず経営かしがると思ったよ。
あとこの映画、画がすごい綺麗なの。フランスの光で撮るとこうなんのかな。オープニングも寝顔もさることながら、色合いすごい良かった。
構図も面白くて、サンドラと対話するシーンでは、二人の境目に背景の境目ももってきてたりね。それで対立が際立つ感じ。だから背景に境目なくなったら合意なんだね。
それから一人ひとり説得してくシーンではちょっと《十二人の怒れる男》を思い出したよ。
1,000ユーロ=凡そ14万円
サンドラがこぼした涙より、映画を観ていた私がこぼした涙のほうが、多分多かったくらい、目から水が流れ出て大変でした。
相手にとって何の得もないことを、お願いして回るストレスたるや、という想像と、
自分の収入・生活を守るために、同僚を切り捨てるストレスも大きいだろうな、という想像と、
そんな中で、ボーナスよりも同僚を選んでくれた賛同者の思いを想像し、ほとんどずっと泣きながら見ていました。
サンドラの夫は素敵な人だね。仲良くやりなね。
うつ病のつらさ、どういう症状で苦しむのかについて、いくつかの物語で触れてはいるけれど、やっぱりわたしにはよくわかってない。
でも症状は回復してやっと復職できると思った矢先に、解雇が決まったっていわれたら、ブロザックのんじゃうのも分からなくはない。鑑賞前に、サンドラがうじうじしていていらつくと聞いていて、そう思えたらいやだなと思っていたけど、わたしは全く気にならなかった。というか、うじうじしながらよく頑張ったと思う。
サンドラの復職かボーナスのどちらかを選べという選択を同僚にさせた社長がよくないけど、経営者としての苦悩もあるでしょう。休職中に16人で回せることが分かったのに、復職させるメリットないでしょと言った同僚がいましたが、それも正論です。17人で余裕をもって回すよりも、残業代を貰いながら16人で回す方を選びたい同僚の気持ちも分かります。社長と主任がまあ悪者といえばそうですが、べつに彼らがとても間違っているとも思えない。それはサンドラも分かっていたと思います。
世界は自分にいつでもフェアではない。だから理不尽は起きる。現在のこの地域(フランスでいいのですよね?)の経済状況では珍しくないこと。では、その理不尽が降りかかってきたときにあなたはどうするのか。
その問いに、サンドラがどう立ち向かったかということがテーマなのだと思います。
彼女は自分の主張をしました。うじうじしながら、励ましてもらいながら、負け戦かもしれないけど自分の主張をしました。
結果、負けましたが善戦しました。
うなだれて帰ろうとするサンドラに、社長はボーナスも払うし、サンドラも復職させるといいました。
その詳細は、代わりに正社員じゃない2名を契約期間が来たら更新せず、サンドラを復職させる、というプランでした。その契約更新してもらえないうちの一人はサンドラに賛成票を投じてくれた(おそらく移民の)若者でした。
サンドラは、その申し出を断りました。誰かの失業と引き換えならば復職しなくてよいと。そして毅然と帰って行ったのでした。
おそらく、自分のためにボーナスをあきらめてくれた彼を失業させたくなかったのだと思います。
サンドラの最後の選択の良し悪しを判断することはしません。
ただ、彼女は全然後悔しないだろうなと思いました。その姿に私は感動しました。
よかった
うつ病の主人公の話は苦手だな~と思って見ていたのだが、次第に彼女の頑張りにすっかり応援したい気持ちになった。相手にとって何の得もないことをお願いして回ることは相当なストレスだろう。
自分も漫画連載が終わって2巻まで発売されているのに、その売り上げが悲惨すぎるせいで3巻が発売される予定がない。出版社としては商売でやっているので赤字が確定している状況で3巻を出しても意味がない。しかし、2巻まで買ってくださっている読者さんをないがしろにしていいのかという問題もある。自分としてはどう交渉したらいいのか分からず、何もしないまま時間が経過している。一応言うだけでも何か方策を伝えるべきであることは分かっている。この映画で、サンドラが何もしないまま月曜日を迎えていたら、ただ解雇されてボーナスが支給されただけだったろう。投票は過半数に及ばなかったにせよ、社長や班長みたな人に一矢むくいることができたし、それ以上にサンドラのあの胸を張って会社を出ていく姿が素晴らしかった。自分もメールを1通出すだけでも何か行動を起こそうと強く思った。そんな背中を押してくれる映画だった。
地味だけどリアル
旦那さんが超絶いい人。
この人なくしてこの映画は成立しない。
そんないい旦那さんにサンドラが
離婚を切り出した時は
はぁ?と思いました。
同僚にボーナスか自分の復職かを
選んでもらうという地味な映画。
日本人ならボーナス選ぶ人が
多いんじゃないかなぁと思って観た。
ボーナスを諦めて自分の復職に投票して、
なんてわたしは絶対言えない。
絶対諦めて次の職場を探す。
サンドラも諦めかけるけど、
旦那が背中を押すどころか
手を引いてくれる。
サンドラの精神不安定なところや
この件を巡って
主人と別れてしまう同僚もいたりして、
地味なわりにひっちゃかめっちゃか。
でもリアルに近い映画だと思う。
人間なんてこんなもん、
情に熱い人間もいれば薄情なやつもいる。
日本人のもっと薄情で
無気力バージョンを観たい。
完全ネタバレ注意
完全ネタバレしているので注意して下さいm(__)m
映画冒頭で同僚に促され、社長と対面するサンドラだが。緊張してしまったからなのか、彼女は自分の意見を社長に伝える事が全く出来ない。
同僚のおかげで、再投票の約束を取り付けるのだが。自分の為に職場の雰囲気が悪くなる事や、一人一人の生活事情等は同僚だけに知っている為か、なかなか重い腰が上がらない。
何とか同僚達に会いに行く週末が始まるのだが。ドア越しや道端で、同僚達と顔を会わす度に何となくバツが悪く、お互いに戸惑いの表情を浮かべてしまう。
金を取るか、情けを取るかの決断を迫られる。
それでも何人かは自分の生活事情をハッキリと口にする。
それには彼女も理解を示す。
そして何人かは、自分の意見をしっかりと口にしなかった事を気にしてか、後悔の念を口にする。
これがハリウッド映画なら。支持を取り付けた時には、同行している旦那に喜びの余り抱き着く等の行動を取るだろうし。反対の立場を言われた時には車の中で泣き:叫び:ドア等を叩く等、激しく喜怒哀楽な表情を描く事だろう。
しかし、この作品がハリウッド映画と決定的に違うのは。その様なオーバーな仕草は一切させず、支持を取り付けた時にはちょっとした微笑みを。
駄目だった時には、車の中で背中越しにうなだれる彼女を。
家族で外食の時には、「子供の前では泣けない」と、そっと店の裏で泣いてしまったり…と。
とてもリアルな人間臭さに溢れている。
いやそれどころか、気持ちが萎えてしまったからなのか?淡々と自殺をし始めたりするサンドラ。
ここまで来ると、もしも自分が同僚役だったならどうゆう態度を取るのだろうか?と考え込んでしまう。
正直に言うと、映画当初は「現実にこんな同僚がいたらちょっとウザいなあ〜」と思いながら観てはいたのですが。映画の後半になると、段々と彼女が落ち込む姿の背中を寧ろ「押してあげないと!」との感情移入をさせられてしまっている自分に気付かされる。
このダルデンヌ兄弟の演出力。
それでも結果は出る。
彼女に促されたからか?自分の意見をハッキリと口に出せた同僚達に、離婚に踏み切れずに悶々としていた女性の同僚。
みんな晴々とした顔でサンドラを部屋に迎い入れる。
そんな同僚達に感謝の念を伝えるサンドラ。
だから経営者としての決断をする社長に対して、サンドラは映画の冒頭とは打って変わり、堂々と自分の意見を口に出す。
映画の始めには愚図つき、後ろ向きな考え方だったサンドラだったのだが。今はもう前を向き以前とは違う彼女の姿があった。
だから家族に結果をサンドラは一言告げる。
「わたしも頑張ったでしよ!」
(2015年5月28日 ヒューマントラストシネマ有楽町/スクリーン1)
フランスって厳しい
フランスで仕事にありつくことのきびしさを知っておかないと、ピンとこないかもしれない。
ボーナスとかつて一緒に働いてたサンドラの人生、究極の選択を迫られる同僚たちの苦しみと、普段触れることのない、本心からのリアクションを突きつけられてボロボロになっていくサンドラ。
どこにでもいる普通の人間の、一番ツッコまれたくない部分を容赦なくツッコみ、社会の厳しい現実と生々しい本音をさらけ出しまくってます。
結局はギリギリで努力実らずだったけど、彼女の言葉通り、善戦。生活は厳しくても自身の倫理観に従って生きている人がいる、その事実だけでもうハッピーエンド!
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