劇場公開日 2015年5月23日

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サンドラの週末のレビュー・感想・評価

全31件中、1~20件目を表示

3.5多彩なテーマと、たったひとつのメッセージ

2024年5月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

一緒に観ていた旦那は「蟹工船」を連想し、ネットで感想を読んでいたら「LIAR GAME」と言っている人も。そして私は「十二人の怒れる男」を思い出した。「サンドラの週末」には、色々な側面が描かれている。
静かな映画だが、照明は明るい。サンドラの置かれた境遇は厳しいが、その実生命力に満ちあふれた世界を映し出す。
そのバランスが感動的で、素晴らしい。
この映画は、サンドラの復職を賭けた闘いの物語でもあり、市井の人々の暮らし向きを描く物語でもあり、人と人とのコミュニケーションを描く物語でもある。

体調が思わしくなく、休職していたサンドラが回復し、職場に復帰しようとした矢先、会社はサンドラの復職とボーナスの二択を他の従業員に選ばせていた。

考えれば考えるほどとんでもない話だ。
ボーナスが出せないとか、誰かを切らなきゃならない、というのは業績次第であり得る話だが、その責任から狡猾に逃げようとする会社の姿勢が最悪。
従業員たち自身に選ばせることで、「ボーナスは支給されるハズだったが自分で諦めた」、もしくは「サンドラが復職しないことを自分が望んだ」というように、その決定を内面化させ、巧妙に責任逃れをするのである。
さらに言えば、決定を従業員に押し付けることで彼らの対立も生まれ、労働者の団結を阻むという一石二鳥のアイデアでもある。
プロレタリア文学的な「資本家VS労働者」の構図はまさに「蟹工船」だ。

この狡猾な罠は、自分の決定次第で収入を得られるかどうかが決まる「囚人のパラドックス」的な面がある。
誰かを犠牲にすれば、自分は儲かる。まとまったお金を得るために、時に懺悔のような言葉を口にしながら他人の手を振りほどく行為は、確かに「LIAR GAME」だ。

そして、なんとか自分の復職に投票してくれるよう、同僚を訪ねて回るサンドラ。
自分はボーナスよりも価値のある人間なのか?
逆説的に、1000ユーロの為に見捨てられるような、価値のない人間なのか?という恐怖と闘いながら、対話を通して相手を説得しようとする会話劇は「十二人の怒れる男」を彷彿とさせるような、「他人の人生を左右する」ことの意味と覚悟への問いかけだ。

サンドラは常に、「ボーナスを選ぶ人の気持ちはわかる」という立場を崩さない。週末を使って一人一人の住居を訪ねるのだが、従業員たちにも家族がいて、サンドラは彼らの家族と対面することで彼らの稼ぎによって支えられている人々にも、申し訳ない気持ちになるのだ。

1対1の会話は重要だ。周囲の意見に流されることもなく、自分が発した言葉の責任を誰かに押しつけることも出来ない。
自分の発言が目の前の相手に反応を起こし、自分も相手の表情や仕草に反応する。そんなやり取りだからこそ、「相手の立場」に寄り添うことが出来るのだ。
サンドラの説得を通じて、サンドラだけでなく色々な人が自分の生きざまと向き合ったはずだ。映画に登場するキャラクターたちだけでなく、映画を観ている私たちも、色々な人たちを観ることで自分の価値観を見直せる。

苦しい生活が滲み出る人物たちとは裏腹に、舞台である街の景色は光と彩りにあふれて、とても美しい。暗がりの階段を昇り続けて、やっとたどり着くような家だったとしても、扉の中の住まいは優しい光に包まれている。
生きていく苦しみからうずくまっているうちは気づかなかった、明るい世界。その世界に気づくきっかけは、誰かに真摯に思いを伝えるコミュニケーション。
苦境を描いていながら、こんなにも明るいメッセージを伝えられる映画はなかなかない。

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つとみ

4.0【ダルデンヌ兄弟ならではの経済的弱者からの視点で、自らの突然の解雇を労働者たちの投票により反故にしようと奔走する女性の、懊悩する姿をドキュメンタリータッチで描いた作品。】

2023年4月19日
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悲しい

知的

幸せ

■労働者のサンドラ(マリオン・コティヤール)は、体調不良による休職から復帰できることになった矢先の金曜日、解雇を言い渡される。
 それを免れる方法は、同僚16人のうち過半数が1000ユーロのボーナスを諦めること。月曜日の投票に向け、サンドラは家族に支えられながら葛藤を抱えながら、同僚たちの説得に回るが…。

◆感想<Caution! 内容に触れています。>

・観ていてキツイ作品である。心なしかサンドラを演じるマリオン・コティヤールが痩せている気がする。

・サンドラは同僚たちにーロのボーナスを諦めて、自分の解雇を反故するよう投票してくれと週末駆け回るのだが・・。
ー サンドラに助けられたからと快く同意する青年や、居留守を使う仲の良かった筈の同僚。夫と口論になり別れる決意をする女性・・。
  サンドラは疲弊して行き、安定剤を飲み過ぎてしまうのである。
  16人を説得するのは、キツイよなあ・・。しかもボーナスを諦めて、と言いながら・・。-

■白眉シーン
 月曜日の無記名の投票。結果は8対8の同数で、サンドラは復職ならず。だが、彼女の表情はやるだけやったという達成感からか、穏やかだ。
 そこに社長の呼び出しが来る。
 (明かなる労働基準法違反の)人間をモノとしてしか見ていない愚かしき社長の言葉。
 ”2カ月だけ待ってくれ。短期契約の2人を辞めさせて君に復帰してもらう。”
 だが、彼女は決然とした表情で、その申し出を断るのである。
 心に響くシーンである。
 経済的弱者でも、人間の矜持は失っていない事を示したシーンであると、私は思ったからである。

<弱い立場の労働者の連帯をテーマに描く社会派ドラマ。サンドラを始めとする同僚たちの苦悩と決断が見事にドキュメンタリータッチで描かれた作品である。
 この作品を教えてくれたレビュアーの方に感謝いたします。>

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NOBU

4.5サンドラはいつかの私、かも

2021年10月9日
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大好きなキュアーのロバおが言ってた
お金はその関わり方で、その人となりを推し量れる神からの賜り物だ
同僚に会って
お金より自分を選んでくれって、頼んでまわって…
得られたものはお金に縛られない私、自由な私
この地に縫い付けられてる身体が浮遊する感じ。
飢えても、無敵だ

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アメリカの友人

5.0黙っているべき?病気のサンドラ

2021年9月13日
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鑑賞方法:DVD/BD

あまりもぎりぎりの生活。
家族のひとりが病気になるだけで、たちどころに一家の平穏は傾く。

鬱病を抱えながら復職を求めるサンドラの2日間です。
「週末」といってもリゾートとは正反対の物語でした。

カーラジオが鳴る・・
「すべてが台無し
途方に暮れる
この世界には
たくさんいるはず
私のように今夜孤独な人は
悲しくて死にそう
ひどい世界よ
何も考えず眠りたいだけ
タバコに火をつける
暗いことばかり考える
どうして夜はこんなに長いの・・」

連戦連敗。
車中でサンドラと夫のマニュがラジオのつまみをひねり上げて大ボリュームで聴くシャウトです。
泣き笑いしながらふたりで歌い、でも曲の終わりで再び黙り、疲労困憊のふたり。

「お給料」って、その人の価値じゃないはず。
労働への対価でしょう?
でもそのお給料の枠に合わせて人間は人生を設計するし、その額が幸せを左右するのも本当なんだよなぁ。
つまり手取りの額面が限りなく、ほぼその人の人生のサイズとイコールなの。

そしていつしか自助という「働かざる者喰うべからず」の世からの圧力の凄まじさ。
つまり「無職・失業者・無収入者」イコール「無価値な人間」という烙印の怖さ。

・・・・・・・・・・・・

明らかに病気の目のサンドラが、うつ病の薬をがぶ飲みしながら同僚の家を一軒一軒当たります。
まさかの直談判で、自分の復職を頼み込み。これはひるがえって言えば、目の前の同僚に
「あなたの減給を飲んでくれ」
「私の代わりにあなたが退職してくれないか」と頼み込む正常とは言えないような強烈な自己主張なんだけれど。
週末=土曜日と日曜日の行脚です。

病気でなけりゃあ口に出来ないストレートな欲求(笑)と、こちらに詰めよってくる圧迫感たるや!
・居留守したい。
・月曜日は有給とってサンドラに会いたくない。
・膝がガクガク震えてくる。
・サンドラのノックが近づいてくる。
・ドアをこじ開けてくる。

でも同僚たちは、はっきりと自分の考えをサンドラに嘘なく伝える。
さすがフランス。

マリオン・コティアール
ドレスとメイクで決めれば、それはそれはゴージャスでセレブリティな彼女が、やつれて素っぴんの失業者を演じていました。

夫役のマニュは仕事を抜け出しながら、早退しながら、精神を病む妻の格闘を支えていましたよね。僕はずっとこの夫のマニュの思いと表情から目を離せずにいました。

僕は、
僕の過去ですが、お金を渡すべきだったのか、無心してきた昔の職場の元同僚を思い出す。今でもチクチク思い出す彼女の、目を疑うほどのやつれた顔と、ガタガタの歯と、口臭を思い出す・・

外で働いていると、共倒れが怖くて助けてあげられない人に出会う機会もあって、
知人、友人、そして時には肉親さえもシャットアウトしなければならない場合もあって。
そんな貧困なこの世の中の構造に苦しさと怒りを覚えます。
自分の限界に歯がゆさを覚えます。

安心して失業も病気も老人になることも出来る世の中になるべきなんです。
「私も働きたい」というサンドラの言い分は我が儘じゃないですよね、
病んでいるのは社会のほう。そこ、治さなければならないと思います。

・・・・・・・・・・・・

【付記】
為末大のコメントです、長くなりますが、
“女の話は長いのでオリンピック組織委員会での女の発言、自己主張には困っている”旨の、御説を失言なさって首になられた森義郎会長。元総理大臣という名士。
その彼の“女を黙らせようとする男の同調圧力”について為末がコメントしました(以下)

「女性差別というよりも、マイノリティーの人たちが会議で感じる息苦しさが、全部『わきまえないといけない』という発言に集約されている。私はパラスポーツに関わった経験から、会議場に車いすで入ってきた人が、時間がかかることを理解している。日本がパラリンピックに力を入れている中で、(森氏は)同じ感覚でパラリンピックも見ているのかな、と」
(毎日新聞Web版2021/2/9 )

↑これを読んで、ハッと思い出したことがある、
コロナで東京五輪を縮小コンパクトにする方向になったとき
「ならばパラリンピックは中止ですね」とサラッと発言した委員がいたと。(氏名失念)。

障害者はわきまえないといけない、
=鬱病のサンドラもわきまえないといけない、我慢して黙っているべきだ、周囲の人間もサンドラを黙らせるべきだ=
という優性思想の悪魔性が、ふとした時に公人からも暴露されるわけだ。

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きりん

4.0あきらめないでやること

2020年7月11日
PCから投稿

サンドラは週末の二日と一晩を費やして同僚16人の一軒一軒を廻る。
その姿を淡々と追うのがこの映画のすべて。
フランス語の原題からして「二日と一晩」であり、二日と一晩をかけて、ひたすら「私の復職のためにボーナスを諦めてくれませんか」と16軒の家々に頼み込むサンドラを延々と見せられる。
すんなり「いいよ」と言ってくれる同僚もいるが、ほんの僅か。
たいてい拒絶されるし、説得すれば難渋するし、怒気に触れて罵られることもある、門前払いを食わされることもある。とうぜん留守宅もある。再訪しても未だ留守のこともある。同僚当人がいなくて要領を得ない家族に睨まれることもある。加えて一人一人に疎通の多少がある。よく知る同僚もいれば、ほとんど話さない同僚もいる。

そんな状況にめげずサンドラは根気をもって往訪→説得を繰り返す。あきらめない。依怙地にならず、自棄にもならず、ひたすら真摯に「私の復職のためにボーナスを諦めてくれませんか」を説いて廻る。

ひとかけらのエンターテインメント性もないのに、いつしかサンドラに全力で旗を振っている。いくら生活のためとはいえ、いったいどこの世の中に「私の復職のためにボーナスを諦めてくれませんか」などという言いにくい条件を携えながら不屈の庶民がいるだろう。そこには勇気が見える。腐りもせず卑屈にもならず相手を恨みもせず、どこまでもまじめに信念をつらぬく。

この映画を見たとき、ヨーロッパ=頽廃的に対する誤解を改めたばかりか、日本人が勤勉でまじめというのは本当なのだろうかと懐疑心を持った。勤勉でまじめな日本人などという前世紀の格付けに甘んじていていいのだろうか。それをかんがみるなら、アメリカ人が陽気でヨーロッパ人が頽廃で中国人が厚顔でオセアニア人がのん気でイギリス人が慇懃で……それらの無責任なレッテルに何の価値があるのだろう。つくづく人は、人種とは無縁だ、と思う。

午後8時の訪問者(2016)も状況が変わるものの同じ主題である。諦めない。信念をつらぬく。
あきらめないでまじめにやる──それがダルデンヌ兄弟の主人公。そうでない映画もつくっているが、あきらめないでまじめにやる、というテーマで魅せる映画をつくれる監督って他にいないんじゃなかろうか。

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津次郎

3.5静かだけど力強い、勇気が湧く物語

2020年5月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

よかったです。
解雇を言い渡された主人公が同僚に協力を求めて説得して回る週末の2日半を描いたもの。
冒頭で、「県営住宅に引っ越せばいい」と言うサンドラに対し、「僕の給料だけでは今の家賃にも足りないし県営住宅には引っ越したくない」と言う夫はどうかと思ったし、家は2階建ての一軒家、交通の不便な地域なのかもしれないが車だって所有している。設定がシングルマザーの方が切迫感があったのではと思ったが、一応、この夫は妻のよき理解者で励まし続けるという役目になっている。お金がないのに食事は出来合いを買ってくるし、しょっちゅうキオスクでペットボトル飲料を購入する。でも貧しい世帯ほど無駄遣いをしたりするところもリアルだったりする。

同僚たちの反応は三者三様で、義理堅い人もいれば、薄情な人もいる。共通しているのは、彼らの中で誰一人裕福な暮らしをしている者はおらず、週末に副業をしたり子どもを抱えたりしながらなんとか暮らしを守っていることだ。個人の権利が強いフランスでさえ、階級差や被雇用者の生活の不安定な現実を知った。
1人1人の反応に一喜一憂するサンドラ。彼女のせいで同僚の家族や同僚同士にいさかいが起きるのは心苦しい。なんども挫けそうになりながら、夫の励ましや同僚の賛同に気持ちを持ち直し説得を続ける。
どんな結果になるのかと固唾をのんで見守ったが、ひとひねりあるラストがとてもよかった。最後にサンドラが下した正義感あふれる決断に、こちらもすがすがしい気持ちになった。
エンドロールに切り替わっても効果音は流れない。そこで初めて、劇中の効果音がなかったことに気づいた。それぐらい息をつめてサンドラを見守っていたことに気づいたのでした。

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ピンクマティーニ

4.0一人だったらここまで出来ない。

2017年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

幸せ

会社員です。給与も賞与も出て借金もなく生活は苦しくはないですが満足はしていません。今の生活の何に満足していないのか深く考えてみたら恥ずかしくなってきました。それは人から見ればただの贅沢ではないかと。鑑賞後そんなことを考えていました。
この映画を観て印象に残ったのはサンドラが今まで気づかなかった信じれる仲間がいたこと。それに気づけたこと。泣いてくれる仲間がいたこと。家族(旦那さん)も必死になってくれたこと。自分の意見が言えたこと。最後自分の意思で選んだこと。全てが私には羨ましく感じました。何もせずじっとしているだけでは何も変わらなくて、どんなに辛くて悲しくても今やれることは行動に移す。人からどう思われようが自分が切羽詰まって必死な姿を見せないと人の心は動かない。
休みの日に同僚の住所を調べて一人一人に突然会いに行って事情を話すなんてこと自分には到底出来ないです。しかもそこで初めて同僚達のプライベートに直面し現実の厳しさをさらに思い知らされる。そして同僚たちのサンドラに対する本音の素顔が露わになる。辛いです。
気を張って事情を話す時のサンドラの表情と、同僚達の対応次第で嬉しかったり辛かったりとその都度サンドラの精神状態の変化が観ていて気が気でならなかったです。それだけマリオン・コティヤールの弱々しくて覇気のない表情の変化がとても自然に入り込んでいて演技力を感じました。音楽が最後まで一切無いのも観る側に余計な感情を煽らせない、目の前の映像が全てだと言っているようでより一層サンドラの心情が身に堪えました。明日は我が身…

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puccino

2.5仕事を頑張らなきゃと思いました

2017年5月27日
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鑑賞方法:VOD

仕事を頑張らなきゃと思いました

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さえ

3.5週末の一コマ、明日へと続く。

2017年3月26日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

幸せ

凝った演出はなく、淡々と進む映画です。
だからこそ、深く感情移入したりせずに心地よく観れました。

またその為に、マリオン・コティヤールの演技が光ってます。
虚ろな表情、歩き方、感極まるシーン、最後のシーンの表情まで無駄がないなと感じました。

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ぽねす

3.5後悔なく終えられて良かった

2017年2月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

医師の診断で完治したんだとはとても思えないってのが、本当のところなのかなと感じました。そんな状態だからこそ、家族と友人の大切さがよくわかります。

ラストの投票後のシーンは良かったです。

ただ、生活水準がどの辺りなのかよくわかりませんでした。

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ゆた147

4.0途中見ていて辛くなった、でも見る価値はあった映画でした

2016年11月28日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

怖い

難しい

ほのぼのとしたタイトルとは裏腹に、主人公サンドラの週末は何とも過酷としか言いようがない週末でしたねぇ。
こんな週末、私なら耐えられない、と言うかこんな会社はむしろこちらから願い下げです、が・・・サンドラの様々な事情からそうもいかずと言うのが、本当に見ていて胸が苦しくなると言うか、身につまされると言うか・・・。
このような仲間か金かを選択させる悪徳企業が本当にあるかどうかは疑問なところですが、それだけ深刻な世の中になってきたと言うことを思い知らされて、見ているこちらも物凄く重い気分に陥ってしまいました。

でも、やっぱり1000ユーロのボーナスは欲しいよなぁ、いくら仲間の為とは言え、ボーナスを捨てるのは容易な決断じゃない。
見る限り結構ギリギリの生活を送っていた方がほとんどだったようですし、ボーナスを選んでもこれは全然恨めない状況ですよね。
こんな悪徳企業を皆で立ち上がってギャフンと言わせるみたいな映画は今までもありましたが、この映画はあくまで究極の選択部分に焦点を絞って映画化していましたから、見ている方も本当に逃げ場がないと言う感じで、まあ尺は90分強と短い映画でしたが見終わった後はドッと疲れが押し寄せました。

もしサンドラがこの職場でどうしても必要と言うならまた話も違いますが、休んでいる間も今のメンバーで何の問題もなく仕事をこなせていたと言うのが、ある種ポイントと言えましたね。
サンドラと仲良くしていた人や世話になった人ならまだしも、挨拶程度の関係だったなら、私も普通にボーナスを選んでしまいそう。
またサンドラの物の頼み方がちょっと悪い意味で気になる頼み方だったので・・・。
でも冷や水を浴びせる人が多数いる中で、温かい対応をする人達の、人間としての素晴らしさには感動を覚えました、自分にそれが出来るか・・・やっぱり金欲しいもんなぁ・・・。

それにしても美しいマリオン・コティヤールが、ちょっとくたびれた感じで演じていたのは印象的でした。
泣きべそかきながらの各人への訪問は、正直見ていてゲンナリする部分がありました、もう一回見たいかと言われれば、もう勘弁です、でもラストが素晴らしかった、あれで十分見る価値のある映画だったなと思わされましたよ、いろいろと心かき乱された映画でしたけどね。

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スペランカー

3.5タイトルのまんまの物語

2016年7月28日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

これだけと言えばこれだけの話しだったが・・・でも、結末を見届けたいと、サンドラと共に辛い想いで辛抱強く(?)観た。

一人の社員の解雇をその同僚が決定するなんてありなのか??

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Sheeta

3.5復職させるか13万円のボーナス諦めるか

2016年7月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

フランスも多民族国家なんだな、と。
10数人の会社の割に社屋が立派だな、と。
病み上がりで不安定な労働者を見事に演じている。

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消されるので公開しない

3.0サンドラの選択。

2016年6月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

幸せ

今作を観てすぐに思ったのはこの会社にいてもいずれはクビになるだろう。
あるいはサンドラがまた体調を崩すだろう。だからどうしても職が必要なら
今すぐ次の仕事を探した方がいいよ、だった(冷たいかしらね私?)とはいえ、
いわゆる病を抱える彼女にとって、何かを決断し戦うことそのものがまずは
できないことなので、行動に移すまでの葛藤が今作のテーマにもなっている。
そもそも条件が酷い。誰だってボーナスをあてにしているのは当然、それを
彼女と天秤にかけるという、頼まれる方も断り辛いし、自分の立場になりゃ
堪らないことだ。観ている方がツライ。しかし思うけど職場というところは
戦場そのもの、休職している間に会社の状況だって変わる。サンドラは甘い、
旦那も甘い、何でもっと頭金や預貯金を増やしてから家を買わなかったのか。
その水も、そのアイスも、単価かかってるんじゃないの?家で作ってきなよ。
金欠者ほど倹約をしない。散々使っておいて足りないと言う。社会の底辺で
喘がないための勉強にもなる作品だが、ふと人情が溢れる場面が心根に響く。

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ハチコ

1.0共感できなかった・・・・

2016年2月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

少しは期待していたのだけれど・・・・
もっと酷いっ状況で、皆に頼んでいたのかと思っていたが・・・
生活が苦しくなるから復職したいとの設定だったが、苦しい様には全く見えない。
小さいが新車。外に出れば外食や飲み物。
他人に迷惑かけてまで・・・と思ってしまう。
旦那ががめついだけじゃないのか?
完治したと思えない妻に強いている?
観終わってこれだけ?と唖然とした。

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シネパラ

4.0苦行の外回り

2016年1月4日
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ストーリーが始まってすぐに結末が気になって仕方ない
まさに苦行の外回りで、足取りの重さがすごく伝わる。
いい奴とは?人助けとは?仕事とは?と色々考えさせられる。
最後の主人公の決断も素晴らしい。

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アリンコ

4.03.9

2016年1月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

難しい

凄くいい。同僚に会うたびに変化するサンドラの不安定な心がよく表現されていた。あの演技には圧巻。音楽が全く使われてないが、それが逆によかった。最後エンドロールで静かな昼過ぎの街の音が聞こえたけど、あの月曜日はサンドラ以外の人にとってはただの月曜日だったんだと思わされた。街並みとか、雰囲気ならフランス映画らしさが感じられた。うつ病を含め精神病と言われるものは脳と言う臓器の病気であって、特別な変な病気ではない。心の病気なんて言うからだめなんだ。

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onaka

5.0病み上がりの妻の事は心配だが今の仕事も辞めてもらっては家計が苦しく...

2015年12月20日
iPhoneアプリから投稿

病み上がりの妻の事は心配だが今の仕事も辞めてもらっては家計が苦しくなるだから妻の失職は避けなければならない、この事情抱えた夫が素で表現している様がリアルで良し。
ラスト、何かを成し得た妻の姿に監督のセンスが伺える。この兄弟ハズレがない!

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JOHN DO

1.0辛かった

2015年10月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

難しい

寝られる

辛かった!
ヒロインの状況を思んばかってではない。
余りにも陰鬱でつまらなかったからだ。
私の鬱病に対する理解度が、極めて低いのかもしれない。
社長や主任のできることなら辞めさせたい気持ちは、
倫理や法律上はともかく良くわかる。
一方、ヒロインおよびその周辺、特に夫の行動は、
利己的に過ぎると感じる。
完治には程遠く、簡単に自殺しようとするような妻を、
何とか仕事に復帰させようと無理強いする。
ありえない!
そして、吹っ切れて清々しい表情で歩み出すヒロイン。
感動的なラスト??な訳ない!
散々周囲を引っ掻き回し、離婚や親子喧嘩を引き起こし、職場の人間関係はズタズタ。
どうしてくれるんだろう。
どう考えても、最初から別の道に歩み出すべきだった。
延々と鬱病患者と身勝手な夫、
かわいそうなその夫婦の子供たち、
翻弄される普通の同僚たちを見せつけられ、もう辟易。
相変わらず、フランス映画とは相性最悪!

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みみず

2.5完治してなかったじゃん。

2015年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

もともと、うつ病を発症しちゃうんだから、心が弱い人なんだって大目に見ます。
でも、「高度な技術は不要で誰でもできる仕事」で「一人減って16人でもなんとか回っちゃう仕事」なら、忙しければ臨時雇いで対応する、って会社の方針は、経営者としては普通でしょ?
あの運動で、また働けるようになっても、それまでどおりの職場の雰囲気じゃないでしょ?
100ユーロって、日本円で13万5千円か。そりゃあ、それがなくちゃ生きていけないって額ではないけど、それが貰えるってなれば誰だって皮算用はするわな。

臨時雇いの黒人が味方になってくれたことを、再雇用で裏切りたくはないって気持ち、そこの潔さがラストの笑顔につながった。そこは良かった。
たぶんこの経験は、彼女にとって予期せぬリハビリになった。医者にかかっていたよりも、薬を何錠飲むよりも、彼女の回復への特効薬になったことだろう。
だけど、大部分が晴れない気持ちのままだった観賞気分がそこでようやく好転しても、遅いよなあ。

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栗太郎