「この映画の問いかけるもの。」サンドラの週末 bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画の問いかけるもの。
この兄弟監督の映画を観る度に、一番、頭に残ることは、「一体、何を訴えたかったのだろう」ということです。大体の主人公は経済的に恵まれておらず、話の筋は、これでもかと云わんばかりに、次から次へと不幸の荒波が主人公へ襲いかかってきて、最終的には主人公は救いようのない状況へ追い込まれてしまう、というものです。(今回は若干、違いますが・・・)それにしても鬱病を患いながらも安定剤を大量に服用しつつ、票を集め回るマリオン・コティヤ―ルの姿は痛々しい限りです。
この兄弟監督の追い求めるテーマとは一体、何であるのでしょう。まさか、さまざまな不幸を背負った人間をありのままに描くことで、何か文学的な重いテーマを暗示しようとしているのではないのでしょうね。この兄弟監督が敬愛している筈のブレッソンの作品に比べると映画的面白さには欠けますし、ベルイマンの作品に比べると奥行きに大きく欠けます。表面的な風景を淡々と綴ることに終始し、結果として、なんだか、嘘くさい映画になっているのです。深みのある映画を作ろうとはしたものの、悉く、失敗しているように思えてならないのです。
カンヌ国際映画祭でパルム・ドールをニ回、受賞とのことですが、どう考えても過大評価のような気がします。
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