「完治してなかったじゃん。」サンドラの週末 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
完治してなかったじゃん。
もともと、うつ病を発症しちゃうんだから、心が弱い人なんだって大目に見ます。
でも、「高度な技術は不要で誰でもできる仕事」で「一人減って16人でもなんとか回っちゃう仕事」なら、忙しければ臨時雇いで対応する、って会社の方針は、経営者としては普通でしょ?
あの運動で、また働けるようになっても、それまでどおりの職場の雰囲気じゃないでしょ?
100ユーロって、日本円で13万5千円か。そりゃあ、それがなくちゃ生きていけないって額ではないけど、それが貰えるってなれば誰だって皮算用はするわな。
臨時雇いの黒人が味方になってくれたことを、再雇用で裏切りたくはないって気持ち、そこの潔さがラストの笑顔につながった。そこは良かった。
たぶんこの経験は、彼女にとって予期せぬリハビリになった。医者にかかっていたよりも、薬を何錠飲むよりも、彼女の回復への特効薬になったことだろう。
だけど、大部分が晴れない気持ちのままだった観賞気分がそこでようやく好転しても、遅いよなあ。
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