「政術映画「そのとき、日本は止まった」といったところか」日本のいちばん長い日 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
政術映画「そのとき、日本は止まった」といったところか
岡本喜八監督版は未鑑賞。
ただし、岡本喜八版は8月15日の玉音放送前日を「日本のいちばん長い日」と定義して映画をつくっていることだけは知っています。
しかし、本作は・・・
戦争終結内閣である鈴木貫太郎内閣の成立から8月15日の玉音放送(同日鈴木貫太郎内閣総辞職)までを描いています。
とすると岡本喜八版とは、まるっきりアプローチが違うし、タイトルの「日本のいちばん長い日」がそもそも異なるように感じました。
この映画での「その日」は、玉音放送のあった8月15日。
その玉音放送によって、これまでの日本という時間が止まった。
そして、新たな日本へ転換する。
玉音放送の「とき」が、「日本のいちばん長い日」。
本作は、まさに「そのとき」で終わります。
(なので、副題に「The Emperor in August」がある)
映画は「そのとき」を迎えるまで、どのような葛藤があったのか。
それを、原田眞人監督が得意とする「男騒ぎ」の映画として描いていきます。
天皇、鈴木首相、阿南陸相を中心とした、政治映画(というか政略映画というか、政術映画というか)として、原田監督は巧みにまとめたと思う。
監督特有の少し冷めた感覚、ワンシーンワンシーンを思い切りよく短いカットで繋いでいくのが、この映画には合っていた。
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