怒りのレビュー・感想・評価
全225件中、221~225件目を表示
胸が痛い…
とある殺人事件の容疑者と思われる3人の男が、日本の各地に現れる。
素性の知れない彼らに出会い、心惹かれていく人々。
この人は殺人者なのか? 疑いと、それでも信じたいという思いの狭間で苦悩する。
森山未來、広瀬すずの沖縄編が、一番胸に刺さった。
朗らかな役柄の多い広瀬すずだけれども、今回は米兵にレイプされるという、とてつもない傷を負わされる少女、泉を演じる。
自分が酔っ払ったばかりに、憎からず思っている泉を被害者にしてしまった少年、辰哉。
その辰哉の苦悩を共に分かち合う田中。
素性は知れないものの、2人の兄貴分として大人の振る舞いをする田中だけれども、しかし…
この沖縄編は、3人がそれぞれ質の異なる怒りを抱えている。
田中の抱える怒りは、明らかに異質。
同情するのはかなり難しい。
泉の抱える怒りは、あまりにも悲しい。
彼女がレイプされたことは、ただただ不運としか言いようがない。
彼女には何の落ち度もないからだ。
辰哉はひたすらに自分を責める。
自分が酔って、前後不覚になったせいで、泉を被害者にしてしまった。
彼は生涯自分を責め続けるだろう。
誰からも赦しを与えられることもなく。
泉がレイプされるシーンは、本当に辛かった。
あんなにも辛い涙を映画館で流したことはなかった。
作り物だと分かっていても、あまりにも理不尽で残酷な暴力を目の当たりにして、平常心ではいられなかった。
東京編、千葉編も良かった。
宮崎あおい=愛子は、まっとうに生きられない自分と、そんな自分が過ごすであろう人生を受け入れつつ、それでもなお、松山ケンイチ=哲也と出会い、「こんな自分でも幸せになりたい」と願う。
娘の愛子を愛しつつも、「こんな娘が幸せになれるわけがない」と諦めも感じている父、洋平=渡辺謙。
ゲイの優馬=妻夫木聡は、ゲイが集う場所で直人=綾野剛と出会い、自分の家に住まわせる。
最初のうちは、おそらくはセックスフレンドとして。
しかし、穏やかで心優しい直人に、深い愛情を抱いていくようになる。
だからこそ、とあるカフェで見かけた見ず知らずの女性と談笑する直人の姿に、強烈な嫉妬と絶望を感じたのだろう。
3人それぞれが別々のきっかけにより、深い関わりを持っていたはずの人の前から姿を消す。
この3人の中に、殺人犯がいるのだろうか?
見終わって、深い溜息が出た。
人を信じるとは、なんと難しいことなのだろう。
人を疑うとは、なんとたやすいことなのか。
自分は、いったい何を信じているのだろうか。
何に怒りを感じているのだろうか。
その怒りの矛先は、どこに向かっているのだろうか。
信じることができない自分自身なのか、信頼を裏切った大切な人なのだろうか。
とても丁寧に作られた、しかし猛烈な熱量を感じる映画だった。
だからこそ、何度も繰り返し観ようという気が起きない。
今でも、腹にズシリと何かが残っている感じがする。
自分のことは、自分自身が一番分かっていないように思える。
知り合った人の数だけ、「本当の自分」が分身のように生まれている。
そんな風に思ったりもする。
僕は誰を信じているだろうか。
誰が僕を信じてくれているのだろうか。
改めて、大切な人といろいろ語りたくなった。
自分自身への怒り
人が人生すら左右されてしまうほど怒りを感じるのはきっと自分自身を許せない時だと思う この映画は 信じれなかった人 と信じてしまった人 が消えない怒りと苦しみに向き合う映画だった そして犯人も 一杯のお茶を差し出されてしまった そんな自分を許せないゆえの怒りが事件の動機だった とにかくまずこの 怒り というタイトルが秀逸だと思う
登場人物が向き合う 怒り の1つ1つがズシーンと心にのしかかって来て見てて辛い あんまり役者が泣きわめいたり叫んだりする演出は好きではないけどこの映画はこっちまで叫びたくなるぐらい見てて来るものがあった 大体の日本映画の場合大体観客側が泣きたくなる前に登場人物が泣き始めてしまうのでこっちは少しシラけるという 演出力不足ゆえの問題があるけどこの映画は上手かった 特にこの映画の広瀬すずの、今ブレイク中の若手女優がやる役とは思えない 米兵にレイプされるというあまりにも辛すぎるシーンは見てるだけでも涙が出てきた 本当に許せないし 怒りが湧いてくる
他にも渡辺謙や宮崎あおいはもちろん妻夫木聡と綾野剛のいわゆる体当たりな演技とか役者陣の力が凄く大きいと思う 人気と実力を兼ね備えた日本最高峰の役者陣の映画だった
ラスト 宮崎あおいは少し前向きな気持ちになれてたと言えなくもないけど あの希望の裏で渡辺謙が抱える 娘を信じられなかった という傷と自分への怒りは多分一生消えないし 広瀬すずが抱えた怒りと悲しみは想像を絶する辛さだった
とにかく見ててこんなに凹む映画は中々ない
でも 見てよかったとも思う
綾野剛が弁当の傾きを直しながら歩くシーンは ものすごく共感した 何か良い解決策はないものか
重かった…がこれぞ映画。
終始宮崎あおいちゃんの演技に見惚れつつ(やっぱり凄いんだなぁと思いながら)松ケン刹那〜って思って涙し最後は良かったー、ってなったけど、他の2つの方は犯人は森山未來じゃなくて綾野剛だと思ってたので(だってホクロがあったじゃん)少し理解不足(^^;;
重くて辛い話だったけど俳優陣の演技が素晴らしかったのでアカデミー賞いくかなー!と思ったり。
しかし、怒りというエネルギーは恐ろしい。←これでまとめていいのか?よく分かっていない(^^;;
広瀬すず頑張ってたな~
「怒り」鑑賞。
〈あらすじ〉
八王子夫婦殺害事件の1年後、東京、千葉、沖縄という3つの場所に、それぞれ男が現れたことがきっかけで巻き起こるサスペンスドラマ。
◎良かった所
・俳優が豪華。渡辺謙、宮崎あおい、森山未來、広瀬すず、妻夫木聡、綾野剛、三浦貴大、松山ケンイチ、ピエール瀧など。。そして、迫真の演技が素晴らしい。渡辺謙の演技、妻夫木聡と綾野剛のゲイプレイ、宮崎あおいが大号泣シーンは圧巻。
・内容は意外にもタイムリーな内容で、沖縄の普天間基地の問題や米兵の婦女暴行事件が絡んでました。びっくりしたのが、泉役を演じる広瀬すず。米兵に犯されるシーンには驚きましたね。。広瀬すずは泣き叫んでましたから。いやぁ~ここのシーンはホント頑張ってたな~って思いました。。
・妻夫木聡と綾野剛のゲイプレイがスゲー生々しい。(笑)
・誰が八王子夫婦を殺害したのか、全員を疑ってしまう。誰を信じたらいいのか、全然展開が読めなくて、最初から最後までハラハラしました。
・ネタバレですが、真犯人の森山未來の狂った(?)演技が素晴らしい。動機の理由も酷かったな~最低すぎる。(^^;
◎気になった所
・泉とタツヤ、田中(山神)と居酒屋から出た後、どうしてタツヤは急にいなくなったのか理由がわからない。
しかも米兵に犯されてる泉を怖くて助けられなかったしね。。
・群像劇なのにそんなに繋がりがない。
・犯人はタツヤに殺されたので、夫婦を殺害した動機が結局分からなかった。
~まとめ~
・観る前は、そんなに、期待はしていなかったのですが、思ったほど非常にシリアスで、タイムリーな内容で、少しだけ複雑な感じはありましたが、なかなか面白かったです。(^^)v
女優『広瀬すず』の覚悟見届けて
本日9月17日いよいよ公開日です。
私は先日、ジャパンプレミアムにて一足先に観せていただきました。
すでに3日も経っているのに見終わった衝撃と動揺が続いています。
主演の渡辺 健さんが舞台挨拶で『監督、俳優陣達が、のたうちまわって作った作品です』
また現在超メガヒット中の「君の名は。」の映画プロデューサー川村元気氏(この映画も企画)も『心がえぐられるよな映画』というようにまさに観た人の心を揺さぶる映画でした。
観る側も覚悟が必要な映画だと思いました。
人を「信じる」ってどういう事なのか。
人を「裏切る」ってどういう事?
自分の周りのすべての人との関わり合い。どう向き合うのか?
恋人、友人、家族。
この映画を観てなぜ衝撃を受けたか、今でも動揺している理由は森山未來、広瀬すず、佐久本宝(新人)が演じた沖縄の物語によります。
東京編、千葉編とも私としては心に納める事ができる内容でした。
が、沖縄編は今でも心が締め付けられます。苦しいです。でもこの沖縄編のシーンがあってこそこの映画が成り立つような気がします。
恐らく人の人生には何回か、どうする事も出来ない大きな壁にぶつかりもう立ち上がれないほどの絶望感を抱くシーンがあるはずです。(できれば遭遇したくないけど)
恐らく李監督の事ですから一切の妥協は許さない撮影現場であったはずです。
彼女がこのシーンを撮影した時はまだ17歳でした。
女優だからってそこまで自分を追い込まなければならないのか?こちらの方が苦しくなります。
『覚悟』のある女優だとある若手俳優が言ってました。
撮影後何時間もその場で泣き続けたとも聞いてます。その後の映画(4月は君の嘘)宣伝で最近バラエティ番組に多く出演してますが何事も無かったような屈託のない愛くるしい笑顔をお茶の間に届けてくれてます。余計に苦しくなります。
どうしようもない現実に自分の心が引き裂かれる。それでも前を向いて生きていかなくてはなりません。
ラスト近くのボートのエンジンをかけて沖縄の青い広大な海に一人で乗り込んで行くシーンがとても好きです。
全225件中、221~225件目を表示




