「2度と見たくない超名作」怒り さつきさんの映画レビュー(感想・評価)
2度と見たくない超名作
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当時、日本アカデミー賞を総ナメしたことから軽い気持ちで視聴。
この作品は心を素手で鷲掴みにしてきた。
後半になるにつれ心が休みなく揺さぶられ、今まで観てきた映画の中でもトップクラスで素晴らしい作品に感じた。
ただの推理モノでは済まない、人間の感情の真理の詰め合わせ。
かなりの良作ですが観ているだけで疲弊してしまい、2度目の視聴はあるかな?というレベル。
個人的には真犯人が犯行時に強い恨みなどのこれといった動機がなく衝動的で、それでも現代パートではそこそこ抑えながら人と心を通わせているのがまたリアルだなと。
赦されたくもあり、今までの生き方とは全く違う人たちを眩しく思うこともあり、楽になってしまいたくもあり、それでも奥底にある衝動と闘っている。
「怒」をはじめ、洞窟?のシーンの落書きたちは、犯人が自分の衝動を落ち着けながら一般社会に擬態して生きていく術だったように見えたし、一見とんでもない「ウケる」等はその中で過去の自分とのギャップに悩んで慌てて書いたように感じた。
少なくとも学生2人に対しては情があったはずで、そんな中でも真っ直ぐに守りきれなかったやるせなさや、この2人になら何されてもいいやという気持ちもあったような気がする。
あの煽りはもし殺されるなら自分が心を許した人に…なのか、強い衝動で人を殺してしまうのは自分以外も同じ(自分は異常じゃない)と思いたかったのかもしれないなんて考えてしまった。
サイコパスにもサイコパスなりの理由はあったと思う。
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