劇場公開日 2016年9月17日

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「死ぬほどヤな気持ち」怒り 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5死ぬほどヤな気持ち

2016年10月3日
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 考えてみれば、人は誰しも人生の主人公なわけで、脇役さんはいませんよね。
 みんな、キャラが濃い。普通、主演クラスを複数使うと、全体がぼやけてしまうものですが、最後まで濃いキャラ炸裂。「悪人」「凶悪」「マイ バックページ」を、足して2.5で割ったところに「苦役列車」をほんのりトッピングしたテイスト。悪酔いしそう。東京、千葉、沖縄を舞台にした本作ですが、それぞれ独立した3部作になるくらい、死ぬほどヤな気持ちが、ぎっしりです。
 人から喜怒哀楽、抜いたら何が残るのかしらとも思うのですが、たくさん怒って、たくさん哀しんで、最後に掴むもの知ることが、人の生涯ですかね。あるいは、取り返しのつかない過去と、修復すべき未来の狭間で、もがくことが、生きる証なのでしょうか。死ぬほどヤな気持ちと、本気で向かい合ったところで、周りからみたら滑稽なものにしか、見えないようですし。
 喧騒に包まれた街も、穢れなき海原も、人を癒すことはないようです。それでも、怒りと云うパンドラの箱の底に、何かあると思いたいものです。

機動戦士・チャングム